705「胡蜂(スズメバチ)の薀蓄」(9月3日(水)晴れ)

昭和21年頃だったろうか。私たち一家は横浜の家を空襲で焼け出されて、信州の山奥の村に疎開していた。私は5歳であった。食うもののない時代であった。垣根越しに桑畑があり、実を採ろうとしたところ、蜂の巣をつついてしまい、おでこを刺された。ワンワン泣いて家に戻ると、その頃、まだ乳飲み子だった弟を抱いた母親は「蜂の毒にはアンモニアの含まれているオシッコがきく。でない?」出ないと知ると、弟に出させようとした。
新潟県のある寺で、副住職が、竹の棒の先に火をつけ、寺の食堂の押し入れ内にあったスズメバチの巣を焼き払おうとした。ところがスズメバチが逆襲したから、副住職はあわてて火のついた竹を投げ出したまま避難したところ、火災になった、という事件の報道。読者の書き込みには「寺の坊主が殺生をするからだ。」などとあった。蜂も小さいながらなかなか怖い!

関連サイトを開いたところ「スズメバチの生活リサイクル」と称し
「4-5月 冬眠から覚めた女王蜂が単独行動を開始する
9-10月 次期女王蜂の育成と共に巣が大型化し、活発化する。
11月半ばまで活動し、1年経過した巣は空になり、再利用することはありません。」
信州で私をさした蜂は、多分蜜蜂か足長蜂あたりだと思うが、本物のスズメバチに襲われたこともある。中学生の頃、我が家の庭の奥はまだ十分あいていて、連翹が黄色の花を沢山つけていた。そこにスズメバチが巣を作った。手足を隠し、顔をおおった完全武装スタイルで同じように竹の棒の先に火をつけ焼き払ったことを覚えている。

スズメバチについて少し調べてみる。以下ウイキペデイア等から引用すると・・・・・。
一匹の女王蜂を中心とした社会を形成、其の防衛のために大型動物をも襲撃する。4属7種が知られ、日本にはスズメバチ属7種、黒スズメバチ5種、ホオナガスズメバチ4種の合計3属16種が生息している。大スズメバチというのが一番大きく強いのだそうだ。スズメバチはスズメバチ同士でも争う。大スズメバチより小さなスズメバチが追われて、最近都市周辺に巣を作るケースが目立つそうだ。
世界最強と思ったら天敵がいるそうだ。野鳥、クマ、ムシヒキアブ、ハチクマ、ヒト・・・・。
このうち鷹の一種であるハチクマは、スズメバチの巣を攻撃し、巣盤を持ち帰り、幼虫と蛹を雛鳥の餌としている。ハチクマの攻撃を受けたスズメバチは、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑い、毒針を用いた防御行動を起こさないという。
スズメバチは世界一大きな蜂か、と思っていたが、オオベッコウバチという蜂で体長は6cm以上に及びもっと大きい。タランチュラのような巨大な蜘蛛をみつけると急降下し、毒針をかいくぐって、背部や牙の口元に針を通して相手を麻痺させるというからすごい。それを巣に運び、死骸に卵を産みつけると孵化した幼虫が餌にして育つのだそうだ。

スズメバチの鋸状の毒針は、蜜蜂のように「かえし」状の粗大なものでなく、皮膚に刺さって抜けなくなるようなことはないから、毒液が残っている限り何度でも刺してくる。また刺すだけでなく空中から撒布するときもある。撒布された毒液は、警報フェロモンの役割を果たし、仲間を興奮させるため、集団で襲ってくるのだそうだ。
其の毒液は微量の生理活性物質の混合物であり、別名毒のカクテルと呼ばれる。
・ ヒスタミン・・・・炎症作用を持つ。
・ 神経毒・・・量が多いと呼吸不全や心停止の原因となる。
・ ペプチドやたんぱく質・・・アナフラキーショックの原因となる
刺されると約10分後から痛み、かゆみ、患部の炎症と腫れ、体温の上昇等の症状がおこる。一度に大量の蜂に刺され、注入された毒の量が多いと、蜂毒そのものが原因で麻痺がおき、やがて呼吸不全や心停止にいたる。

最後に、「「アンモニア」が蜂刺されに効くというのは迷信で、尿などつけないほうがいい。これは同じハチ目である蜂や蟻の毒成分分析がまだ十分でなかった頃、例外的に、刺針を有しないヤマアリ科の蟻が、蟻酸を大量に含む毒液を水鉄砲のように飛ばして敵を攻撃することが知られていたことから、他のハチ目の毒の主成分も蟻酸であろう、と考えた拡大解釈による。ヤマアリ亜科以外のハチ目の毒には蟻酸はふくまれておらず、アンモニアによる中和効果は期待できない。・・・・(加えて)人の尿に含まれる窒素排泄物はアンモニアではなく尿素であり、そもそも効果を想定しているアンモニア自体、腐敗させて尿素を分解させない限りは含まない」とあった。

後記 TVでハチクマがススズメバチの巣を攻撃するところをやっていた。すごいねえ。

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