528「「女性は産む機械」発言問題に思う」(1月31日(水) 晴れ)

柳沢厚生大臣の「女性は産む機械」発言が大問題になっている。野党は厚生大臣の罷免を要求して審議を拒否してしまった。与党の単独審議になり、何兆円かの補正予算が大した真偽もされず予算委員会を通過してしまった。野党の議員たちにはもっとまじめに仕事をしなさい、といいたい。
今回の事件は、まさにあげ足取りだ、と思う。柳沢氏がすぐに発言を取り消し謝ったにもかかわらず、どうして辞任まで要求するのか。しかも国会で行ったわけではない。松江市の自民党県議会後援集会でおこなったものだ。
大体「失言一回即アウト」という基準は厳しすぎる。それこそ自由な発言を封じ、北朝鮮みたいな全体主義への道をひらくことになりかねない。「一回の失言であっても、そこには彼の真意が透けて見える。」などという発言は、悪意以外の何ものでもない。もしこういう基準でものごとを考えるとするなら、野党の人などいくつ首があっても足りないと思われるが、その覚悟はできているのだろうか。

以下私の推論:
「口では言うものの、皆、厚生大臣の罷免まで考えていなかった。それほど重要な問題と思っていなかった。ところが社民党の福島瑞穂党首が頭に来た。東大法学部卒弁護士の彼女は事実婚をしており、子育て失敗談まで書き、夫婦別姓を自分の経験から提案している。セクシュアルハラスメント、ドメステイックヴァイオレンス、夫婦別姓問題に取り組み、痴漢冤罪については女性の人権第一、冤罪は社会コストなどと述べている人物だ。彼女が頭にきたのは内容などではない。唯一「機械」と言う単語であろう。
その怒りに民主党が損得勘定でのっかった。国民新党ものっかった。共産党は、最初はそんな問題と思っていなかった。だから最初は審議に参加した。しか他の野党3党が出席していないのを見ると、それなら私もと同調した。
振り返れば、民主党は野党4党の共闘の呼びかけを行いながら、教育基本法などで態度が煮えきらず、社民党や共産党からその破棄をいわれそうな情勢だ。しかしそう言われては、民主党は困るのだ。共闘してもらって、選挙区で社民党や共産党の候補を下ろしてもらいたいのだ。ご機嫌を損ねては困る。この問題は、どう転ぼうが大した問題ではない。そこで賛成して、怒って見せて借りをかえし、来るべき参議院選挙ではよろしく・・・・。まさに小沢党首が若い頃やっていた選挙に勝てればなんでもあり、という自己本位な手法そのままではないか。そのおかげで彼は「政治屋ではあるが政治家ではない。」などとささやかれることになるのだけれど・・・・・」

今回の発言をことさら問題にするのは女性であろう。機械と言われては立つ瀬がない、それはわかる。しかし柳沢氏は「女性は産む機械だ。」と言ったわけではない。「産む機械に譬えれば・・・」と話したのである。たとえがいけないというなら「人間は一個の生物である」などといえば、人間と虎や狼と一緒にするのか、とうことになり、「男はみんな狼よ。」と言えば大変な侮辱にならないか。

民意を重視する、ということは大切である。しかし一方でポピュリズムが危険で、好ましくない、というのも事実である。しかし野党が今まさに取ろうとしているのは、ポピュリズムにのっかって、民意を自分の方向に引っ張ろうとする戦略に過ぎない。

註 ご意見をお待ちしています。
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読者から以下のメールをいただきました。お二人とも私と同世代の男性です。

A氏 民主党はさいきんブーメラン政党といわれているらしいです。与党議員の何かを追及すると必ず同類が自分のところに現れる。ブーメラン現象を誘発するみたいですね。社会党もにたようなものですね。でも皆で騒いで小悪を暴き会っている間にどんどん時が流れますね。こちらの方が問題ですね。

B氏 確かにポピュリズム的なリアクションですね。過去に大臣の発言で辞任した人は何人もいました。一つは国民感情を軽視した発言で、昭和27年11月に池田通産相が「経済原則によらぬことをやっている方がおられた場合、倒産し自殺するようなことがあってもやむを得ない」と発言して2日後に辞任した。また、47年1月に原健三郎労相が「養老院へ行くような人たちは感謝の気持ちを忘れた人たち」と述べ、2週間後に辞任に追い込まれた。もう一つはときの内閣の方針に反する自説を展開して辞任した、奥野国交相、中西防衛庁長官もいた。奥野氏は53年5月、日中戦争について「侵略と言う言葉を使うのは嫌いだ。あの当時、日本は侵略と言う意図はなかった」、また中西氏は平成5年12月に「半世紀も前の憲法にしがみついているのはまずい」と述べて両人とも即刻、辞任した。
柳沢氏は前者の部類であり、久間氏の「ブッシュ大統領のイラク開戦は間違っていた」発言は後者であろう。ただし、柳沢氏の発言は池田、原両氏の場合よりも、その対象が全女性ということでリアクションが大きかったのでしょう。
しかし、国民の付託を受けた国会議員が「審議拒否」というのは全国民への造反であり、より罪が重いのではないでしょうか。