362「二子山親方逝く」(5月30日(月曜日) 雨)

朝から雨でうっとうしい。我が家は、大工が入り改装中、今日は風呂場と洗面の天井をはりかえている。こちらは昼の一時を除いて、一日家にいる。
二子山親方がガンでとうとう亡くなったそうだ。55歳という若さである。ご冥福を祈る。
17歳で入幕、軽量ゆえにとうとう横綱にはなれなかったが、大関にもっとも長く在位し、優勝も2回経験したあの大関貴乃花のことである。最後まで勝負をあきらめず、もっとも花のある関取といわれた。女優の藤田寛子と結婚し、いろいろ物議をかもした。息子にあの若乃花、貴乃花。

9年前、私の妻が52歳で亡くなった。膠原病で最後には腸が機能しなくなり、骨だけみたいにやせていた。気をつかいすぎるくらいに気を使った。私のこと、父母のこと、子供たちのこと、友人のこと・・・・・。活動的だった。みんなに声をかけて生協のグループを作り、テニスの仲間を作り、お茶を教え、毎日元気だった。その妻の死について最近ある人が「奥さんは生き急いだのよ。」といった。
充実した人生だったろうが、生き急いだために早死にした。二子山親方もそうだったのだろうか。

ミンダナオ島に元日本兵がいるらしい。
その関係だろうか、テレビが講演する小野田さんを映している。
小野田少尉。1922年和歌山うまれ。中野学校でスパイ教育を受けた後、44年12月にフィリピンに情報員として派遣された。終戦のビラが信じられず、戦後ずっと山の中で生活を続けていた。74年にやっと発見された。翌年ブラジルに渡って牧場経営を始めた。84年に帰国し、福島県塙町に「小野田自然塾」を設立し、子どもたちの教育に当たっている。
83歳、しかし元気なものである。背筋をしゃんと伸ばし、はっきりと話している。
二子山親方や亡妻との差はどこから来るのだろう、と思わずにはいられない。

NHKで「百歳バンザイ」という放送を行っている。時々見る。百歳の元気なお年寄りのその元気振りを紹介した地味な番組だが、いつも感心する。あんなふうに生きられたらなあ。
高齢までいきればいい、というものではない。
新CNP=元気、長生き、ぽっくり、あるいはPPK=ぴんぴんころり、が期待される年齢。
取材班がまとめた本が出版されていた。聖路加大学の日野原教授が推薦文を書いている。
老いても現役心を失わず、前向きにすべてを感謝して生きると言う生き方上手のコツが示されている.技や芸が何と人生を豊かにすることか。
「ひとりぐらしはのんきよおお」「歳の割には若い肌だって言われてるよ」「辛いことは忘れてしまわねば生きていけねえ。」「銀座に行くのが私の生きがい」「笑い上戸の妻が私をささえた。」「大好物はすき焼き、てんぷら、うなぎ」「ミステリーが大好き。だってワクワクするでしょ。」「まーるくいかにゃ。まーるく」
この老人たちの言葉に感じるところを書き出したら切りはない。それだけ、いろんなことがあって、その結論としての感慨だから何か感じさせるものがあるのだろう。

長生きのコツはひとそれぞれ・・・・。私は私の生き方で「ひとりぐらしはのんきよおお」と強がりを言い続けられればいいと思う。
健康にいいからと今日は豆ご飯を炊いた。そういえば88歳まで生きたオヤジも豆ご飯がすきだった。

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