サンシャインビルにある「虎ノ門クリニック」で受けた人間ドックの検診結果は、ただ一つを除いて満点であった。ただ一つとは、肺のX線検査結果に「異常陰影」。所見欄には「今回の胸部所見については単純写真では診断が困難です。一度CTなどによる調査を受けてください。」・・・・大丈夫とは思うけれども「転ばぬ先の杖」と受けることにする。
今までそういう兆候は全くない。
しかし父は肺がんで亡くなっている。町医者の所見で父の「痰」を持ってきてくれといわれ、持参したことを覚えている。その結果怪しいということになり、癌研で検査をしたところ肺がん。その後手術をしたが、再発して帰らぬ人となった。父はそのときはもうやめていたが、10年位前まではタバコを良く吸っていた。そのことを大分悔やんでいた。幸い私は生まれてこの方喫煙の経験がない。
しかし心配である。もしも癌と診断され、長期入院し、死にいたるようなことになったら・・・・。私の人生はオシマイだ。子どもたちや相続はどう考えるか・・・・・。悩みだすときりがない。心に引っかかり、昨日の谷川岳行きは楽しかったけれど、何か落ち着かぬ。
一昨日のCT検査。ベッドに横になり、ドーナツ型の巨大な機械に入ってゆく。医師の指示に従って息を止めると、機械に埋め込まれた赤いバンドがチカチカし、ベッドが微妙に動く。息を止めている時間は最初が5秒、次が20秒。それですべて終了。楽なものである。
CTについては良く分からぬからウイキペデイアで調べてみる。
CTはComputed Tomography、コンピューター断層撮影のことである。普通はX線を利用する。
物体に360度方向からX線を照射し、それぞれどの程度X線が吸収されたかを測定する。物体内部は部位ごとにX線吸収率が違うため、そこを通過してきたX線の量は吸収率を合計したものに等しい。そこで一断面を格子状に分割し、各部位の吸収率を未知数とし、その合計が実際の吸収率と等しくなるように連立方程式をたて、これを解くのである。原理自体は比較的シンプルだが、これは巨大な行列演算であり、画像を構成するのにかかる時間は、コンピューター処理速度に大きく依存している。実用化当初は、撮影してから画像が処理されるまで、大きな待ち時間を要していたが、現在はリアルタイムで画像を確認できるまで高速化した。従来断層画像をうるために、線源を1回転させる必要があった。高精度の3D画像をうるため、寝台を細かく動かしながら何度も撮影するから、撮影時間がかかった。そこで寝台を一定速度で動かしながら線源を回転させるヘリカルCT(患者から見て線源がらせん状に動く)が開発され、操作時間が大幅に短縮された。
ただX線CTは、通常のX線撮影が自然被曝量2日分であるのに対し約3年分の放射能を浴びることになる。そのため毎年全身CT検査を繰り返すなどすると癌にかかる率が高くなる、などの報告もあり、特に若年者の施行にあたっては適応や部位を慎重に判断する必要がある。
しかしこのことを担当の女医に話すと「それは極端な話。まだ受けた事がないんでしょ。受けてみるといいですよ。」と気楽に言う。
今日は、土曜日のせいか込んでいた。1時間以上待たされてやっと病室に呼び入れられた。この前とは違う若い女医であった。「結果からいうと、心配した癌の兆候も、水がたまっている様子もなく全くありません。写真に映った影は胸の周りの脂肪です。メタボリックシンドロームに注意してください。今後は1年ごとに検診を受ければいいでしょう。」そう言って彼女は私の腹の辺りをじろりと見据えた。
安心した。クリニックを出た後、ほっとして、一階にあるラーメン屋によったが、ことのほかうまく感じられた。
追記 今日メールをみたところ、suzukiなる差出人名で「未開封:agatha通信308」なるメールが送られておりました。あけてみたところ読者数名をあて先としたもので、添付資料がついています。何かのいたずらメールと思います。添付資料は絶対に開けないようにしましょう。またこのメールについてお心当たりの方、いらしたら教えてください。
註 ご意見をお待ちしています。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha