国家ともなると、一度やりだしたことは、そう簡単に引っ込めるわけには行かない。国民に対し示したことであり、それを実行しないことには言い出した側の権威が失墜し、ついには己が責められることになってしまう。
北朝鮮がミサイルをとうとう発射したということだ。しかし日本海に着弾し、日本からは500キロか600キロもはなれているとか。事実とすると彼等は米国の譲歩を引き出さんがためにミサイル発射の準備をした。ところがその射程距離が米国本土にまで及ぶとあって米国は強硬にでた。一切の譲歩を拒否し、打ち上げれば重大な結果をもたらすと警告し、さらには迎撃デモンストレーションまでして見せた。その結果、これは危険、と判断したのだろう、しかし他国に対し、あるいは自国民に対し、メンツは保たなければならぬ。そこで日本海に落としてお茶をにごしたということか。その裏には、吠えるぐらいはするだろうが、日本なら大したことはできまい、と見透かしている。
韓国が竹島水域の海洋調査をするようだ。日本の強引に調査を中止させ、自分たちは一方的に我が領土と主張し、日本が出てくるなら軍事力を持ってでも阻止する構えに見える。実際日本は何も出来ないだろう。それなら最初から「竹島はのしをつけて差し上げます。」とで言えばいいようなものだが、日本も国民の声を考えればそうは行かない。そこで政府も形だけ・・・・・。これもずいぶんなめられている。黙っていれば、次は日本海などの名前をニンニク臭い名前に変更しろと迫り、その次には対馬でも要求してくることにならないだろうか。
靖国問題も発端はそんな感じがする。中曽根首相は1983から85年まで3回続けて訪問したが、新日鉄の稲山嘉寛名誉会長を通じての中国から中止の要請があった。そのときはっきり反対せずやめてしまったから、中国は自分の主張がたやすく通った、と感じた。ところが小泉首相が訪問を再開したから問題となった。一度言い出したからには中国としても引っ込むわけには行かぬ。ましてあの反日デモなどを思い出せば・・・・。一方日本としても靖国問題は国内問題であり、第三国の圧力で中止できる問題ではない。
最初の中国の抗議を受け入れなければ、あるいは歴代首相が毎年訪問を続けていれば、あるいは逆に一切訪問していなければ問題起こらなかったように思える。今後この問題はどう進展するのだろうか。しかしもう隠して処理するわけには行かぬ。
中国とは、べつに海底油田探索問題もからんでいる。これも領土問題が絡み、相手はメンツにかけてがんばり最後は軍事力カードをちらつかせるのかも知れぬ。
しかし軍事力は行使しないという考えは、ずっと日本が選択してきた道である。裏を返せば他国のこちらが考える違法行為に対して遠吠えするだけで我慢しよう、ということだ。これから日本はどちらの方向に進むのか。分からぬ。しかしこういった事件が、徐々にではあるが日本の中にナショナリズムの高まりを生じさせているようにも思われる。その結果がどういうことになるのか?
最後にあくまで平和に話し合いで、という基本戦略を変えないなら、こういった事件を外交上もっと利用する、というのも一つの手でではないか。北朝鮮による拉致問題は被害者たちの努力のおかげで、アメリカまで動かしかねないほど、世界の世論の盛り上げたように見える。自分の理論に自信があるなら、テポドンも竹島も尖閣諸島も国際世論、なかんずく同盟を結んでいるはずのアメリカを説得できないか。原子力潜水艦も横須賀でなく、裏日本のどこかの港に来てもらったら・・・・。皆さんはどう思いますか?
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