537「ボケ防止に書道事始」(3月5日(月)晴れ)

新年になって習字を始めている。
そもそものきっかけは年賀状だった。この2年間くらい旅行の写真とワードで作成した文章を組み合わせていた。しかし「海外旅行に行った写真を得意げに年賀状に載せる奴がいるがいやみだ。」との声をどこかで聞き、一工夫したくなった。いまさら版画やプリントごっこもする気になれず、それなら絵手紙風にと考えた。いのししを見よう見まねで描きそれに「あけましておめでとうございます。」といれた。
書いてみてから、我ながら文字の下手さに気がついた。
少しうまい字が書きたくなった。和室の掛け軸に亡妻が求めた色紙が飾ってある。「水急不流月」とあり、左下に寺か坊主の名前と九十翁と書いてある。赤い篆刻が三つベタベタとおしてあり、もっともらしく見える。この字をうまい、というのだろうか。この字は修行の末でなければ書けぬものか、と考えた。

お習字をやりたい、というとガールフレンドのAさんは「そういうものはどこかに習いに行くものよ。」と言った。しかし私は、とりあえず自分でやってみたいと考えた。
吉祥寺のユザワヤに行き筆だの硯だの半紙だの色紙だの買ってきた。どんなものを選ぶべきか。書き順さえ自信がないレベルだから、書ければいいと大きさだけを考え、安いものを買い揃えた。2階のパソコンのそばの机に並べ、これでいつでも好きなときに練習ができる。何度か書いているうちに書き順についていえば、平仮名も私は怪しいことに気がついた。「れ」や「わ」、一番最初は「と」ですら間違えた。それを終えると次は漢字を練習しようと、「賀正」だの、好きな標語「着眼大局着手小局」だのを書いてみた。しかし形がとれぬ。その上、「着」の字はチョンチョンヨコヨコヨコタテと書いていた。少し違う。掛け軸の坊主の域にはほど遠い。

そんなことをやっているうちに自分が最近パソコンでばかり書いているからか、ボケのせいなのかわからぬが随分文字を忘れている事に気がついた。孫娘が時々得意になって「漢字検定の*級を取る」と頑張っていることを思い出した。
少し本格的に・・・。教材はもちろんパソコンのウエブサイト。学習指導要領で要求される文字は大体文字とその書き順が記載されている。小学校6年レベルで漢字検定の5級になるらしい。よし、これをやってみよう。
しかしここでまた問題。別のサイトに文字に楷書、草書、隷書の三つが書かれていた。初心者で男らしく楷書で行こうと決めたまではいいが、楷書と小学生が書く正確な文字は少々違う。糸偏の下の部分、北、望などの書き方・・・。仕方なく正確な文字の方にし、分からぬときは楷書のサイトを参考にすることにした。

毎日少しづつ。今日やっと小学校5年まで終えて、これから5級の文字の練習にかかろうとしている。しかし書き順を間違えていたものが多いなあ。右と左、希望の希、登る、衆議院の衆等。収入の収、方法の方なども迷った。カタカナのツか大小の小かで迷ったのが堂々、賞金、単純等のカンムリ。パソコンの文字を拡大鏡でみると分かる。
その上、鉛筆で書くときと筆で書くときは大いに違うということ。「中」のシンボウはすっと伸ばすか、とめるか。競争の「競」は右と左同じでいいか。バランスも問題。「私」と言う字は右を少し小さく書いたほうが釣り合いがとれるようだ。

サイトには2級まで掲載してあるから、そこまで終ったら次は楷書に取り組もうと思う。お習字・・・・案外自分ででき、知的好奇心も満足させるものではないか、その上心も落ち着かせる、ひまで退屈な午後をつぶすには良いものだ、と最近感じ始めている。みなさんどうですか?

註 ご意見をお待ちしています。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha

読者の一人から次のようなメールをいただきました。見習いたい!

阿笠さんが習字を始めたとのこと何よりです。
私はもう40年ぐらい日記を描いています、勿論万年筆で書きます、その時常に辞書を側においています、確かに忘れた字は多いですが、そのつど辞書のお世話になっています。それに日常墨で書くべき事は筆を使うようにしています、パソコンは株とメールぐらいで手で書くことを意識して書くようにしています。幸いな事に女房が書に関してはプロ級で、雰囲気として筆は身近に有ります。