406「政治が悪い!」(11月17日(木) 曇り)

親しい知人A,Bと会食。我々3人は、同じ高等学校で、ふとした縁で付き合うようになり、こうして1年に1度くらい集まってダベリングをする。
Aは、私と会社で一緒だったが、途中でやめて、今はある女子大で情報工学を教えている。「プログラムを書かせるのだけれど、最近の学生はインターネットで調べたものを張り合わせて作ってしまう。それで動かないと「先生、見てください。」と来る。そんなの分かるかい!忙しくて仕方ない。」とぼやいている。趣味は相変わらずアルゼンチンタンゴで世界各地に行っているらしい。
Bは去年、自動車会社で定年を迎えたが、そのまま残りアジア人を相手に日本語を教えている。「1日おきくらいがいいんだが毎日だよ。なかなかしんどい。」彼は蝶々が趣味である。この前もどこやらの山に行ったが、成果は蛹10個などと言っている。

雑談でまとめようもないが、面白かったテーマを二つ。
人生の目的は何か、という話から、生物学的には遺伝子の継続しかない、ということになった。そのために生物はあらゆる努力をする。蝶の蛹がかえるのはオスのほうが早く、しかも数が多いのだそうだ。孵化すると彼等は、どの蛹がメスかすばやく見分ける。そのまわりに待機し、他のオスが来ると排除しようとする。メスの蛹がかえればすぐに合体。
世代交代というのは有精動物に限られるのだそうだ。オスメスの区別のない無精動物では世代交代はない。アメーバを考えればわかる。その世代交代は悪い遺伝子を捨てて、よい遺伝子を残すために、絶対に必要なのだそうだ。「じゃあ、蝶を殺して死体を飾って喜ぶなどという悪い遺伝子はすぐ消さねばならぬ。」というとにらまれた。

もう一つは、この先日本はどうなるのだろう、ということ。結局、中国やアラブの諸国に負けてしまうのではないか。すると、今景気がよいのはどう説明したらいいのだろう。今までの技術等つみあげてきたものが大きいからだ。
中国人は実に真似がうまい。Bの勤める会社では小型のバンを中国で相当売っているが、実は市場にはその数倍、出回っているらしい。彼等は農業用や他の乗用車のエンジンなど適当に集めてきて、外観だけは同じバンを作り上げ、市場に出すのだそうだ。市場でトラブルを起こすと日本車が悪い、と標的にされるから、仕方なくそういうメーカーを抱きこんでいかざるをえない。しかしそういった中国人でも本物の技術となると、取得は容易ではない。その差が、現在生きている、というのである。
しかし所詮、技術、追いつかれるのは目に見えている。
日本はそれならもっと技術を大事にすればいい、ということなのだが、A君が言う。「大学で勉強をするなんていうのは、所詮将来よい給料を貰うためだ。ところが日本の技術屋の給料は事務屋のそれにくらべてずっと低い。学生が技術など学びたがらないのも分かる。技術屋の給料を倍にしろ!」じゃあ、どうしたらいい、ということになると「政治が悪い」とお定まりの文句になるのではあるのだけれど・・・・・。

「食べられなくなったなあ。」「海外旅行も1年に2度くらいまでだなあ。」「金だって自分のスタイルにあった程度しか使えない。」など、ぶつぶつとぼやきながら、それでも我々自身が評して言うところの「もう用のなくなった(生物学的には)世代3人」は、楽しいひと時を過ごしたのでありました。

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