最近、荻窪の魚屋が繁盛していないように見える。
夕方時など前はかなり混雑し、その中をお兄さんが売れ残っては困ると値段を訂正して飛び回っていたものだが最近は客そのものが減っているように見える。
「魚離れ」の原因はかなりはっきりしている。庶民にとって肉より高く感じられるから。
確かに安いものもある。鮭の切り身は100円で山積されているし、目指しや干物も安い。しかし同様の金を出すとして鶏肉とどちらがいいか、となるとなかなか難しい。
3日前のこと、魚屋で今ひとつ気に入るものがない、と西友に足を運んでびっくりした。
40センチを越えるイナダが350円となっている。イナダはブリの子供、焼いて食うには油が少々少なく不満。しか刺身にすればおいしい。3枚におろしてもらって持ち帰り、皮をはぎ、後は切り分けるだけ。このイナダが魚屋ではすこし大きい気がしないでもないが700円もしていた。しかしこれはおととい食ったばかり。
これよりやや小さい鯵が出ていた。刺身用として100gあたり58円。この数字は魚屋に比べ3割くらい安いように思う。結局鯵をたたきにして食うことにした。これも3枚におろしてもらうが、いつか計測した時に頭や骨、ハラ、胸鰭などを除くから40-50%になること気がついた。だから食卓に出る段階では100gあたり58/0.4=145にはなるのだけれど・・・・。しかしたたきにするときにはこれにネギが加わるからまた増えて・・・・・。もうややこしい、やめた。要するに100数十グラムは一回の食事のおかずとしての目安だ!
大分前置きが長くなった。実はそのままレジに向おうと思ったのだが、振り返ると目玉商品、子持ちシシャモ一匹9円となっていた。最近シシャモも高い。魚屋では発泡スチロールの箱に麗々しく並べて10匹300円くらいで売っている。随分安い、と感激し、つい20匹入りを買ってしまった。珍しく慎重な私の衝動買い!
今日はガールフレンドのAさんが「すこし日にちがはやいけれど海苔巻きを持ってゆくわ。」というから「シシャモも買い置きがあるからそれを焼いて待っているよ。」となった。
シシャモをガスのグリルで焼くときに注意すること。魚用の網は、鯵などもう少し大きい魚を焼くように出来ているから下手をすると下に落ちてしまう。きれいに網に並べ、ときどき取り出してのぞきながら焼き、適当に焼けたらひっくり返す。一度に10匹焼いたからなかなか慎重をようする。焼きあがり大きな皿にずらりとならべた。
シシャモのラベルにはアイスランド産、と書いてあった。皆、身体を捩り、口を胴の太さくらいまで思い切りあけている。餌を追うためにあけているのか、網から逃れるために悲鳴をあげているのか。とにかく生きたままの姿で、程よく焼かれる。どのシシャモにも、看板に偽りなく卵が一杯に詰まっている。その歯あたりがまた素晴らしい。
しかし一体いくつの卵が詰まっているのだろう。これだけ食うことによって、何匹の生命が失われるのだろう。それにオスもいるに違いない。現地ではどうやってより分けたのだろう。より分けられたオスは、捨てられたのだろうか。Aさんの用意した恵方巻を食いながらいろいろ考え出す。
最近気がつくのだけれど、ヨーロッパから輸入された魚は、安い割に、案外味がよくてうまい。ウソだと思うなら鯖や鱈など買ってみるといい。脂が十分にのっていておいしい。買い叩かれた結果だろうけれど、あちらも日本の北海道同様冷たい海に違いない、そういうところで元気一杯泳いでいた魚だからうまいのだろう、などまた愚考。
シシャモさん、アイスランドからはるばる日本へようこそ、と私は大満足だったけれどAさんは気になることを言う。
「ギョーザが騒がれているけれど、最近セイユーの商品も怪しいらしいわよ。何しろアメリカの何とか言う外資が入ったでしょう。安くすればいいと思っているのよ。」癪に障るから「そうかも知れない、腹のこの辺が随分痛くなってきた、あ、いたた・・・、それにめまいも,吐き気も・・・。」
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