杉並区の広報誌など余り見ないのだけれど、今日の一面には「カラス対策賞が決まりました。カラスとの知恵比べにピリオドを!」の活字が躍っていて興味を引かれた。
2月から3月にかけて、見近なカラス対策を募集したところ、74件の応募があり、有効な対策14件を「カラス対策賞」として選定し、表彰したという。
本当にカラスには困ってしまう。わが班も、緑色の網を当番に当たった人がかけるのだけれど、しばしば上手に中味を突っつきだして、往来を思う存分汚してしまう。
今回の応募内容でもっとも多かった対策は、ゴミの容器だしだそうだ。ただ容器出しは容積をくったり、予想以上の多くのゴミが出たときなどは困りそうだ。銀色のシートで覆う、折りたたみ式の囲いを作り、その上にネットをかける、釣り糸をはり、カラスが飛行できないようにする、黒い日陰ネットを利用するなどの提案もあったという。
しかし、カラスはなかなか頭がいい。宇都宮大学農学部杉田教授の研究によると、知能の高さを示す指数がイヌ、ネコを上回っており、脳の重さは約10グラムで、鶏の約3倍あり、脳内の神経細胞密度は、約6倍あるという。
そのせいで広報誌も「いずれの対策も永久に有効であるとは言い切れませんが、いくつかの対策を組み合わせたり、数ヶ月ごとに違う対策を実行すれば、効果を維持することができるそうです。」などと書いている。
いっそのこと、撃ち殺してしまえばいい、と思うのは私だけではないかもしれない。しかし、東京都の出している「カラスに関する苦情相談マニュアル」によると「カラスは鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」により、狩猟鳥獣に定められているのだそうだ。
それによると「カラスが多くすんでいる寺社、森、公道などでは年間を通して捕まえてはならない、その他の地域では狩猟期間中(毎年11月15日―2月15日)に限って、狩猟者登録を受けた者が、法定猟具(銃、わな)を用いて捕獲することが出来る、法定期間以外の捕獲は有害鳥獣駆除による知事の認可が必要になる」
と、まあカラスの人権、いやカラス権を慮ってかなかなかうるさい。
また捕まえたカラスを食用にする、というアイデアは、東北のどこかの県で出たことがあるが、あまりうまくないのか中止になったらしい。
インターネットでその生態について少し調べてみる。
荒らしまわるのは「ハシブトガラス」が主体だが、最近は「ハシボソガラス」も増えているらしい。しかし「オナガ」「カケス」「カササギ」などがカラスの仲間とはしらなかった。
もちろん「タチキカラス」(立ち木枯らす)や「タビカラス」や「ココニシャウヘンスルヘカラス」はカラスの仲間ではない。
カラスは11-3月に、一番大きな群れをつくり寒い冬を乗り切る。3-6月は繁殖期で恋愛、結婚、巣作り、出産、子育てと忙しい。この時期はカラスもわが子が可愛いから、気がたっており、人間がしばしば襲われる…まさに今じゃないですか!
7-10月は幼鳥が巣立ちの時期を迎え、親鳥ともどもまた群れをなして、普通の生活にもどる。親ガラスも一息というところである。
私は、カラス対策が決め手を欠くのは人間が今一歩カラスに対して及び腰であるからだ、と思う。害鳥と明確に定義し、先述の「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」など無視してだれでもとって良い、とでもすればたちまちカラスは減ってしまうのではないか、と思う。
こんな話を聞いた。中国人はカラスを食べるのだそうだ。そして彼らは「我々にまかせてくれればすぐ退治してごらんにいれる。」(この辺、事情を知っている人がいたら教えて下さい。)
行政がそのような思い切った対策をとらないところを見ると、まだ人間にカラスに対する憐憫の情が消えていないのだと思う。カラスの害は大変!、と認識しているが、抜本的対策をとるのは忍びない、そこでこの隣人に穏便にお引き取りを願う対策を募集しているのだと解釈できる。
先日、東村山の近くを散歩した。鉄性の網籠が置いてあった。どこかの業者が作ったものらしく、わりにキチンとしている。本質的には容器式だが、ビニール袋に入れていくつも籠の中に入れられるし、外から見えるから、怪しいものが入れられる可能性も少ないようで、比較的よいアイデアと思った。
堅牢な網籠が問題なのは、常時道路の一部を電信柱みたいに占有している点だ。ゴミだし施設が道路の一部を占有することが許されるのか。ネットをかけたり、折りたたみ式の囲いや移動式ポールに網をかけるなどは、その点を考慮していると思われるが、手間がかかりすぎるように思う。
ここまで考えると行政は、道路とゴミ置き場の関係にも頬かむりしてアイデアを求めている、様に見える。道路の半分も占拠するような、カラス防止機能付きゴミだし装置を設置したら、だれがどういう風に文句をいうのだろうか。
註 ご意見をお待ちしてます。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha