402「女系の時代」(10月28日(金)晴れ)

小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は、25日の会合で、女性天皇や母方が天皇の血筋をひく女系天皇を認めることを全会一致できめた。
継承者の安定的な確保は、「男系男子」に限っている現行制度では難しいからだ、という。女性天皇を認めることはやぶさかでないが、女系天皇は画期的なことだと思う。宮家に対する考え方など技術上の問題は多いが、ここでは論じない。それ以前に、この提案が日本人に「日本人の家や祖先に対する旧来の考え方を一変することをせまっているように」見えないか、と考える。

家を継ぐには基本的には男の子、それも長子でなければいけない、という考え方がある。
しかしこれは戦後の民法の考え方とは基本的に相容れない。
民法では、家というものの考え方を放棄し、遺産相続におけるルールのように子達は生まれた順序、性別に関係なく、全く平等である。家の概念について言えば、結婚した場合、夫婦は双方の家を引き継ぐことになる。夫婦の属する家を一個と考えれば両方の親の家を半分づつ引き継ぐことになる。これが繰り返されると、孫の代には4分の1、ひ孫の代には家を8分の1しか引き継がないことになる。もともとこういう考え方は、遺伝学的には当然といえるかもしれない。

しかし、こう簡単に薄まってゆくのであれば、家の考え方など1代限り、せいぜい親子関係が残っている2代までくらいに限定されることになりそうだ。
墓を守るなどという考え方も必要なくなる。それ以前に先祖などという考え方もなくなるかもしれない。全部か2分の1くらいなら話は別だが、8分の1だの、それ以下だのしか縁のないご先祖など崇める必要もないもの、ということになる。

この考え方は、日本人の習慣や伝統や心の奥底で今まで持っていた考え方と真っ向から対立する。従来はそれを不問に付したまま、天皇家についてのみ在来の考え方をいかした。いつかはぶつからざるを得ないときが来るのは当然である。

新しい考え方は、天皇家の将来のありかた、しいては天皇制度そのものに対する考え方に跳ね返るようにおもう。女系天皇が続くと、孫の代、ひ孫の代には天皇家の血筋は、従来の考え方で行けばひどく薄いものになってしまう。するとそもそも天皇家など崇める必要があるのか、高い税金を払って天皇家を維持してゆく必要があるのか、との考えに変わってくるのではないか。
国際情勢などを勘案して天皇は機関として必要だ、などという考えにでも立たねば、天皇制存続の意味がなくなってしまう。どこかの国の王様は持ち回りでなるとか、聞いた。国民が認めるならそれでもいい、ということなのかもしれない。

ところで話しは変わるが、我が家は孫が3人、ところがこの孫3人がみな忘れ物をしてきた。男系をもってにんずる我が家系も断絶の危機?ここはぐっとこらえて新しい考え方にたち、女系も認めることにしなければいけないのか?
所詮、我は大河の一滴、家など人間が作り出した架空の概念、死んだら私の骨など粉にして海にばらまけばいい、とは一方で思うのだけれど・・・・・。

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