684「尻は隠さず北京オリンピック開幕」(8月8日(金)晴れ)

北京オリンピックが開催された。
開催までの話を時系列的にまとめれば、近来稀に見る面白い物語ができるのではないか、と思う。幹部の腐敗、警察の横暴、土地収用にかかわる問題、対外的にはチベット問題等がささやかれる中、すべてを警察の力で抑え込んでの華やかな開催。共産主義の行き着く先は結局独裁政治なのか。オリンピックの後、中国社会はどのように変化して行くのだろう。

夕方のニュースで各国首脳が順番を待って胡錦濤国家主席と握手するために順番待ちをしている様子が放映されていた。
おや、おや、中国得意の朝貢政治の復活か、と一瞬びっくりしたほどである。
アメリカのブッシュ大統領を始め80を超える国の首脳が出席した。前回のアテネ大会では60くらいだったとか。ま、ギリシャと中国では国際政治における影響力が違うから当然の成り行きかもしれないが・・・・・。
中国は、各国首脳を大がかりな歓迎式典に招くなどして、大国として発展する中国の勢いを内外にアピールすることを狙ったとか。しかしどうも「頭かくして尻隠さず」という諺があるが、表面だけのきれいごと重視のようにも見える。
どういうわけか、テレビはブッシュ大統領夫妻、福田首相夫妻は当然として、再婚した夫人を置いて一人出席したフランスのサルコジ大統領を写していた。あのチベット騒動の時にはいったん出席を見合わせるとしたが、カルフール問題などで自国に不利益となるとさっと手の平を返す・・・フランスらしい。
一時期ヨーロッパを中心に北京オリンピックボイコットの動きが出たが不発に終わったようだ。ドイツのメルケル首相やイギリスのブラウン首相、一部の東欧諸国首脳などは、開会式に出席しないが政治的なポーズのようにも見える。

さて日本、天安門事件のとき、天安門事件で中国が国際社会から孤立していたとき、両陛下は中国を訪問された。しかしこれが「中国の西側の制裁を打ち破る最も適切な突破口になった。」とか、政治的に利用された感じがある。今回の北京オリンピックに際しても、二匹目の鰌を狙ってか、中国側からは天皇、皇后両陛下をはじめとする皇族方の出席を要請したが日本は受諾しなかった。日本とすればチベット問題に加えて、二国間で問題のギョーザ中毒問題、東シナ海のガス田日中共同開発問題、などを勘案すれば妥当なところだったかもしれない。
その穴埋めということでもあるまいが福田首相が夫妻で出席したわけである。
一時は出席することで福田首相の辞任が決定的になる、などの報道が流れたようだが、そうなりそうな雰囲気ではない。結果としては出席してよかったのではないか。

しかし中国首脳は各国首脳と何を話し合ったのだろう。
福田首相はギョーザ問題の真相究明を訴えた、というが、別に共同声明が発表されるわけではないから闇の中。それでもこういう機会も利用して首脳同士が親交を深めておけば戦争などは回避されよう、と思えば意義のあることなのかもしれない。なんだか、洞爺湖サミット,WTO会議、そして今回、実りのない首脳の集まりが続いているように見えるけれど・・・。

さて本番は、30000発の花火で開幕、204カ国・地域が参加、過去最大の規模という。演出もあの映画監督チャン・イー・モウとか。1000発のミサイルまでぶっ放して天気を持たせたというからやることがすごい。さぞかし華やかなものと思われたが、私はすやすやと寝床の中。
オリンピックは単純にスポーツの世界で一番、二番を争うだけでいい、開会式なんて両国の花火大会を大きくしたようなものくらいじゃないか、とスネ者の私・・・・・。

今回の北京でのオリンピックを「まだ早すぎた。」という人もいるようだがそうは思わない。スポーツは貴族の遊びではない、豊かな平和な世界だけとは限らない、と考えればそれでいいではないか。「これを機会に中国は人権問題など世界に見られていることを自分で意識するようになるだろう。」という人もいた。それなら返って北京開催は成功で好都合?
東京にオリンピック招致運動が盛んである。その参考にしようと石原知事まで北京に行ったそうだ。仮に実現したとしても北京とは違った考え方のオリンピックを期待したい。

(追加)愈愈競技が始まった。柔道の谷選手が銅メダルで少々残念なスタート。600人近くも送って、いくつ日本はメダルを取れることやら、費用対効果は・・・・余り野暮なことを言うのはやめよう。それはおくとして、米国人旅行者が一人、開会式が終わった8日夜に北京市中心部の観光名所「鼓楼」で殺されたそうだ。凶器を中国人男性が米国人旅行者を次々に襲った結果という。

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