739「入らぬお風呂場大改造」(2月19日(木)晴れ)

家では風呂に入らない。こう書くと不潔に聞こえるけれども、平日スポーツクラブに行き、そこで風呂に入るから家では入らなくてすむのである。
戦後の風呂は、銭湯、自宅で風呂に入る、そして私のように外ではいる、に変わってきているようにも思う。何しろ外風呂は我が家の風呂より広いし、設備はいい。それに知り合いも出来、時には話が弾み楽しい。
その私が、我が家の風呂を改造する気になったのは、弟と高校同期のA君の家の風呂場を見せ付けられたからである。どちらも最近改造し、洗面は新しく、風呂はユニットバスが入り超清潔でホテルみたい。もう一つの理由は、我が家の風呂場の一部に漏水があるらしく、洗面の床がぽこぽこし、今にも抜けそうな雰囲気になってきたから。
今まで我が家は、昔ながらのバランス釜。加熱しながら風呂に入り気持ちになり、ふと眠気を感じる。溺れてしまうことも心配だが、湯温センサーはついていないから、意識を失って煮えてしまわないか、と気にかかる。一昨年大型の給湯器を屋外につけたから、それを使って風呂場を改造しようとしたところ、筒井工務店が、落とし込みのユニットバスを推奨した。「あれは水漏れの心配がありません。」。煮られる心配もないと私は胸の中。

Wikipedeiaで調べると、ユニットバスは
「浴槽や浴室の床・壁・天井等を工場で生産し、現場で組み立てるシステム。1964年のホテルニューオータニの建設を東京オリンピックに間に合わせるために開発された工法といわれている。
それまで複雑だった浴室の施工が組み立てだけで終わる。もし漏水をおこしても、修理が簡単である等メリットが多いことから、戸建て住宅の多くが採用している。最近では浴室乾燥システムやミストサウナなど、浴室を別用途で利用したり、省エネのために浴槽の温度低下を防ぐため、浴槽断熱や浴室の床・壁・天井に断熱材を使用することから、複雑形状が作れ、耐水性の高いEPS建材の使用がふえている。」
今回施工の日立製品の躯体はEPSではなく、石膏ボードに厚さ2mm?のスチール版を張り合わせたもののようで、ポリスチレンを使ってはいるわけではない。
72年頃、父が敷地にアパートを建てた。其の頃もうすでにユニットバスになっていた。そんなことを考えて工事を承知した。

今日は、そのユニットバスの据付。既存の風呂場にこれを取り付けるのは大変だ。
我が家の風呂は、洗い場に較べ、少し低いところに風呂を設置してある。そのためまずコンクリートをはつって高さを均一にするところからはじめる。昨日まで工務店の辺見さんが朝から晩までブレーカを使っていた。書斎に居てもたまらぬ音であるから、私は喫茶店等に逃げ出した。もっとも家の中に大工が入りしかも戸締りが出来ぬ、というのは困りもので、其の対策には少々頭をひねったのだけれど・・・・。
ユニットバスの壁の部分が風呂場に持ち込まれる。我が家の風呂は北側に窓があるから、あらかじめ切り抜かれている。工事はまるでプラモデルの組み立てである。それはそうなのだが、ずいぶん時間がかかる。壁を床の周囲に固定しながら一つづつ組み立てて行く。3時頃喫茶店から戻ってくると、まだ半分くらい取り付けた程度。
接合面にすべてコーキングを施し、風呂桶をいれ、流し台と鏡を取り付け、蛇口を取り付け、ドアを取り付け・・・・、5時半終了予定が8時過ぎまでかかってしまった。

後記(2月26日) やっと完成。手前の洗面の改造を行い、ユニットバスを入れるために壊した壁はきれいにした。床を張替え、洗面ユニットを新しいものに交換し、洗濯機の位置も変えた。大工、ガス屋、水道屋、電気屋、器具屋・・・・・水回りの工事にはあらゆる人が必要だ。最後になって大工が言った。「あれ、追い炊き機能があるんですね。戻りの配管をどうしますか。」湯沸かし器を設置したときに、風呂場までお湯の配管をしておいたのだが、戻り管を忘れていたのだ。少し出費になるが、この際だからやってしまうことにした。白を基調としたモダンな出来上がり。気にいった。「じゃあ、今晩入ってみる。」というと大工は「大丈夫ですよ。漏りはしません。」私は「新しいものが出来て試してみたくなるのは当然だろう。」

この家を建てたのは40年近く前、公庫で融資を受けられる最大限の広さ36坪にし、費用は1200万円余りだったと記憶している。筒井工務店に頼んだのは、二代目が小学校同期だったからだ。最後に少々追加工事を頼んで、強引に負けさせたところ「ま、家は建てただけの金が其の後かかるというから、これもサービスの一環。」と苦笑した。
5年位前に彼は亡くなった。彼の言ったとおり、屋上の防水塗装塗り替え、洋間の床張替え、クロス張替え、今度の工事など、私はもう半分くらいは出費させられたように思う。

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