378「アンギラ=アンギラ、チチンプイプイ!」(7月27日(水)晴れ)

台風一過、気温はぐんぐん上がり、東京は35度を越えたとか。土曜丑の日の近いということで鰻。鰻は格別に高い。1グラムあたりで換算してごらん。6円か7円にはなる。メインデイッシュに必要なお魚の量は普通100-150g、おかずにしてはものすごく高くなる。しかし独り者なら気楽、680円の中国産鰻の長焼きを買ってきて、昨日はソーメンと一緒に食い、今日はうな丼にして食った。
脂が乗っていて実にうまい。しかしよく見ると少し鰻にしては幅が広いように思う。

鰻については181回のエッセイで「うなぎとかば焼きについて」といエッセイを書いている。市場に出回っている鰻には実は2種類あるらしい。
一つは日本古来のものでアンギラ=ジャポニカ。
もう一つはフランス種とも呼ばれ、ヨーロッパなどで食べられるアンギラ=アンギラ。幅がひろくずんぐりむっくり、目が大きい。
中国産の鰻はアンギラ=アンギラらしい。
アンギラ=アンギラは養殖に際し、アンギラ=ジャポニカより冷たい水でないといけないと言われており中国では海岸線でなく山奥で養殖されているとか。脂が大目で北海道など北日本で好まれるとも言われている。

ただ日本産の鰻にも最近はアンギラ=アンギラはあるらしく、しかも輸入した鰻を日本でかば焼きにして国産として売っているなどと言うのもあるらしいから信用できぬ。
日本産アンギラ=アンギラの理由を少し突っ込んで調べてみた。
鰻はシラスを養殖場で育てる。ところが中国はもちろんだが、日本でもこのシラス鰻の多くをヨーロッパからの輸入に仰いでいる。近年はアメリカ,フィリピン、オーストラリア、インドネシアなどからも輸入されているとか。
さらに鰻の資源育成の観点から、2,3年前から親鰻の放流のための国家予算がつき、実施されている。なんら学術的根拠はないが、親鰻が放流された河川に、南の海で大きくなったシラス鰻が戻ってくる,と考えられている。しかし放流する鰻の種類まで決めなかったから、どうもアンギラ=アンギラ種も放流されているとのこと。従ってどんなシラス鰻が戻ってくるやら知れたものではない、というところらしい。

最後に天然ものの話し。こちらは比較的アンギラ=ジャポニカの可能性が高いのかもしれない。しかし一般には脂ののりが悪く、体も小さいし食べても身が硬くておいしくない。食用になるまでシラス鰻から加温・養殖した場合、早くて1年から2年、天然鰻は6年から7年かかると言うから、その辺に理由があると言うことか。おいしい天然ものの鰻を出すところは通常のもの5倍くらいの値段を取るとか。
天然もの、アンギラ=ジャポニカ、アンギラ=アンギラ、世評ではこの順に品質がよいようにいうが、要は趣味の問題、鰻のあのぬるっとした脂の食感が忘れられない、などという向きにはむしろ中国産アンギラ=アンギラがいいともいえるようだ。

人に出すとき?分かるもんですか、天然もののような顔をして中国産をだしてごらん「さすがに天然ものですねえ。脂ののりがいい。」なんて言うにきまっている!

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