安倍内閣の支持率が低下しているそうだ。その原因が主として社会保険庁問題だ、という。
野党がこの問題をまず取り上げて、粘り強く政府を追及した結果、いままでのでたらめ振りが明らかになったことは野党の功績と思う。
しかしその後はいただけない。懸命にナントカしようと頑張る与党の足を引っ張り、混乱を起こさせ、内閣を辞職させればそれで良い、としているように思われる。
こうすればうまく解決できると言う案が提案されていない。職員の身分を公務員のまま残す改革案など広く国民に支持を得られるように思えない。
過去の担当者の責任追及くらいは必要かもしれない。厚生大臣や当時の社会保険庁長官の弁明を聞くことも大切だろう。しかしことここに及んでは差し迫った問題をどう解決するのかの方が大切だ。
内閣は国会会期の延長を行おうとしている。天下りあっせんを禁止し、官製談合をなくすことを目的とする国家公務員法改正案や社会保険庁を解体・出直しさせる改革法案など重要問題を審議する時間がないからやむを得ぬ措置である。すると「その結果参議院の選挙が1週間伸びることになる。人々の心も冷めて与党有利になるだろう。」との思惑もあるとか、ないとか。
真実は分からぬが、それもやむを得ぬと思う。重要と思われる法案はやはり通しておくべきだ。民主党の意見は、多数の力で押し切り、自分たちの意見を全く通させない政府のやり方が悪い、民主主義とは多数の横暴なのか、というあたりであろうか。低レベルな議論との非難には、この戦術しか国民をこちらに手繰り寄せることは出来ぬ、と反論する向きもあろう。しかしかしそれでは国民は嫌気がさすのも当然だろう。
この前民主党の渡辺氏が言っていた言葉が耳新しかった。
ずっと自民党の重鎮であったし、経験豊富な彼の発言は意味があるように思う。
「今、一番問題なのは国民の行政に対する不信が増幅していることだ。それを国民が失ったら国全体がバラバラになる。国の将来が心配だ。」
政治と言うものは為政者に対するある程度の信頼の上に成り立つ。それは民主主義であろうが独裁政治であろうが同様だ。それが失われるとき、革命がおき、混乱がおき、他国がこれを利用するようになる。
支持率は下がっているものの安倍内閣は、今まで、それほど誤った政策を取ってきたようには思えない。小泉内閣ほど独裁と言うわけでもない。身辺に問題のある大臣を選んだことは問題かもしれない。辞任に追い込まれたり、自殺した大臣まで現れた。しかしどれも個人的な問題が原因のように見える。国民投票法、政治と金の問題、教育問題、社会保険庁問題など多くの事案が浮かび上がった。どれも過去に積み残された問題だ。それらに一応だが、真剣に取り組んでいるように見える。正直、仮に選挙で与党が負け、あたらしい内閣ができたところで、とても今よりよくなるとの確信がもてない!
特定の党の党利党略やマスコミによって誘導された感じさえする国民の一時的な判断により、この国がおかしな方向に進まないことを心より望む。
後記 (7月1日)国会の会期を延長し、社会保険庁改革法、年金支給漏れの時効を撤廃する特例法、改正国家公務員法などがようやく成立。国会は事実上終幕し、29日の参院選挙に向けて突き進むことになった。これらの法律が成立したことは、それはそれなりによかったと思う。どの問題も少なくとも現状のまま放置されてはたまらない!ただしこれで安倍内閣の支持率が持ち直した、というニュースは聞いていない。
註 ご意見をお待ちしています。
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読者の方から次のようなメールをいただきました。
A氏 社会保険庁の罪はいろいろありますが、もしも今回の選挙で国を誤る様な結論が出た場合は、其の罪が亡国の大罪にあたりますね。それにしても社会保険庁のために、この選挙でわが国の発展というか正常化が10年は遅れるような気がします。国民の冷静な判断を祈るのみです。
B氏 安倍内閣の一番危険な所は、憲法九条を変えようとしているところ。それを、わかってほしい。日本を戦争したい国にするかどおか。安倍は戦争したくてしょうがない男。北朝鮮がミサイルで攻めてきたら、世界第3位の軍事力のある自衛隊が追撃すれば良い。そんなもの、憲法を変えなくても、やったあとで、超法規的措置で処理すれば国民は納得する。
そもそも、日本人全体がわかっていないのは、憲法とは国民が国に対して請求する、国民が国を律する法律であること。他の法律は国が国民にこうしてはいけないと律するもの。だから、国民が国に対して、やってはいけないと制御できるのは、この憲法しかない。国際貢献だって、アメリカの世界戦略の後始末をしているだけで、あんなの軍事化してやることはない。平和ボケで、軍国主義の恐ろしさがわかっていない。日本が堂々と戦争のできる国になった先には、すぐ感化され易い日本人は軍国化してまたしても世界侵略に走る道をたどる。だいたい、テロとの戦いなど、テロの原因がアメリカであること、また、全く宗教対立を考えず、単に武器と石油資本の言うなりに動かされているアメリカに追随するナンセンスが国民はわかっていない。腰抜け野党も困ったものだが、裏には全て利権が絡み腐りきった自民党を国民はなぜ支持するのか理解しかねる。
それだけ、日本国民は親方日の丸から脱しきれない保守的な民族だということ。このことは、裏を返せば、国が戦争すると言えば、なんの抵抗もなく従うようになってしまう危険があること。せっかく、憲法9条のおかげで1日でも長く、日本はどの戦争にも加担しないで済んでいることを、十分評価すべきと思う。
2013年または2060年に「The Day after Tomorrow」状態になるまでは既に、世界的にミツバチがいなくなり植物生態系が崩れ、アメリカの小麦穀倉地帯も近い将来大不作になりそうで先物相場も動き出した。