539「堀江被告に懲役2年6ヶ月」(3月16日(金)晴れ)

ライブドア事件の堀江被告に、懲役2年6ヶ月の実刑判決が出た。裁判長は「証券市場の公正性を害した極めて悪質な犯行」と断じた。
日本経済新聞によれば「この種の犯罪単独での実刑は極めて異例で、ルール無視の行動で市場をかき乱した被告に厳格な姿勢を示した、といえる。」
被告はただちに控訴したから、上級審でどうなるかは未定。判決は世の中の動きを見れば仕方のないところかもしれないが、いろいろ考えさせる。

判決骨子にはまず「投資事業組合はダミーで自社株売却益の売り上げ計上は許されない。」としている。確かにそうだが、商売と言うものの一つに、法の抜け道を探ってなんとか儲ける、というのも一つの方法。まして堀江社長は宮内氏等税理士軍団に囲まれていた。もしあなたが堀江被告の立場であったらどうするか考えてみるとよい。大きな儲け話が合って、税理士も法律上いけなくなはない、といっている。押し返して「違反の可能性があるならやらない。」と言い切れる自信があるなら、検事にでもなればいい。

「一般投資家を欺いた責任は重く、反省も全くない。」
結果としてはそうなったが、彼等にその意図があったわけではない。欺いた、というのなら東証や金融庁そのものではないか。違法性がささやかれながら、それまで誰も行動しなかったではないか。さらに虚偽報告を理由に上場廃止を決めたのは誰か。上場が維持されていれば、ここまで株主は被害をこうむらなかったかもしれぬ。今回の日興コーデイアルの場合と比較して明らかである。日興コーデイアルの場合は組織的とまではいえない,などと言うのは後からつけた弁明にすぎない。

「犯行で中心的役割を果たしたが、主導したとはいえない。」
ここはその通りであろう。しかしつかさどるものとしての責任は免れえない、ということなのだろう。
これだけの話で実刑は少々重過ぎるように感じる。法廷で犯行を全面否認し反省の情も見られないことから「実刑を持ってのぞまざるを得ない。」としたところに裁判所の苦労の様子が伺えるように思った。

法解釈、これからの見通し等については記事にゆだねるが、私も少しばかりの被害をこうむったから、最後に株主訴訟について・・・。正直、今では、訴訟はなるようになる程度で、被害者に同情などしない。
所詮株式投資はなかなか効率のよいギャンブルである。始めた頃に、投資された総額と戻ってくる金額の比を比較すると、宝くじは50%、競馬は75%と聞いた事がある。株式は、手数料や税金をのぞけば100%である,しかも相場が上がれば100%以上戻ってくる、素晴らしい。
しかしその逆もありうる。だからなけなし金を絶対にかけるべきではない、それも出来るだけ分散して、と教えられる。退職金を全てライブドア株につぎ込んだ、などと言う人はむしろ自分の不明を恥じるべきなのだ。

私自身について言えば、株主訴訟の提案がなされた時、一応登録をした。しかし裁判に多額の費用がかかりそうだということ、株価が下がった時期と会社が問題点を認めた時期が食い違い、損害の100%認定がとても期待できそうにない、と感じて降りることにした。ライブドア、堀江氏に悪意があったなどとは毛ほども感じていない。裁判に持ち込む・・・・これもまたギャンブルで期待される効果と費用の関係と考えただけのことである。
今回の経過は仕方のない事と思うけれども、これで多くの人のベンチャー精神が失われないことを願う。

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