400「小学生からハウ・アー・ユウ?」(10月17日(月)雨)

文部科学省は、現在中学校から学んでいる英語を、早ければ平成19年度から小学校でも必須とする方針を固め、全国統一の英語教材を作るなど、具体的な整備を始めたという。小学校3年以上が対象となるようだ。
小学校からの英語教育について、国際的に低いとされる日本人の英語力を上げるには早期からの実施が必要とする意見がある一方、まず日本語教育を徹底させるべきだとする意見もあって、この20年間にわたって議論が続いてきた。
しかしまだまとまっているとはいえず、この夏行われた文部科学省の調査では、小学校での英語教育の導入について保護者の70.7%が賛成をしているものの、教員の54.1%は反対を表明しているそうだ。

国語教育は、小学校の教育の一番大事な部分であろう。ある先生が言っていた。「算数の応用問題は、問題の文章を理解できるかどうかにかかっている部分が大きいんです。」問題の意味が分からなくては答えようもないではないか。教育の目的は、本来その国の将来を担う国民を育てることにある。国際人を育てるのはその次だ。日本人としてのアイデンテテイを保つためにもおろそかにしてはならぬ。

もちろん英語推進論者の意見も分かる。帰国子女など昔は大きなハンデイをおうものと考えられていた。しかし今では大学入試、入社、社会にでてからの自由な発想、行動力などむしろ有利、との声も聞かれる。
私たちより上の年齢の人は、早期の英語教育に反対ではないか、思っていた。しかし先日80歳を越えたある老人は次のように言っていた。「これから必要なのは、やはり英語じゃないかな。教育というものは必要なものを教えるところだよ。アメリカの黒人の2代目、3代目は、アフリカのことなんかすっかり忘れているよ。」

正直言って、私自身は意見を決めかねている。小学校教育に英語を取り入れることはいいけれど、国語教育を忘れて欲しくない。
負担が重くなる、という言い方には賛成できず、鉄は熱いうちに鍛えるべきとは思うが・・・・。
そういう意味では小学校3年生からというのは妥当な意見かなあ、と思う。
その頃になればかなりの語彙力が増え、自分なりの考えも表明できるようになり、英語を教えたからといって、簡単に日本語を忘れるといったものでもない、という気がするからだ。ただ「ことば」だけが先走った英語は賛成できない。文法もしっかり教えておかないと、何時までもハローにグッドモーニングだけの英語で終わりそうに感じる。

ところでこの話を大学で英語を教えている知人に尋ねたところ
「それよりも問題は中学校の英語教育ではないか。私立と公立では授業時間に5割もの差があり、それが基礎学力の差となって現れている。ゆとり教育の弊害だ。その差は大学になっても温存され、一部の生徒は基礎がまったくなっておらず救いようがない。」
小学校への英語教育導入が、ゆとり教育の尻拭いの結果のようにさえ聞こえないか?みなさんはどうお考えですか。

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