七夕も毎年それにちなむことを書いている。一昨年はアルタイルだのベガだのの薀蓄を書き、昨年が牽牛と織姫のラブ・ロマンスを書いた。さて今年の七夕・・・・・爆発である。
曇り空にもかかわらず、それほど牽牛と織姫のラブは燃え上がったか?・・・さにあらず、前日2012年のオリンピック招致に成功し、喜びにわくロンドンでおこったバスや地下鉄での同時爆発事件という、実にありがたくないお話。死者は50人を超えるのは確実とか。福知山線の事故のように、いまだに行方不明者が20人もいるとか。
おりから北部のグレンイーグルで主要国サミットが行われており、小泉首相を初め要人が集まっていた。首都の警備がおろそかになっていたとも、あるいはそんな事がなくたって地下鉄やバスに爆弾を仕掛けるのにわけはない、等といろいろささやかれている。
サミットに参加していた各国は、時をうつさず「テロを一国だけでなく市民社会全体に対する攻撃と受け止め、我々はテロと対決し打ち破る。」との共同声明。
イギリス当局はまだ今回の犯行をアルカイダとは断定していない。しかし一般市民を無差別にねらった残虐性、3箇所同時に爆破された計画性、組織性、サミットと同じ時期をねらった政治性などを勘案すれば、その可能性は高いとのことである。また彼らが市場における空売りで金を儲けようとした、と指摘する向きもある。
しかしアルカイダの犯行となれば、平和目的とはいえイラクに派兵しているわが国も大いに可能性がある。すでに米国、スペイン、イギリスと次々に起こっている。「イラク問題など地球の裏側の問題だかほっておけ。」などとは言ってられない。ガードを一層厳しくしてもらいたい・・・。
漠然としながら、人類は文明を神の手の届かぬところまで進歩させ、今その復讐を受けている、とも感じる。驚くのが情報伝達の高速化と多様化だ。さっきおこったことは、もうニュースやインターネットで、世界のみなが知っている、犯人がネットで堂々と犯行声明をだし、しかも捕まらぬ、というのだから驚く。このことは、一部のおかしな連中にも、世界への宣伝のチャンスを与える。
武器、輸送手段の進歩なども大変だ。今まで刀で切り殺していたところをミサイルで一発、将来はこれに核を積み込む可能性があるかと思うと恐ろしい。
戦場は一地方から世界に広がってしまった。神の設定した規模をはるかに越えてしまった。昔は人類の滅亡など考えられなかった。それが今ではひょっとしたら一握りの狂信者によって滅亡してしまう可能性すら指摘される情勢なのだ。文明の進歩は人類を幸せにする反面、滅亡の危機をももたらしている。
面白いことに英国国内イスラム教徒の間で、イラク派兵に対し、世代間対立さえ生まれているということだ。若い世代の一部はつい過激になり、イスラム教徒を殺戮するイギリスに天誅を、となるらしいが、老人はそれをたしなめる。その議論振りを聞いていると、若い者に「頭を冷やせ!」といいたくなるが「聞く耳もたぬ」のかもしれない。もしかしたら平和や人の命の大切さは、歳をとらぬとわからないのでは、とさえ思えてくる。
最後に賢くなりすぎた人間の右往左往振りを、七夕で1年ぶりに再会した牽牛・織女は天の川からどう見てるのだろうか。
後記(7月14日)
死者はとうとう53人に登った。隠しカメラの威力はすごい。犯人がリーズに住ごく普通のパキスタン系イギリス住民4人、しかも自爆テロと聞いて驚いている。アルカイダとのつながりはまだ不明だ。考えて見ると世の中に自殺志願者は沢山いる。日本でもそれを募集し、一緒に自殺しましょう、などというのがいるくらいだから。そういう連中をアルカイダのような過激派がうまく誘いだし「同じ死ぬなら一花咲かせて。こういう死に方はどうか。」と提案したとしたら・・・・。
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