テレビで熟年お見合いパーテイを報道していた。
女は52歳、体操のインストラクターをしている。学校を出てすぐに親の薦めに従ってお見合い結婚をした。しかし性格の不一致で分かれた。その後10歳以上も若い男と結婚したが、先方の両親との関係がうまく行かずわかれた。
なかなかきびきびした生活を送っているようだ。しかしこのまま一人で一生を過ごすのは寂しい、という。そこでよいお相手がいれば結婚したい、スポーツマンタイプがいいという。私はこういう人なら相手が見つかるかも知れぬ、と思った。
いよいよお見合いパーテイ。彼女も精一杯めかしこんで行く。ただ年齢は隠せない・・・。
なかなか彼女のもとには人が来なかったが、とうとう一人来た。やはり50台らしい。しかし彼は今まで結婚した事がない、という。すると彼女は、途端に興味を失った様子だった。「貴方にはどなたかもっと若い人があうんじゃないですか。」また一人別の男がアプローチを試みたが彼女は逃げ出したようだった。もう制限時間がなくなるというころ、彼女はとうとう自分から売り込みをはじめた。お気に入りのスポーツマンに見える男に声をかけたのである。先方はまだ両親がいる、妻とは別れた、子どももいる、という。それでも彼女はすっかり気に入ったようだった。お見合いパーテイは、最後にお互いが好きな人を意思表示し、それが一致し、本部に届け出て初めて交際が始まる。彼女は彼を指名した。しかし残念ながら彼からの指名はなく不成立、その後も彼女は本部を通じて彼の意思を聞くが応じてもらえず、今回は失敗に終った。
ただそれだけの話だが、どうして彼女は相手が見つからなかったのか、愚考する。
いろいろ考えたが、一つには男が彼女に魅力を感じなかったこと、もう一つは彼女があれこれ聞きすぎたことではなかったか、と感じた。
彼女は相手の家族のことなどより、どんな仕事をし、どんな趣味をもっているか、そしてそこにフィーリングのあうものを見つけ出そうとするべきではなかったか。それがあればもう一度結婚など考えずに会っててみたい、と提案するべきではなかったか。そしてフィーリングがあった上で、家族の話をし、さらに進めるにはどうしたらいいか、考えるべきではなかったか。男は、多分見ず知らずの彼女を相手に、親の面倒や子どもとうまく折れ合いをつけることなど、少なくともお見合いの時点では考えないのではないか。そんなことはなるようにしかならない。ほっといてくれ!
最初の初婚の男をあっさりふったのは、間違いではなかったのか。彼女は、結婚の経験もないそんなネンネは私の相手にならぬ、と速断したのだろう。しかしその歳になるまで結婚しなかったのは、それなりの理由があるに違いない。少なくとも向こうからアプローチしてきたということは、少しは気があるのだろう。その気にあわせてみて、当方の思いと重ね合わせてから判断しても遅くなかったのではないか・・・・。
熟年の結婚というのは、わが身にも照らしても難しいものだなあ、と思う。子達の話、親の話、それにまつわる財産の話・・・・・ケースによって違うけれどもいろいろある。若い頃のようにスキならいい、とヤミクモに進むわけには行かない。
それなら二人だけのそこだけの小さな世界をつくればいい。しがらみがあるならそれはそれで受け入れ、しがらみの許す範囲で恋する以外にあるまい。
病気のとき、倒れたときそんなことを考えると不安になるけれども、法的な結婚を余り考えない熟年同士の熱い交際があってもいいのかもしれない、それでも寂しさは一時的かも知れぬが癒され、人生に今よりプラスの部分が出来るかも知れぬ。
・・・・・そっと忍び会い、グラス片手にお互いの人生を語り合い、年月が作り上げた皴とシミをたたえあう熟年男女の関係、夜霧よ、今夜もありがとう・・・・・。
こういうの、分からねえだろうなあ、きれいな奥さんが元気な幸せ者め!
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