「畜生、120もたたいてしまった。」「そうか、僕は119だ。」言ってからしまったと思った。「点取り人間」のいけない癖が出た。
「ボールとクラブにうまく当たるかどうか分からない。」などと他人を煙に捲いていたが、正直言って不安。何しろこの前書いたとおり「ゴルフをやめてからもう15年以上になる。」のである。「一番ビリだろうなあ。」と考えるとどうも気が重かった。結局彼一人であったが、グロスで下がいるとはうれしい。それでついホンネが・・・・。
朝早く上野原ゴルフ場。早速A君から教えられた。クラブを一部買い換えた話をすると
「この10年の間にゴルフの道具の進歩はすごい。君の今履いているスパイクシューズは、使用禁止のゴルフ場もあるよ。クラブハウスの絨毯を傷めるのだよ。ボールもね、今はあの糸巻きボールなんてないよ。ツーピースかスリーピース、弾み具合が違うよ。テイーアップも、ほら、こういうプラスチックのペロペロつきがでた。」
古い靴の問題点は、プレー中にでてしまった。3つめか4つ目に行ったとき、足がパタンパタンいってることに気づいた。接着剤で貼り付けてある靴底が、水気のせいではがれて本体から離れんばかりな状態。あわててレンタルシューズを持ってきてもらって交換する。
もっとも古い道具のよさもでた。パターである。私のパターは、実は亡くなった義父からもらったもので、金色の金属を使ったフェース、ヒッコリーシャフトで、グリップ部分が微妙にそり返っている。誰かが「そりゃ、飾り用だよ。」と言った。余り道具の力など信じない私は、それまでの安物パターとかえて使うようになった。そのパターが、今日はときどきとんでもない長距離をねじ込んだりして喜ばせた。119もたたいたくせにパーが二つもある。特に午後の15番、10m(?)近くもありそうなパットを見事にカップイン、3オン1パットのパー。我ながらうまくいった。
A君が「そのパターなら3万円で買うよ。」といわれてそんな価値のあるものと見直す。しかしそういわれると急に惜しくなって、私は返事をしなかった・・・・。
新調のドライバーはなかなか調子がよい。昔はスライスに悩まされたものである。テイーアップするとき、右側にたち、左をねらうのだが、ボールは左に飛び出し、それからぎゅーんと右に旋回、林の中に消えてOBなど悔しい思いを何度もした。このクラブは、当たりどこをさえよければ、まっすぐ飛ぶ。むしろ時々左にフックして困った。
1番スタートホールで無難なテイーショットを飛ばし、ボギーであがり、まずは好調。しかしここまでで、早くも2番ショートではダブルスコアだし、3番ロングでは林の中へ入れて打ち直しのペナルテイ、馬脚をあらわし、以下省略。うまく行くときはいいが、なれないせいか、ちょっとしたことで傷口を大きくなる。フェアウエイウッドのチョロ、バンカーやよせでのざっくり、アイアンもシャンクはしなかったが、時々ひどいフック。
一緒にまわったほかの3人は、みな大分うまく私はインフェリオリテイコンプレックスを感じっぱなし。B君が一番でとにかくショットが正確、パットもなかなかうまく慎重である。C君もD君も良く距離が出る。
私がどうにか119で上がれたのは、この3人の諸氏にいろいろ教えてもらったことのほかに、もう一つ。思いのほかよかった天候と、スルーザグリーン30センチリプレイスありだの、グリーン上で適当にOKだの親切な?ルールにめぐまれたこと・・・・本当はもっと下手なんだろう。
最後に宴会。優勝したのはE君、ネット72だがグロス104.しかしこのくらいなら次は出せるかも知れぬと、密に期待を抱かせる。私はネット83で22人中16位。
あの120たいたのはS君で、今日のゴルフ大会の世話役である。挨拶をしようとするとヤジ。「幹事で忙しくて練習できなかったのかい。」悔しそうに「3回も練習場に行ったんだけどね。この次はもっと練習して優勝しますよ。」傍らで私は「練習なんかするなよ。」と腹の中。
この次は・・・・、私はオンナなんか、と思っている古いタイプ?女性にやられるのが何より悔しい。中に美人の紅二点(元なんて失礼なことは言わない)、次は追い抜くぞ、と心に誓う。それでも一人で帰る車の中、久しぶりに幸せな一日と大満足。
後記 翌朝、ラジオ体操で8歳くらい年上のFさんに「昨日は山梨に15年ぶりにゴルフに行きましたよ。」するとFさん「おや、私も行きましたよ。それでどうでした?」「59に60、119もたたきましたよ。」と答えると「そうですか。私は56に58で114です。」ドングリの背比べって言うのかなあ・・・。
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