417「財政健全化にむけて」(12月20日(火)晴れ)

たまには大きなことを。財務省の政府原案が提出された。以下は日本経済新聞の記事を自分なりにまとめたものである。ここでは歳出の各項目についての検討は含めず、財務的視野に立ってものを考えることにする。

一般会計全体では79兆6800億円で80兆を割っている。4年ぶりの減額で前年比3%減。
歳入では税収が景気回復などで4.3%伸び約46兆円、新規国債30兆円、その他4兆円、歳出では政策経費はほぼ税収に見合って46兆円、国債の利払い費が19兆円、地方交付税が15兆円となっている。
これらの計算では、来年度の経済見通しを実質で1.9%、名目で2%の成長と見込み、8年ぶりにGDPデフレーターがプラスに転じ0.1%とみこむ。(もっとも民間各社の平均見通しでは実質で2.1%、名目で1.9%で、GDPデフレーターは依然としてマイナスであるが・・・・。)
もちろんこの先復活折衝などでもう少し悪い方向に行くのかもしれない。しかし私としてはよくここまで出来たものだと感心する。

小さな政府というのは国民が等しく望むものであろう。とにかく一般会計が4年ぶりに80兆円を割った背景には、医師の診療報酬3.16%引き下げ、地方交付税の1.5兆円削減など、まだ完全とはいえぬが内閣の構造改革に向けた努力が見られる。
国債残高が多いことは、「日本は借金漬け」だの「未来を犠牲にしている」など色々に非難されてきた。バブルが膨らむにつれて歴代内閣だんだん増やして行った結果である。国債残高がまだ増え続けていることは残念だが、その伸び率は大幅に減っている。新規国債発行高は前年に比べ4兆円以上減らし、30兆円を下回った。
国家というものは軍艦で言えばとんでもいない巨艦である。その方向はたやすく変えられるものではない。そこをここまで舵を切ったことはそれなりに素晴らしいと思う。新規国債発行高を抑えられた背景には圧縮努力に加えて、景気の回復により法人税等の税収が2年連続して増加した事が挙げられる。この景気回復だって半ばは小泉内閣の財政政策の結果ということもできよう。
ただ財政再建にはそれでも足らず国民負担が増税実質規模で2兆円に達し、さらに増加する可能性もある。企業ではIT 投資促進税制などの縮小・廃止、個人では定率減税の廃止、たばこ税の引き上げなどが大きく寄与するようだ。

それでも基礎的財政収支は3年連続で改善するものの依然として11兆円の赤字である。基礎的財政収支は、国債発行以外の税収など歳入と国債の利子支払い分を差し引いた歳出の差である。つまり将来に借金となる国債をのぞいて単年度でみた場合の収支である。
歳入:税収約46兆円+その他4兆円=50兆円
歳出:政策経費46兆円+地方交付税が15兆円=61兆円 で差額11兆円
政府は「2010年代初頭の黒字転換」を掲げているが、1年でも早い達成が望まれる。

今回の予算で国債は8兆円の返済があるから、30兆円増えるわけではない。それにしても依然として国債が増え続けていることには変わりがない。しかも今日本は超低金利政策をとっている。金利が1%上昇すると借り換えも含めた国債の発行コストは1兆5000億円近く増える。これらを考えればとても安閑としていられる状況ではなく、早晩消費税増税に動くことは確実とのことである。
よい案とは思うけれども、最後に一言、生活、厳しくなりますね。税金は上がるし、年金は下がる、物価も反転してあがりそうな勢い・・・・・。

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