44「交通弱者の立場から」(1月11日 晴れ)

私は75歳である。(このエッセイの雰囲気を盛り上げるために、15歳ばかり歳をとることにした。)最近足腰がとみに弱くなってきた。歩くスピードもずいぶん遅くなった。(幸い、足の底にあかぎれができて、痛くて仕方が無い。その結果、歩くのが遅くなっているからモデルとしてちょうどいい。)
あ、危ないなあ。あ、まただ、ほれ、ぶつかるじゃないか。中学生の位の男の子の乗った自転車が私の横をすり抜け、前を歩いている3人連れにほとんどぶつかりそうになりながらすりぬけていった。
まったく歳よりはいつ交通事故にあうかわからない、恐ろしい世の中である。そこで今日は私から見た皆さんに考えてほしい現在の道路交通のあり方を述べてみたい。
もちろん赤信号を突っ込んでくるとか、スピードを無視するとか、そういったあきらかな法律違反はここでは述べない。それ以外で、ぜひ何とかしてもらいたいことを三つだけ、上げたい。ほかにもあるだろうが次の機会に提言する。
第一は歩道における自転車の通行のあり方である。
一番大事な認識は、歩道は歩行者のためである、ということである。自転車は道路交通法では車両である。だから本来は車道を走る筋合いのものである。しかし車の交通があまりにも激しくなった今日、警察はやむを得ず、自転車の歩道通行を認めている。だから本来は歩行者優先なのだ。歩行者が邪魔なら車道を走らせるか、あるいは自転車を降りて押して行けばいい。それからこのことは学校でも教育してほしい。大体歩道で自転車をぶっ飛ばす馬鹿をするのは中学生クラスだ。教師は輪禍から自分の身をまもることを教えるのも大切だが、交通で他人に迷惑をかけないことも教えるべきだ。
第二は急に曲がってくる車である。交通信号のある場合、当然青信号で曲がるといったって、横断歩道を渡っている人がいれば当然そちらが優先する。それをぶつからなければいいだろうくらいに、前後を強引に曲がる。危険この上ない。突然横断者が立ち止まったり、あるいは走り出したりしたらどうしてくれるのだ。
交通信号の無い場合で広い道からせまい道へいきなり曲がってくる連中も多い。これはもっと危険だ。歩行者は車が飛び込んでくるなどと考えもしないのだから。
いづれのケースもよい車を持って得意になっている若いお兄ちゃんに多いようだ。マナーを知らぬ、というだけではすまされない。
第三は塀などにぴったりつけて駐車し、ガードレールで囲まれた狭い歩行者用通路を歩行者が通れなくしているケースである。この場合、歩行者は車道を通らなければならなくなるのだが、危険であるし、中にはこのような歩行者をとがめて警笛をならす運転手までいる。これを取り締まらない警察もおかしい。このような駐車を警察が認めるとするなら、その車が駐車している区間は、道路は歩行者・自動車兼用になるはずである。それなら当然歩行者に優先権があるはずだ。この辺も徹底していない。
警察などによるドライバー教育は、いろいろ改革されて来ていると思うのだが、ルール以前の精神教育、すなわち道路は高速道路を除き原則的にはまず歩行者のものであること、弱者優先であるべきこと、そんな点の教育が少しかけているように思う。

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