736「私流、天ぷらの作り方」(2月13日(金)晴れ)

1日24時間、3分の1くらいは眠っているわけだけれど、残りのうち3時間くらいを最近は食事に費やしている。3時間、食べているわけではなく、作る時間も入れての話であるけれども・・・・。
朝は、トーストに自家製ジャムをつけ、ハムエッグ、コーヒー、これは一人で準備する。昼は、昔は自分で作ったけれども、最近はスポーツクラブに行くケースが多いので、外で食べるケースが多い。夜は、私基準で言えば本格的。ガールフレンドのAさんが来るケースが多い。

今日は天ぷら蕎麦。蕎麦にしたのは、秩父に旅行した次女がお土産にくれたものがあったからだ。天ぷらの揚げ方も長い間に覚えてきた。
家庭で、特に私のような一人暮らしの身で、天ぷらを作るときの問題点は、料理に使った後の油の問題だ。あれは漉してとっておけば何度でも使える、と母親に教えられた。イギリスに留学し自炊生活をしたときに、この伝を守って何度も使った。するとどろりとして色が茶色から黒っぽく、最後には緑色まで帯びてきた。これは困った、と知り合いの日本人の奥さんに聞くと、呆れた顔をして「すぐに捨てなさい!」
日本に帰って捨てるようにしたが、今度は下水道が詰まってしまった。固めて生ゴミと一緒に捨てられる薬品が売っている、と聞いてそれを使い始めた。しかしその薬品が結構高いし、大量の油を1回使っただけで、捨てるのはいかにももったいない気がする。天ぷら以外に私は朝のハムエッグを作ったり、炒め物をするときに油を使う。そこで1度使った天ぷら油はそちらで再使用し、腹の中に収めてしまおう、と考えた。この方法はいいのだけれど、天ぷらをする時期と、その他に使う油の量のバランスが問題。実は今日天ぷらを作ろうとした裏には、ちょうどそちらの油がなくなってきたからである。

そんなだから家庭で天ぷらを作る場合、出来るだけ油を少なくしたい。天ぷら用の大きなフライパンになみなみと入れたりしたら、後から使いきれるものではない。一番小さい鍋に油を入れる。加熱する。箸をいれて回りにすぐ泡の立つくらいの温度、さらに衣にする液体を一滴落としてすぐに浮かび上がるくらいの温度に調整する。具材をひとつづついれる。つづけてどんどん入れると油温が下がってしまい、からっと揚がらない。私は天ぷらを上手に揚げる一番のポイントは、この油温であると思う。
今日は作らなかったが、先日は小エビの掻揚げで苦労した。なかなか一つに纏まらない。網の杓子にすくって入れると纏まるが、下のほうがべっとりした感じに成りがちだ。液体が下にたまるから、温度が早くあがらないのだ。衣にする液体を氷で冷やしたり、あるいは酢をいれたりもした。しかしいづれも十分な効果は上がらない。結局油温を十分に上げておき、材料は少しづついれてゆく、大きいものを作るには、其の上に次の具材を載せるようにいれていけばいいことが分かった。

話が逆になりけれども、衣も問題だ。分かりやすいテキストを見つけるのに苦労したが、辰巳浜子の書いた本の卵:水:小麦粉=1:2:3を採用している。卵は60-70gである。この基準は、ややかためになる。状況に応じて若干水を加えて微調整する。小麦粉を篩うといいが、少々だまがあっても製品には関係しないようだ。市販の天ぷら粉は何度か使ったが、やっぱり少し味が落ちる。
材料の下処理も重要。海老は殻を取り、背の筋を抜き、ひっくり返して肉に切れ目を入れて筋を切り、尾の部分にたまった水を除く。尻尾をもちあげて衣にする液体をくぐらせ、揚げればいい。野菜は、揚げるという観点からは薄いほうがいい。天ぷらを揚げるは、本来は衣を揚げるくらいの感じで、油で具材を加熱する時間は、控えめにした方がいい。しかし野菜の、たとえば芋やかぼちゃの甘さを目立たせるためには、少し厚いほうがいいから、兼ね合いが問題。今日は海老、野菜のほかに「ちか」をあげた。北海道産の海で取れる公魚という感じ。これも同じ考えで、大きなもののみ腸をぬいた。

次女のとろろ蕎麦もおいしく、なかなか豪華な夕食になった。「お店ではこんなに沢山は天ぷらがでないわね。」とAさんもご機嫌だったが、鍋に残った油を眺め「この油、どうするの。もう一回使うですって・・・・。このうちでは揚げ物は遠慮するわ。私は貴方に較べて胃腸が弱いのよ!」と手厳しい。もったいない気持ちも強く、これからの研究対象?

ときどき天ぷらチェーン「てんや」で昼飯を採る。目の前で揚げた天ぷらをのせた天丼が500円。海老は小さいし、野菜は「うすうす」だが、なかなかうまい。特に揚げかたのうまさに拍手を送る。しかし油槽は十分に大きいし、温度管理もきちんとされているようだ。あれだけの設備があれば出来るが家庭では難しい、と言い聞かせながら味わっている。

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