知人の娘さんが、結婚するわけではないけれど、家をでるのだそうだ。
彼女は横浜あたりの準公共の金融機関に勤めており、表向きは通勤に不便だから。しかし本当は親が一緒ではわずらわしい、ということのようだ。
そこでアパートを借りることにしたのだが、あちらはなかなか業者が厳しいらしい。東京とは借家人保護の条例が明確に打ち出され、大家は退去時に、敷金から、壁や畳の自然劣化分を差し引く事ができず、ほとんど返還することになる。ところが横浜はそういったものがなく、退去時には障子、襖は張り替えろだの、水道のパッキンなどの小修理を行うために2年間に8万円払えだの、そのほかにも町内会費、CTV費用などうるさいことを言うらしい。しかも部屋はまだ住んでいるから外からしか見られない・・・・。
こちらの結んでいる契約書をチェックしたり、実際に貸しているアパートを見たいと夕方お父さんにつれられてやってきた。資料をいろいろ交換した後、彼女が、アパートを今回選択する基準について聞いてみた。
「バランス釜は最初から敬遠しちゃう。だって点火する自信がないもの。」
お父さんが「あれはまわしてカチャカチャやればいいだけだぜ。」と言っても、落とし込みは追い炊きが出来ないから不便な時もあると言っても、全然つうじない。点火時にボンと音のするマッチ点火というわけではないんだぜ!
「だって、最近の人はあれを使った事がないんですもの。」
使った事がない、という視点にはびっくりした。動力を使わずに吸気と排気をひとつところから行うと言う画期的な技術を採用したバランス釜ももう過去の遺物なのか。そういえばガス会社もほとんど宣伝していないな。
ところが娘さんによると、キッチンは断然ガスがいいらしい。電気は火力が弱く、うまい料理は作れない、という神話?がまだ広く浸透しているらしい。実はこれは逆に女性たちのまだ実家がガスを使っている例が多く、それが当然と考えているようにも見える。
また洗濯機が外においてある点について
「女の人はプライバシーをのぞかれるような気がするのよ。それに冬など寒いし・・・。だからそれはまずふるい落とされる条件よ。」
ところが、洗濯機を内置きにし、バランス釜を少し大きめの釜に変えて、湯沸かし器を外につければいいだけだが、給水と下水の配管を変えなければならず、大分、金が掛かる。家賃で回収等及びもつかぬ。その上配置がなかなか難しく、見た目もあまりきれいな仕上がりを期待できない。
「でも、不動産屋さんも否定的な言い方をするのよ。今回もメゾネットタイプのもので安いのがあったのだけれど、最後に「ただここはバランス釜なんですよ。」っていうの。それから内訳話として「お金が掛かるから、大家さんもなかなかなおさないのですよ。」
逆に畳については
「洋間にこだわる必要はないわ。だってその上に絨毯を敷いてしまうんですもの。」
これではまったく畳のよさを理解していないことになるのだが、確かにアパートの賃借人にはこのような使いか方をする人も多いようだ。
駅からの距離と言うのは、やはり相当気にするようだ。我々がごみごみしたところより、少しはなれたこの辺の方が静かで空気がよい、と考えるのは若い人には通じぬらしい。
ご予算については7万円台をしきりに主張していた。年収300万以下を考えればそうなるのだろうが、大家はそこまで限定して考える必要はないかもしれない。
しかし私は思うのである。こういう状況だからこそ、バランス釜、外置き洗濯機の物件はお勧めなのだと思う。安いし、広い・・・・。
註 ご意見をお待ちしています。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha