383「私は頭脳を提供します」(8月12日(金)曇り)

午後から中小企業診断士理論研修。
経済活性策の一環として、この4月27日に「有限責任事業組合契約に関する法律」、6月29日には「新会社法」が成立した。
新しい法律・施策と題して行われた松本巌氏の講演の後半で扱われ興味深かった。テキストがなく、以下聞き覚えと後から調べたウエブサイト情報でまとめる。

まず有限会社制度が廃止になる。ただ現在設立されているものについてはそのまま続けられるようだ。
株式会社を少ない資本金、少ない役員で設立できるようになる。具体的には最低資本金制度(株式会社1000万円、有限会社300万円)が撤廃され、資本金1円でもOK、役員(取締役)1名でもOK。ただし資本金は5年でしかるべき数字に増やす事が求められている。
また規制緩和の一環として会社設立の際の類似称号調査の廃止、取締役任期の10年までの伸張なども認められこととなった。

新しい会社制度が誕生する。すなわち日本版LLP(有限責任事業組合)制度は8月1日から、日本版LLC(合同会社)制度は来春施行される。これらは人的資源の活用を目指した新しい事業形態として、ビジネス会を活性化させるものとして注目をあびている。
現在企業の本質的力は物的資産から人的資産へ移行しつつある。すでに類似の法律が導入されている米国では企業の無形固定資産の割合が、この20年で2割弱から6割強に大幅に増強している。日本の場合も3割程度になっている。
LLP/LLCの特徴は 1有限責任、2内部自治、3構成員課税に集約される。
従来の民法上の組合制度や商法うえでの合名会社などは、無限責任であった。出資分に応じた責任のみでよいのである。
株式会社では取締役会や株主総会といった機関の設置が強制的に決められているが、LLCやLLPはそうしたものがない。構成員の合意に基づく自由な組織運営が出来る。また出資比率の損益や権限の配分は、出資者の労務や知的財産、ノウハウの提供などを考慮して、出資比率とは無関係な配分を行う事ができる。お金をだした企業と能力を提供した人が対等の立場で会社を経営する事が出来るのである。

LLCとLLPの大きな違いは課税方式にある。LLCはLLC自体に直接税が課せられる法人課税が採用されているが、LLPは構成員課税が採用されている。定款に従って所得が算出されて始めて課税されるため、創業当初の損失を所得と通算して損金処理でき、逆に将来収益が上がった場合には法人課税と配当課税の2重課税を回避できるのである。
したがって課税方式だけ見るとLLPのほうが使い勝手がよく見えるが、LLPの組合員は、配当を受け取る事ができても報酬(給料)を受け取ることはできない。LLCはできるので一つの判断ポイントになりそうだ。

LLCはジョイント・ベンチャー、金融サービス会社などでの利用、またLLPも産学が開発した応用研究、大手企業同士の先端技術開発、中小企業の連携、農家と流通業の連携など創造的な事業の実現にも応用できると言う。
この制度、自分自身まだまだ分からないところが多いがよい勉強になった。

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