348「「ヨハネ・パウロ2世死去」についてのメール」(4月12日(雨)火曜日)

「ヨハネ・パウロ2世の死」について珍しくいくつかメールをもらった。
「今、天に召された彼のために、沢山の人が祈っていると言うことに、感銘を受けています。きっと天国で、すごくうれしいだろうなって思います。私も、法皇の亡骸をテレビで見て、天国で、すごくうれしいだろうなって思います。」
この人はキリスト教徒ではないが、子どもの頃からそのような教育を受けていたらしい。後半で次のように述べている。
「ブッシュが「一人の人間が出来ることを示した」というようなことを言っていましたが、現実的な力はローマ法皇よりもある彼が、一人の人間が出来る全く逆のことを示した、このことを、どのくらい認識しているのでしょうか。」
私は、正直言って米国のイラクへの攻撃を完全に悪かった、とは言い切れないような気がしている。というのは民主化され、みんなの意見が反映されることが善であるとするなら、ずいぶん手荒いことをやってはいるけれど、アフガンに続いてイラクもその方向にすすみだそうとしているように見えるからだ。確かに破壊はされたが「昔の体制にもどそう。」などという動きはどちらの国でも豪も出ていないように思う。ブッシュの「一人の人間ができることを示した。」という言い方は正しい、と思う。戦争開始時点で法皇が回避にむけて努力したが、しかし一個人では世界の動きは止められなかった、ということか。

「私はatheist(無心論者)ではありますが、海外の報道を通じて、いまさらながらRoman Catholic Churchの現代社会におけるあらゆる分野における影響力の強大さを感じました。歴史的に見たら、これまでの人間社会におけるキリスト教の存在意義についていろいろな批判があるものの、これまで世界の人間社会を、および世界のleadersを論理的に支えてきたのはキリスト教であり、結局はその総本山であるRoman Catholic Churchなのかな、と。これとの関係で注意をしたいのは。ブッシュ大統領初め米国の歴代大統領が葬儀に参列した意義をどう捉えるべきなのか、私は知りたい。」
通信を読んでいただいている人は、私を含め大半がatheistで同じ様に感じた人が多かったのではないか、と思う。このコメントの「leadersを論理的に支えて」というところは「精神的に支えて」が正しいのだと思うけれども、影響力の大きさには驚く。ただそれは私は今回はカトリック的精神よりもヨハネ・パウロ2世自身の働きによるところが大きいのではないかと思う。今後の法皇がこうなるかどうかは不明だ。米国の歴代大統領出席に関連し「川口元外相はやや乗り遅れた。」との意見もあったが、私は日本はそれでいいと思う。日本は無宗教国、しいて言えば仏教国なのであるから・・・。

「今回のローマ法王の件で、前から疑問に思っていた事があります。それはどのような社会的背景・経緯で、バチカン市国なりローマ法王という制度が誕生したかです。」
観光ガイド風にまとめる。サンピエトロ寺院は、聖ペテロが「逆さ十字の刑」にかかって殉教した場所に小さな寺院が建てられ、1506年にブラマンテにより着工され、1626年にサンガッロ、ラファエロ、ミケランジェロらの努力で再建された。ローマ法王は聖ペテロを初代とし、今回亡くなったヨハネ・パウロ2世が246代。
キリスト教は当初はローまで迫害されたが、コンスタンチヌス帝のときに認められ、国教となった。しかしローマ帝国は395年に東西に分裂、文化の中心は東ローマ(ビザンツ)に移ってゆく。1054年に東ローマのコンスタンテイノープルを中心とするギリシャ正教と、西のローマ教皇を首長とするローマ=カトリックに分裂した。
その後ローマ教会の勢力は増大、かつ腐敗し、その結果としてアヴィニオンに移ったりするが留まらず、1517年のルターの宗教改革が始まり、プロテスタントが誕生する。それでもバチカンは勢力を保ち続けるわけだが、1929年に50年にわたり対立していたムソリーニひきいるイタリア政府とラテラノ条約が締結され、ローマ法王を元首とするバチカン市国が成立し、現在に至っている。

今では通信は私のそれほど深くは無いがそれでも考えの発表の場でもある。読者からのメールは大変うれしい。もっともこれらのメールと一緒に「ついでながら某社の株は大分上がっていますが売り時でしょうか。」というのもあった。私も知りたい・・・・。この際、ローマ法皇、関係なし!

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