オーストラリアの総選挙で、野党労働党が11年ぶりに政権を奪回する。次期首相に就任するラッド党首は、イラク駐留豪軍の一部撤退や京都議定書の批准を公約に掲げる。同国は、日本にとって今年3月に日豪安保共同宣言に署名するなど、戦略的に極めて重要な国。長いこと親米路線を堅持してきたハワード首相は、自らも落選。経済も好調ながら敗れたのは有権者の飽きがあった、と分析されているのだから、選挙というのは分からない。
ハワード首相の退陣にともない、親米政権がまた一つ崩れた。欧州ではイラク開戦でブッシュ大統領を支持したブレア前首相、ベルルスコーニイタリア首相が次々と退いた。韓国は、ノムヒョン政権、次の選挙でどうなるかも分からないけれども、とうに親米路線をすてている。南米でも豊富な石油資源を背景にヴェネゼラが反米路線政権になった。あまつさえヴェネゼラはキューバと緊密な関係をとっている。
こうしてみてくると親米から自主独立への動きは世界的な流れなのかもしれない。日本は親米路線の自民党が長い間政権をとってきた。小沢さんの言うように自主・独立路線に切り替えることも一つの選択肢なのかもしれない。憲法9条に固執する、あるいは国際連合が決めればどこにでも派兵することもいとわないなどという、風変わりな議論はひとまずおくとして・・・・。
背景はやはり冷戦構造の崩壊だろう。共産主義と資本主義が対立していた頃、どの国も何時攻められるかわ駆らないという恐怖感があった。国家なんぞ、それが国民を基盤においている以上、その国民の利益団体、と言うことが出来はしまいか。だから戦争だって、勝っているうちは、よその国を侵略しようと、沢山の人を殺そうと、その国と国民にとっては素晴らしいことであり正義なのだ。そうした中で多くの国は、自国の安全を考え、米ソどちらかの陣営につくことを迫られた。
しかし冷戦構造崩壊後、中東は別にして一応の世界平和が保たれているように見える。そしてうまく行けば、これがずっと長続きするかもしれぬ、という考えが頭をもたげてきている。それならもうアメリカのいうとおりになることはない。押し付け民主主義は嫌いだ、との風潮が出てきてもおかしくはない。国際化なんてものがあるから、かえって自分たちの思い通りの国が出来ない、と言うものまで現れてきている。
しかしいわば警察の役目をする国は本当に必要ではないのか。世界中で一応正しいと思われるあの民主主義を守る必要はないのか、との疑問がわいてくる。世界の国はみんなどこかの国の党首がいうように、自国の憲法より国連で決めたことを重視するのか、との疑問がわいてくる。
たとえばかってのクウエート戦争である。石油で潤っている隣国、しかも弱いと侮って攻めいった。またテロである。とにかく自分の宗教観に合わないものはつぶしてしまえ、というテロ思想である。あるいはビルマのような軍事政権にいつまでも恐怖政治を許しておいていいのか。
警察の役を本当に国際連合ができるのか、との疑問もわく。国際連合は寄り合い所帯、と言うものもいる。マンションの住民会議のようなもので、呉越同舟である。そう考えるとまだまだ警察国家としてのアメリカは重要な気がする。日本もどちらかといえば、西欧主義で気に入らない面もあるが、協調してゆくより仕方がないのではないか。
この日本も自分自身を守らなくても大丈夫なのか、との疑問もわいてくる。六カ国会議で一応の平和は保たれているけれど、北朝鮮はもう絶対に暴発しないのか。中国が台湾侵攻を起こすようなことはないのか。日本は石油の多くを中東に依存している。その輸送海域で問題がおこることはないのか。そういった問題に確信がもてるなら軍隊はいらない。軍隊は平和な時代が続くと仮定するなら、所詮ごくつぶしにすぎないのだけれど・・・。
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