640「春が来た?」(3月3日(月)晴れ)

今日はお雛様、明日からは啓蟄である。漢和辞典を調べたところ、啓蟄の蟄の字は、執の転音が音をあらわし、閉じこもるの語源(窒)からきている、と分かった。なるほど、閉じこもっている虫が啓くから啓蟄だ、と納得。しかし春らしい虫の入っている文字では、蠢くという好きだ。虫二つを春が踏んづけている。とにかく虫もソロソロ動き出そうというこのごろ・・・椿にはチャドクガ対策、セーターにはナフタリン。ついでに虫という字は、蟷螂がこちらを向いているスタイルがもとになったわけではない。「まむし」の形をかたどった象形文字からきているとか、とぐろを巻いて鎌首をもたげているように見える。

日の出が随分早くなり、ラジオ体操にはなかなかいい季節かもしれない。一緒のMさんが妙正寺川側の緋寒桜がもうすぐ開く、と感激したように言っていた。
池の鴨はまだ沢山いる。そのうちの胸の白い一羽が、茶色い一羽をしつこく追いかけている。縄張りに入るな、とでも怒っているのだろうか。茶色の鴨の背中にのっかり、しつこくつっつき、乗っかられた方は水にほとんど沈みそうである。しかしすぐに何もなかったように分かれてゆく。ここまで見ていてセックスをしたのだ、と気がついた。
我が家の木瓜はもう大分咲いている。梅も一輪、二輪咲き始めた。椿はほとんどまだだけれども、「光源氏」の一つの蕾が、まさに開花しようかという様子である。

セイユーの一番安い78円のひなあられカップが売り切れになっていた。昔のように派手におひな祭りをするのではないけれど、子供に教えたい、あるいは子供にせがまれて買う親心の現われか。
節供と言うのは中国から伝わったもので平安時代より前からある。しかしお雛様を祭って祝うという習慣は室町末期あたりかららしい。江戸時代、おそらく中ごろより後になっては太平の世となり、お雛様を売る市が江戸のあちこちでたったとか・・・風俗事典に書いてあった。お雛様といえば、流し雛は海や川を汚すだけではないか、と友人が言った。きれいな表面だけをマスコミは報道して一般受けをねらう。

みな嫁に行き、ひな祭りでもない我が家。それでも少しはその雰囲気を出そうかと小さな毛蟹と桜餅を買ってきた。毛蟹は、ロシア産のものが、日本で取れたものの3分の1くらいの値段で売っている。毒入り餃子事件ですべて国産でないと気に入らぬと考える御仁がふえたのか?桜餅の葉のつんとしたニオイがうれしい。

TVの報道では、マナテイというおっとせいの親類みたいな動物は絶滅が恐れられている。ところがフロリダには3000頭もいる。発電所の排水のおかげで海水の温度が暖かく住みやすいのだそうだ。しかし熱効率の悪い設備を新しいものに変えると温排水の量が減る、マナテイが死ぬのでは、と心配しているムキがいるそうだ。最近、世の中もの見方、考え方でぐるりと変ってしまうと感じる。

陽気な、少し弛緩した感じの日本、しかしどうもさえない。
株が大暴落。米国サブプライムローン問題の結果、円が102円台に3年ぶりに突入した。輸出産業は総崩れである。政治もどこを向こうというのやら・・・・毎日新聞には福田内閣の不支持率が50%を越えた、と出ていた。しかしそれなら民主党に期待できるかというとそうでもなさそう。

周辺に目を転じるとまだまだ人類の平和とかタテマエでは言いながら、どの国も国益中心で動いている。ロシアでは強い国の継続を公言するメドベージェフ氏が選ばれ,プーチン氏とともに強力な資源外交を進めるとか。中国だって、ギョーザ問題一つで分かるように自分の国のメンツに国益、日本もそう大人しくばかりはしていられぬ。
自分の周囲だけを見渡していれば、ごく平和な日本、しかし実際は大海の小船のようなもので一寸先は分からぬ。春はどこまで続くやら?せめて自分の生きている間くらいはと願いたい。

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