訪問介護事業と言うのは、公から9割も助成を貰いながら儲からないのだそうだ。
しかしGWG(コムスン)が売却を検討している事業の受け皿には、30社以上が名乗りを上げる見込み。
買収によって経営規模を拡大すれば、「施設を使うデイサービスやグループホームでスケールメリットを期待できる。」など考えているようだ。新たな利用者を絞り込むことで既存施設の稼働率を向上させ、黒字の施設介護部門の利益をさらに膨らませて、訪問介護事業の赤字をカバーできると言う計算だ。
一斉にコムスン叩きである。
介護するはずの職員が不足していた、そして料金だけは国からチャッカリ受け取っていた、そもそも折口会長の頭には金を儲けることしかない、月に4件増やせ、反省会議は成績順に並べさせられ、最下位にでもなろうものなら土下座ものである。本来介護事業は金を目的とするべきものではない、現場はサービス残業に苦しんでいる、何しろあのジュリアナ東京の折口氏だからね。するとだんだんエスカレートして六本木ヒルズの本社を見ろ、自家用ヘリコプターを見ろ・・・。
しかし本当にコムスンだけが悪いのか、疑問がわいてくる。
事件を振り返る。訪問看護ステーションに実際に勤務していない職員を勤務していると偽って申請し、介護事業所の指定を受けた、問題の不正受給のあと、金の返納を求められた、などが発端である。さらに処分逃れなど悪質な企業の対応が目立ち、これらが会社が意図的に起こしたと判断、都道府県に「コムスン」を指定事業所として認めるな、と通知した。それが今回の大騒ぎに発展したのである。
しかし決定は、2008年4月以降コムスンの穴を埋める事業者が必要になること、24時間訪問介護事業を行う事業者が少なく、夜間の介護を必要とする人がサービスを受けられなくなる恐れがあること等、を十分に考えた上で行ったことなのだろうか。問題がありそうな事が分かって、厚生労働省は、急ぎ国と自治体で協議して対応することにして対策本部を設置するのだそうだが、いかにも付け焼刃と言う感じがする。
折口会長は、風貌も行動もいかに成金的で一般受けせず、好感をもたれなかったのかもしれない。しかし一方で性急過ぎたにせよ、新規の顧客獲得に走り、厳しいノルマを課し、何とかそこから利益を上げようと考えたのは、起業としては当然のことだったのかもしれない。感情論で非難するのはあたらない気がする。
コムスンの過酷な勤務、24時間訪問介護対応は事業所(現場)任せという実態も明らかになってきた。とにかくきつい、汚い、給料が安いという3k職場である。しかし少子高齢化時代を迎え需要は増えているため、人材確保が追いつかない。そのため当初のような問題も生じる素地があったし、過酷な勤務になるのもやむを得なかった側面がある。ただその辺について現場任せだったのはコムスン以上に当の厚生労働省自体ではなかったか。
今回の措置は、社会正義を守ると言う観点から通知は正しかったのかもしれない。事業者が事業を出来るように別の面から検討する必要もあったように思う。コムスンに撤退を迫った今、求められるのはその辺に対する厚生労働省のきちんとした説明ではないか。
受け皿ができ、あたらしい企業のもとでうまく行くことを願う。しかしうまく行かず、混乱を招いただけ終るなら、その責任は厚生労働省そのものにあることを、銘記してもらいたい!
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