675「七夕と洞爺湖サミット」(7月7日(月)(晴れ))

あいにく今日は曇り空である。牽牛と織女の1年に一回の出会いを願うけれども、この時期は梅雨の終わりにあたり、天気が悪いことが多い。
「あと三十年、元気でバカをやらせてください。」
先日、私は渡された緑色の短冊にマジックでこのように書いた。願い事というのは年齢、性別、自分の現在置かれている状況によってずいぶん変わるものだ、と改めて感じる。
妙正寺川に毎年区が七夕の竹を飾る。朝のラジオ体操で、その竹に飾る短冊は、皆さん協力して書いてください、と会長からのお話。短冊を渡されて協力しないわけには行かない。
30年経つと2038年、想像もつかない。今は幸い金も体も脳も、なんとなくうまくいっている。しかし先は、わかるものか。戦争が起こるかも知れぬ、とんだ天変地異が起こるかも知れぬ。

おりから洞爺湖サミットが開催されている。福田首相の花道と揶揄する人もいる。
現場は空や海も含めてものすごい警戒のようだ。遠くでテロが起こることも心配と都庁をはじめ東京でも厳戒態勢。ロッカーまで使えなくしているそうだ。
主要8カ国にアフリカ首脳、主要排出国14カ国を加えた22カ国の参加は34回目のサミット史上最大規模となる。その点では確かに大変なイベントであろう。

テーマはまずは地球温暖化問題。2050年までに世界の温暖化ガス排出量を半減させる長期目標を各国が共有できるか否かにかかっているという。しかしそれぞれのお国の事情が絡み、米国は慎重な姿勢を崩さないし、中国やインドは数値目標の導入に反対してゆく方針のようだ。それに二酸化炭素の排出量を減らして本当に地球の温暖化が防止できるのだろうか。その絶対的な検証が行われているわけではない。
もう一つのテーマは景気減速と原油・食料価格の高騰の問題だ。元凶であるバーレル145ドルを越えた原油価格についても議論したいところだが、原油産出国は、今回は特に招かれているわけではない。後者について、玉蜀黍などをエタノール原料にまわしてしまうから食料価格が高騰するという意見があるがアメリカはその方針を変える気配はない。それどころか影響は軽微である、との見方まで示して防戦する。食料輸出規制の撤廃についてもどこまで議論を進められるか。二つの問題はどのような形でまとめられるか。結局「問題を共有するとの認識で一致し・・・・」などとわけのわからぬ内容で終わるのか。
最後がアフリカの貧困の問題である。TVではアフリカでは6人に1人の子供が6歳までに死に、世界では1日1ドルの収入を得られないものが何億いるとか、としている。しかし実を言えばアフリカの一部では鉱物資源の価格高騰などにより潤っている。問題なのは格差拡大であり、砂漠化であり、食料を作るシステムの問題である。その辺がどこまで議論できるのか。
こうした問題に比べると拉致の問題は、テロ対策で歩調を合わせるくらいで歯がゆい。

いづれにしても「相互に連携しあう地球規模の問題」を話し合うことで、大変重要、成功を祈りたい。北海道はおいしいものが一杯取れる。極上のあわびに毛蟹、アスパラガス、腕に自慢のシェフたちがおいしい料理を作る。間違っても「米国産BSE牛肉」と「中国産ギョウザ」がテーブルに載る心配はない。おいしい安全なものをいただきながら、是非これらの問題の抜本的な対策の議論も行ってほしい・・・・・。

しかし一方でサミット参加国の枠組みに対する議論に注目したい。産経新聞によればフランスや英国が現行の8カ国では地球規模の問題に対処できないとする。米国では「先進民主主義国による会合」との原点回帰を求める一方、中国やインドなしで温室効果ガス対策はできない、との見方も示す。サミットは岐路に立たされているといえる。
牽牛と織姫はつかの間の逢瀬を楽しみながらこの様子をどう見ているのだろう。そして福田首相の言う排出ガス削減の目標年が近づく頃、この地球はどうなっているのだろうか。

(後記12日)  決着が危ぶまれた地球温暖化対策では、「2050年までに温暖化ガス排出量を半減する目標を世界各国で共有し、国連の交渉で採択するよう要請。」ということで一応の決着を見た。ただこの決着に数値目標があるわけでなく、巨大排出国の新興国に削減義務を課すものでもなくなんとも歯がゆい。
一方で景気減速と原油・食料価格の高騰の問題には、国益がむき出しになり、さしたる処方箋を示せなかった。アフリカの貧困の問題も表面的議論におわったようだ。拉致の問題は、G8の関心がむしろイランやジンバブエ問題にあったようだ。そんな意味では「何の成果もなかった」という言い方もなくはないが、それでもこうしてみなで議論している間は平和が続くのだ、と考えれば成功と認めるべきか。

註 ご意見をお待ちしています。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha