558「ついに国民投票法案が成立」(5月16日(水)晴れ)

国民投票法案が成立した。
憲法96条は、憲法改正の手続きの一環として、国民投票が行われる事を規定されている。しかし憲法制定後60年余り、その具体的な手続きを定めた法律がなかった、と言うのだから驚きである。実行するための立法措置をとらなかったことは、むしろ国会の立法義務に違反する「不作為」と言うべき状態にあった、といわざるを得ない。今回成立したことは喜ばしく、憲法をこれからどうするべきかを国民全体で考えるべきだ。

96条は、衆参各院で総議員の3分の2以上の賛成で「改憲案」が発議され、国民投票で過半数が賛成することを定めている。この点は、今回の法は少しも損なうものではない。「日本は軍事化の道を一歩踏み出した。」などと言う人がいるが、論点が違う。日本は民主主義の国である。憲法の一番大事なポイントは何かと言えば主権在民であり、民主主義である。そのような発言は自分の意見を押し通して、これを踏みにじろうとするものである。

今回の改正のポイントは
1、 国民投票のテーマを憲法に限定
2、 投票年齢は18歳以上
3、 国家公務員法などによる公務員の「政治的行為の制限」を原則適用
4、 公務員と教育者が「地位を利用」した運動を禁止
などで、法施行は成立から3年後である。それまで国会への改憲議案は提出・審議できない。ただしこの「凍結期間」であっても改憲骨子案や要綱の作成は出来るとのことだ。
左派はこの法律が成立したことにより、次の段階に入ったと判断、今後は9条を守るという観点から運動を開始すると予測されている。しかし今の9条が現実に即しているとも思わないし、ましてやベストのものであるとも思わない。十分議論して、民主的にその進むべきものに改めてもらいたい。

また何しろ60年も前に作られたものだ。時代に合わないものも沢山ある。いろいろ指摘されるがウイキペデイアにはたとえば次のような問題が論点である、としている。
1 天皇の地位・・・・天皇制度の存廃問題、象徴天皇の意義など
2 9条、自衛隊・・・戦争放棄、戦力の不保持との関係
3 国際情勢と憲法改正論議・・・・自衛隊のPKO活動の解釈、専守防衛、集団的自衛権
4 公益、および公の秩序・・・・公権と私権の関係のありかた
5 新しい人権の明記と権利の制約・・・・人権優先は絶対的か、環境権、知る権利、犯罪被害者の権利等とはどうむきあうえきか
6 首相公選制の導入
7 両院制度・・・・参議院の位置づけをどう考えるか
8 軍事裁判所・憲法裁判所の新設
9 公金による私学助成・・・・89条との関連
10 国家主権の移譲・共有・・・・アジア連合などの考えとの調整
今回これらについての意見やコメントは控える。

これから3年間、日本国民は戦後を今一度見直し、過去はともかくこれからどうしたらいいか、広く国民の意見を聞き、考えていけばいい。そして多数決の原理の素にあるべき憲法を民主的に制定してもらいたい。

註 ご意見をお待ちしています。
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