旅行会社に10万余りの金を振り込もうと、荻窪「三井住友銀行」の窓口にたった。ところが「10万円以上現金でお振込みの場合、ご本人であることを証明するものが必要です。」「りそな銀行」のキャッシュカード、スポーツクラブの会員証など示したが通らない。この銀行のカードか通帳、あるいは運転免許証か保険証が必要なのだ、という。そういえば4日からATMで10万円以上振り込めなくなる、と宣伝していたことを思い出す。
これにはまだ前の話がある。金曜日に通知を貰って郵便局か、近くの「りそな銀行」に行こうと考えた。ところが送られてきた払い込み用紙に、なにやら数字とその下に三井住友銀行、口座番号が書いてあった。「三井住友銀行」から振り込むなら、他行より振り込み手数料が安いに違いない、と考え、今日まで延ばしてやってきた。今日はスポーツクラブに行く用意をしている。我が家と荻窪の距離は2キロ足らず、そこをバスに乗って帰っては振り込み料を節約した意味がない、といって歩いて帰るのはかなりしんどい・・・・・。
「分かった、仕方ない。」と引っ込む様子を見せながら、私は腹いせに「ここの振り込み手数料はいくらだい。それから他行から振り込んだときは?」「これは私どもの口座でございますから525円、他行からお振込みいただきますと840円。」「支店名すみれというのはどういうことだ。」「これは振込み専門のバーチャル口座でございます。」へえ、こういうのがあるんだ、と一つ勉強。「郵便局から振り込んだらいくらになるんだい。」「それは・・・・わかりません。」「客が振り込み料金を比較するのは当たり前じゃないか。勉強しとくんだね。」と捨てゼリフ。
さて、どうしよう。別の「りそな銀行」支店がむかいにあるけれど、そこから300円も余計に払って振り込む気分にはならぬ。スポーツクラブに行き、明日振り込んでもいいのだけれど、根がせっかちである。今日やれることは今日済ませたい。結果スポーツクラブに行く代わりに我が家に戻り、免許証を取り、ついでに郵便局と振り込み料金を比較した上で、必要ならもう一度この銀行に来ることにした。これだって運動に変わりはない!
2キロの道を戻り、まず郵便局へ。小出しに行く。払い込み用紙を示して、「ここにこの金額を郵便局から振り込むとしたら振込み料はいくらだね。」表を参照しながら男の係員が「250円でございます。」払い込み用紙に書いてあった数字は郵便局の口座番号、つまり相手は振込先を2箇所持っているわけだ。郵便局も本人確認はうるさかった。銀行のキャッシュカード等を見せるがうけつけぬ。仕方なく運転免許証を示す。それでも頑張った甲斐が少しはあったと振り込み、郵便局の振り込み手数料がこんなに安いなら、いっそのこと私の会社の口座を郵便局に移したらどうなるか、と聞いてみた。しかし郵便局から銀行振り込みはできないとのこと。その上、振込み手数料は「10月から多分あがるでしょう。民営化されますから・・・・。」とのことであった。
再び荻窪まで歩き、三井住友銀行に行きまた確認。「個人はいいとして会社の場合、本人確認はどうなるんだ。」「あれは振り込め詐欺等の防止のためでございまして、当銀行に口座がある事が確認されればすべてOKなのです。」とのことで、要するに預金通帳かキャッシュカードを持参しろ、ということだ。
あとで新聞で調べたところ、このルールは、振り込め詐欺防止より暴力団のマネーロンダリング(資金洗浄)防止に向けた世界的な規制強化の一環。金融庁が決めたことである。
ラーメン屋に行き490円のタンメンを食いながら「ふん、これで昼飯がただになったではないか。」840-250=590という計算。そう考えて自分を慰めた私であった。
註 ご意見をお待ちしています。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha
読者の一人から以下のようなメールをいただきました。
小生も郵便局に固定資産税、住民税などを振り込みに行ったら、局員が本人確認とか言うので大声で「税金を所定の用紙で振り込むのに本人もへちまもあるか、他人の税金を納める馬鹿がどこに居る。上役を出せ。」とすごみました。
実際はもう少し上品でしたが、とにかく上役を呼んでもらいました。そうしたら税金だけはいいとのこと。当たり前ですよね。