南房総に行こうと宿をさがしたところ、鴨川の海光苑と言うホテルが「仁右衛門島が見えます。」とあって気を引かれた。子供の頃、この島の絵を見た事があり懐かしさを感じたのである。それが鴨川シーワールドに結びついた。高速バスアクシー号が東京駅から横断道路を渡り、直接シーワールド前までつれていってくれる。朝からどんよりとした雲が空を蓋い、やがて雨がぱらつき始めた。施設は波が荒れる海辺に這うように配置されている。
「入場料2800円はいい値段、元を取らなければ・・・」と同行のガールフレンドのAさん。30分おきに行われる4つの動物のショーを順に見て回ることになった。
鯨はクジラヒゲを有するヒゲクジラと歯を有するハクジラに分類される。
クジラとイルカは日本では通常体長4m以上のものを鯨、以下のものをイルカと呼ぶ。しかし、分類学上は正しいものではない。4m以下でもクジラと呼ばれるものがいる。
シャチは大きいものは9mにもなるが、クジラ類ハクジラ亜目マイルカ科に属する。インド洋などを含め、世界の海に広く住み、一番早く泳ぐ事ができ、肉食、獰猛で時には本物の?クジラまで襲うらしい。
このシャチを飼っているところは日本では和歌山県の太地町水族館とここ鴨川シーワールドくらい・・・・・。3頭のうち一頭はこの水族館で生まれたとの事、180キロに過ぎなかったが、今では体長5m、4.5トンもあるとか。
身体をくねらせて水の上でもんどりうてば、ものすごい水しぶき、観客が大騒ぎする。イルカほど高くは飛び上がれぬが、器用に落下するときに尾を使って空中にセットしたボールを蹴り上げる。潮を吹く。大きな尾びれを見せる。まさにクジラそのもののショーである。よく食う。芸が終わってくれてやる魚の量がさっきのイルカとは大違いだ。鰯くらいのものを5,6匹ポンポン。
シャチは飼育係の男を鼻の先にのせて池を一周。男は立ち上がった。大人は、生まれて間もない赤ん坊の体重のほぼ100倍、男を50キロとするとやはり100倍近く、これだけ差があれば楽に鼻先に載せる事が出来るのか、餌も100人前に違いないと妙に得心。
ほかに、園内には出来るだけ自然ににせた環境の中に海や川の生物がいろいろ見られるようになっている。しかし見ものはイルカ、アシカ、ベルーガ(シロイルカ)、それにこのシャチのショー。イルカやアシカのショーも楽しめたが、よそでも見られるもの。シロイルカは北極圏、あるいは亜北極圏に住むイルカだが、結構日本で見られるところは少ない。但し芸はせず、ガラス越しに愛嬌のある顔と泳ぎを見物するのみ。
これらに加えてアザラシ、トド、セイウチが飼われている。不思議にオットセイがいなかった。
普段見つけぬ我々にはアザラシとアシカの区別も怪しいもの、少し調べてみる。アシカはアシカ科で、前脚がひれ状に長く、後脚を合わせて四脚で器用に歩く。客と写真を取るときにニヤリと笑う。どうやってしつけたやら。オットセイは同じだが、やや小ぶり、顔つきがほっそりしているはず。アザラシは別の科で、前脚は小さな手のひらの様、後ろ足は伸ばしているだけ、身体をそらせて飛ぶようにして前進する。昨年の夏ごろも海岸などに迷い込んだところを、新聞社が注目し報道したから知っている人も多いだろう。
トドは、アシカ科に属し、アシカ科では最大のものである。仰向いて寝転がっている様子は性器丸出しでなんともだらしなく見えた。セイウチは、セイウチ科でアシカとは種類が違う。海底の2枚貝を吸い込んで主食にするそうで、あの牙はその作業に適しているのだそうだ。ウエブにノド黒飴の広告はトドではなくセイウチ、との指摘があった。
シーワールドだけで半日過ごし、海光苑へ。二瘤らくだのような仁右衛門島が広告どおり部屋の窓からよく見えた。夕食に鮑の踊り食い。固形燃料で炙られて貝殻の中の鮑が「熱い、熱い!」と身もだえしている。所詮人間は勝手なもの、水槽に閉じ込められたシャチもこの鮑もかわいそうなど、ブツブツ言いながら焼きあがったところからお口にポイ!
雨は夜も翌日も降り続いて最悪。仁右衛門島に渡るボートはもちろん欠航であった。
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