367「靖国・歴史 溝埋まらず」(6月20日(月)曇り)

日韓首脳会談は予想通りの結果となった。
大統領が歴史問題の核心として靖国神社の参拝中止を要求、首相は不戦の誓いで参拝と説明、日本が靖国神社との別の追悼・平和祈念施設の建設を検討することを確認、歴史共同研究で教科書委員会を新設し、編集過程の参考とするよう努力することで合意、などが主な内容である。建設を検討する、編集過程の参考とするよう努力するなど両者の根深い対立に苦慮した後がうかがえる。
日経新聞では「歴史で激論1時間50分個別問題わずか10分」としてFTA交渉は時間切れ、国連改革はふれなかった、とある。共同発表は記者の質問は一切許されず、両首脳ともこわばっていたように見えた。晩餐会も中止になったと聞く。もう少し大人になって、もらいたかった、と考えるのは私だけだろうか。

歴史共同研究という。しかし歴史はどのような見方も出来るものだ。
国民の教育は主として国家が行う。その国家の教育の狙いは、やはりその国家の次世代を担う層を育てることにある。その際その層が自国に誇りを持ってもいらいたいと願うのは当然のことと思う・・・・・
日本にとって日本として誇れる国民を育てたい、そのためには誇りを持てる歴史教育をしたい。韓国も同様に願うだろう。
すると事実はひとつであっても、その認識に差が出るのは止むを得ない。韓国併合は単なる侵略か、合意の上で止むを得ない側面もあったか、併合後、略奪だけだったか、韓国の発展に貢献したか、そんなところに一番如実に現れる。
しかしそれでも、特に相手が平和を乱すような動きを取っているのでなければ、それなりにうまくやってゆく事が首脳部に求められるところ。

国と国との関係をふと友人同士の関係になぞらえて見たくなった。なにかで決定的な対立が起きたとき、友人同士ならその問題は避けてとおろうとするだろう。相手の立場は立場として尊重しながら、友情で結ばれているということは良くあること、むしろ大人の智慧として求められることではなかろうか。

21日のNHKクローズアップ現代で、日韓基本条約を取り上げていた。
1965年、佐藤内閣、韓国側朴政権当時に結ばれたこの条約が日本と韓国の戦後の関係の基本になっている。外貨が計算上は15億ドル、実質は7億ドルくらいしかないといわれたときに日本は無償3億ドルを含め8億ドル支払うことにした。しかしこの金が韓国の請求権に基づくものか、経済協力かでおおいにもめた。つい最近このときの文書が一部韓国側で公開され、韓国側が個人補償について対応すると明記されているにもかかわらず、8億ドルがすでに、南北戦争で疲弊した国家復興のための資金として使われてしまってない、という事実が明らかになりまた物議をかもした。
当時の韓国における条約締結反対デモの背景にはナショナリズムの高まりと、同じ様な日本との歴史認識の差があった。そこを朴政権が経済復興を優先し、押さえ込んだのである。放送は交渉の場にいた人物とのインタビューなども加え、なかなか興味深かった。

今回の交渉は失敗ではあったが、次回の日本での会談を約束したことは、よかった。
日本と韓国は隣同士、関係はいやだからといって逃げ出すわけには行かない。経済面でも深く依存しあっている。そういった状況の中で平和を志向した策を考えるより仕方がない。今回の会談の成果は余りないかもしれないが、それだからこそ両国首脳が定期的に話し合うことは意義がある。

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