744 「なんでも平等と尊敬」(3月12日(木)晴れ)

新宿の小さなスナックで行われる高校同期の集まりに参加。
私が4人目、遅れてA君がやってきた。
「よう、クラス会にはこいよ。君の天敵は今回は欠席だよ。」「行く行く、近況報告欄にどういう名文を書いたらいいか考えていたよ。」
天敵というのはB君のことである。A君はB君の役人風が気に入らぬらしい。
「一人住所が変わっていて開催通知が戻ってきたのがいる。」「同窓会事務局のDさんに聞いたらいい。」
「同窓会といえば俺はあの有名人主義が嫌いだ。有名俳優の**なんかもう引っ込んでもらう時代だ。」「いや、もう1回かそこらで引っ込むさ。」
「ところで俺は終身会員になってもう会費は払わなくていい、と思ったのに、まだ請求書が来る。最初の約束と違うから訴えてやろうと思う。」「訴えにはならんよ。大体同窓会の会費は義務じゃない。それが何より証拠に会報は会費を払わなくても送られてくる。」「そういう話になると形勢が悪い、俺は最初から払っていない。」「払っているやつは全体の半分くらい。年寄りのほうが払う率が高く、若い人は払わない。」

話頭はどんどん変わる。
「小沢さんはどうしたんだい?済州島を返せ、なんて。」「彼はもうだめさ。」「しかし小沢さんも麻生さんもだめとなったら一体誰がいいんだい。みんな小粒だ。」
「国民は金で左右されない政治家を望んでいる」「きれいな政治家なら与謝野さんか、岡田さん?」「与謝野さんじゃこの国は纏まるまい。」
多少金のにおいがしても、リーダーシップのある政治家ならそれでよしとするのか、あくまでクリーンな政治家を求めるのか議論は平行線。

「しかしマスコミもひどいものだ。漢字の読みが間違ったからとはやし立てる。」「自分はあれほど英語が出来るわけでもないのに。新聞記者どもは、たまたま自分の知っている漢字が読めなかったからといって常識がない、と書き立てる。」
「そんなことを言ったら誰も何も非難できなくなるじゃないか。」「常識の範囲が個人個人で違うのさ。」「近頃「日本語がほろびる」という本が出て話題になっている。作者は夏目漱石の「道草」続編を書いた女性だ。彼女は新しいものばかりはやって「夏目漱石が教科書から消える」と嘆いている。」「消えてもいいのかも知れぬが、新しいものとは何だ。」「代表的なものがケータイ小説さ。」「あんなものは文学じゃない。」
よろん、というのは世論と書くのがただしいいのか、輿論と書くのが正しいのか、との議論。これに関連してA君が「漢字は呉音からきたものと漢音から来たものがある。それは統一して読むべきものだ。このように・・・・」と実際に例を挙げて説明するが「そんな風にしゃべったら誰もわからん。」でチョン。

「しかし麻生さんの漢字はともかくも財務大臣の居眠りはやっぱり許せないなあ。」「眠ければ記者会見に欠席すればいいんだよ。」「しかし酒に弱い日本人にはつらいね。おれなんかヨーロッパに出張したときには到着するとすぐアルコールつきの昼食で参ったものだ。その後の現場説明、よくガスタンクから落ちないですんだ。」「けれど酒を一滴も飲めなくても商売ができるものさ。そう決めればいいんだ。」「ところがみな中途半端でちょっとだけは飲みたいからいけない。」・・・・財務大臣に対する同情論は余り聞かれなかった。

金でものを考えるのも困った世の中だ、という話。
「何でも平等主義がはびこっている。先輩も学校の先生も極端には両親も平等・・・・。その結果尊敬する対象がなくなっている様子なのが問題だ。」「みんな平等さ。無くなっていいじゃないか。」「そうは行かないさ。ラジオ体操の指導をしているが、子供がまじめにやらない。怒ると「やらなくても自由だ。」という。「先生はまじめにやっているじゃないか。」というと「先生はどこかから金をもらっているんだろ。」」「俺だったらそういう時「親を連れて来い」という。子供は親の世話で生きている。」「ところが親がその考えなんだ。きっと学校でも起こっているに違いない。教えていただく、というのと、金を払って教えさせてやるでは大違いだ。後者には尊敬の念がわきようがない。」・・・・・一方で権利、義務、平等、民主主義を教え、一方で尊敬を教える、答えはどちらか一方という極論には無いのだと思うけれど難しい。

「おい、阿笠とCが財務大臣になってきた。本当に酒に弱いなあ。」ということで1時間半余りでお開きになった。しかし今日は全体荒れることもなく紳士的なお話。酒好きのA君はもう少し飲んでゆく、と残ってゆく風情。

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