ガールフレンドのAさんから「ツバキが坊主になっちゃった。どうしましよう。」との電話で、駆けつけると見事に坊主。もちろんチャドクガのせいである。
昨年庭を大分整理した折に、小さなツバキが余ったので、Aさんの庭に、植木屋に頼んで2本移植してもらった。そのとき植木屋は「チャドクガの卵がついていたから、とっておきましたよ。」と言っていたが、不完全だったのだろう。
チャドクガはドクガ科。本州以南の日本各地に分布。名前の通り茶の害虫として知られているが、同じツバキ科のツバキやサザンカにもよく大発生する。この毛虫の発生が庭木としてのツバキやサザンカの最大の欠点といわれるほどである。
年2回発生し、葉の裏に生みつけられた卵塊(黄色の毛玉状)で越冬し、5月のゴールデンウイークの頃孵化する。頭を並べて集団で葉を食べまくり、8齢、つまり8回くらい脱皮を繰り返して大きくなり、最後は地中で蛹となる。6-7月ころに羽化して、また産卵。8−9月に2回目の幼虫が発生する。そして9−10月に羽化した2回目の成虫が産んだ卵が越冬するのである。成虫は2cmくらいの大きさで翅の先に2個の小さな黒点がある。ウエブサイトには写真が載っている。
ウエブサイトを見ていると、いろんな人がいるなあ、と思う。チャドクガを飼って観察している御仁もいた。チャドクガにもドクガクロタマバチなどの天敵がいるのだそうだ。その天敵がいなくなったのか、1975年に宮島で大量発生した、とある。このときは宮島全体のツバキを食いつくし、ヒサカキやその他の木まで食べ、幼虫は付近を多数徘徊し、地面にあふれでて餓死する個体も多かった、成虫は海を越えて20キロの範囲まで飛来した、とあるから侮れない。幼虫一個あたりのツバキの葉の正味摂取量は3枚近くだそうだ。宮島のツバキには、平均1万枚の葉がついていたというからどれだけ発生したやら・・・。ただし75年に大激減し、76年には幼虫を見つける事が出来なくなったそうだ。
特に幼虫だが、成虫にもサナギにも毒針毛がついており、刺されるといつまで激しい痛みが残り、2-3週間続くというから大変である。さされた場合、抗ヒスタミン剤、メントール剤等を塗布する。ひっかくのは最悪で、それをするくらいならセロハンテープを貼って毒針毛を取り、その後、水にさらすほうが効果があるそうだ。
チャドクガ対策は、まず群生する幼虫を殺すこと。幼虫は葉の裏に頭を並べてへばりつき、集団で葉をたべているから、枝ごととって踏み潰すのが効果的である。しかし大きくなると四方八方に散らばりだす。そのときはオルトラン等の殺虫剤を吹き付けるのが効果的だ。オルトランは普通オルトランとスミチオンを溶剤でといたもので、大抵の毛虫に利くようである。また卵塊をみつけて取り除く方法も有効である。
ただ私は、植木屋から4-5月ころツバキの根元に粒状のオルトランを捲いておくと、地中の水と一緒にオルトランを吸い上げ、幼虫が死んでしまうと聞き、実行している。ただこれは薄まるのか、かなり多めに撒かないと完全ではないようだ。
Aさんのツバキには、抜け殻と糞だけが着いていたから、みんな蛹になって地面にもぐってしまったのだろう。刺されぬよう手袋をしたうえで、かすをきれいにしておいた。「また芽が出てくるかしら。」「大丈夫さ、根っこが張っているんだから。」と安受けあいをしたが、本当のところは自信がない。
最後にこのエッセイを読んでみなさんはどう考えましたか?えっ!チャドクガを飼ってみることにした?凄い!あなたはまだ若い!
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