一人暮らしの無職の男にとって日曜日ほどつまらぬものはない。
ラジオ体操はあるけれど、語学の放送がない。株式市場もお休みである。スポーツクラブは週日会員だからゆかない。ガールフレンドは・・・・。彼女は教会である。つまらんものに行くなあ・・・・・。
19日に高校同期の仲間に加わってゴルフに行くことにした。
ゴルフをやめてからもう15年以上になる。ベルリンの壁の崩壊の頃、イギリスにおり、そこで何度かしたけれどほとんどそれ以来である。
ほとんどと書いたのは、5年ほど前に知人に誘われてやった。
雨のせいもあって、130いくつかという天文学的スコア?をたたいてしまった。
19日をめざしてときどきゴルフの打ち放しに行きはじめた。
ところが妙なことに気がついた。テイーアップがやけに高いのである。気にしないで打つとクラブはボールの下をこすり、ボールはほとんど垂直に上に飛び上がり、打席の屋根のひさしに当たって、目の前に落ちたりしたからびっくりした。
その原因は3日ほど前、せめて手袋くらい新調しようかと、近くのゴルフ用品専門店アリガエンに行って分かった。クラブ売り場に行って驚いた。売っているドライバーの頭がびっくりするほど大きい、赤ん坊の頭くらいありそうだ。しかもそういうドライバーしか売っていない。
店員に聞くと、バカにしたように「スイートスポットを大きくするために最近のものはみなヘッドが大きいのです。スライスなんかも出にくいですよ。距離を出すためにシャフトも長くなっています。テイーアップも高くなりましたよ。」
我が家のクラブは、基本的には20年位前になくなった義父から譲り受けたものである。
「それならシャフトはだんだんのついた鉄製の絞り加工をしたものでしょう。今は全部カーボン繊維かチタン合金です。ドライバーのヘッドは木製でトップやヒールには鉄がうめこんであるのでしょう。新しいのは全て金属ですよ。」
ためしにドライバーを打たせてもらうと、パカンと缶けりの缶を蹴ったような音がした。ドライバーは、そういえば中は空で、鼓みたいなもんだ、という話を思い出した。しかし値段を見るとドライバー1本5万とか7万とか、中には10万を越すものまであり、そう簡単に手が出ない。それに「他のウッドもみな大きくなっています。アイアンもそうです。」
どうしたものか、と考えたが、口の悪い仲間に「君、時代遅れのクラブをつかっているねえ。北京原人じゃあるまいし・・・」とバカにされるのがどうにも癪。
意を決して、今日は小雨降る中を御徒町に行く。秋葉原のヨドバシカメラやその他の店を見て回り、それから決めればいい、との気分。目についたので二木ゴルフによる。
店員に声をかけ、状況を話しながら会話。「久しぶりにやるのだが、この歳、これから先やれるかどうかわからぬ、安いのがいい」と説明し、一番安い7800円のクラブを取り上げ「これはどうかな」しかしここからが店員の腕のみせどころ。
「それは少し短いのですよ、今、はやりじゃございません。こちらの方が・・・・」と12800円のものを薦める。「じゃあ、それにするか。3番ウッドもあればなあ・・・・」「それならこちらのはどうですか。」値段表を見ると19800円。「こちらはメーカーものでございますし、こちらですと3番ウッドとセットで買えます。」とうとうこれに5番アイアンも加えて他の店をまわることもなく3本お買い上げ・・・・・。
クラブを買うとやっぱり打ってみたくなる。午後はさっそく試しうち。なかなか良くあたったような気がした。打ち放しももう4回目、昔はそれなりに100を切ったことも何回かあり、逆8の字スイング、左側に壁、逆Kの字、グリップとボールの飛ぶ方向への注意、テイクバックを小さく、フォロースルーを大きく、今日はシャンクにならぬよう腕からふるなど、少しづつ思い出してくる。19日は期待できるかも・・・・。
夜、寝床で暗い天上をみながら・・・・。考えてみればテニスはスイートスポットを大きくするとデカラケが主流になった。スキーは素人でも回転できるようにと短くなった。ゴルフも同じだなあ・・・・。しかしもうウッドなんて呼ぶのはやめようよ。
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