新聞記事の要約に由れば、次のようになっている。
世田谷で、ごみ集積場から古新聞を勝手に持ち去ったとして、区清掃・リサイクル条例違反の罪に問われた古紙回収業者5人に、東京簡裁は無罪を言い渡した。
裁判長は「廃棄物処理法には一般廃棄物の持ち去りに関する罰則規定はない。廃棄物の持ち去りを無条件に禁止し、罰金を課すのは同法に違反しており、地方自治体の条例制定権を逸脱している。」と述べている。
一方葛飾区では看板に「抜き取り厳禁」と書いてある都営アパートのゴミ集積所で、張り込み中の警察官が、新聞紙や雑誌計約11キロを荷台に積み込んだ古紙回収業者を現行犯逮捕した。男は「悪いと思ったが生活のためにやった。葛飾区や足立区のごみ集積所から持ち去り毎月15万円程度を稼いだ。」とする。警察は、住民が古紙を集積所に出した時点で、所有権が区に移ると判断して、逮捕したものだが、処分保留で釈放した。
この判決の是非は言わないが、日ごろ疑問に思うこと。
ゴミ集積所は人々がゴミを出し、それを回収者が回収するまで一時的に保管されている場所である。人々が合意した場所を回収者に申請し、ためられたゴミを回収してくれるよう依頼することから発生するケースが多いのだろう。もちろん当初にさかのぼれば回収者が人々に依頼することで決定するようなこともあろう。
しかし法的にはゴミ集積所の用地は、与えられていないのだと思う。
都合がつかぬままに道路であったり、私有地を使ったりしている。道路であれば、普通の物品であれば不法占拠になるはずだ。ゴミ集積所のゴミにぶつかって老人が転倒し怪我をした。誰が責任を取るというのだろう。道路は、本来人が通行するために存在するはずである!私有地だって所有者は余程の事がない限り、そんな土地を提供するのはもったいない、と考える。しかも設置されれば周囲が汚れたり悪臭を発したりするから皆から嫌われる。そこをなんとか法には目をつぶってもらって、運用しているのが現状ではないか、と思う。せめてゴミ集積所の明示くらいの工夫がほしい。
所有権がどこで移るのかは曖昧だ。基本的には集積所のゴミは誰の者か、と言う問題に行き着く。土地の所有者と考えるなら、私的スペースを利用したゴミ集積所はその土地の所有者に帰すのか、と言うことになる。間違って札束を捨てた場合にはどうなるのだろう。一旦捨てたごみを、あれは間違いであった、と回収したら窃盗になるのだろうか。ゴミ集積所所有者、ゴミを出す人々、回収者の間で協定でも結ばれていて、ここに捨てられたゴミは捨てられた、とみなす、所有権は回収者に移る等の取り決めがあれば別だろうが・・・・。もっともあったとして誰がその契約にお墨付きを与えるのだろうか。
そんなことを考えると世田谷区の判決も無理からぬことに見えてくる。
この問題を考えているとどんどんわからないところがでてくる。春の夜も眠れぬ。誰か良い答えを教えてくれませんか。
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