(7日説明会の記録より)
B級審判員の資格を取ったために、東京陸競から第3回東京マラソンの審判員を委嘱された。従来東京国際マラソンが開かれていたが、ニューヨークやロンドンで開催されている市民参加型の大規模なシテイマラソンを開催したいということで、2007年に実現した。石原都知事の肝いりで、オリンピック招致が目的、選挙対策などかまびすしい議論があるが、それも3回目、過去2度の成果は高く、世界5大マラソン(ロンドン、ボストン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)のレベルに近づいた、とも言われる。
市民全体で行うマラソンが趣旨のようで、ボランテイアの参加が多い。8000人とも聞いた。彼らはランナーへの給水、コース(沿道)整理、スタート・フィニッシュでの誘導、手荷物預かり・返却などを行う。主催者、警察と共に彼らとの連携が重要。
コースは、東京都庁を出発し、靖国通りを西に進む。日比谷公園が10キロのフィニッシュ。フルマラソンの選手は、ここを右折して南下、品川で折り返し、再び日比谷公園に戻るがこの辺が中間点。銀座4丁目を左折、日本橋、茅場町の交差点を経て浜町中の浜、隅田川沿いに並木通りを北上、あずま橋を渡り、江戸通りに出て、銀座4丁目に戻る。さらに東に行き、ゴールは東京ビッグサイト。東京の名所を見てまわる感じだ。
(22日)
服装に迷った。空はどんよりと曇り、今にも降りそうな気配、天気予報も早ければ午前中から雨になるといっている。支給されたビニール製のムウムウみたいな服は、どの程度防水効果があるか分からない。結局黒いジャケット、鞄に安手のレインコートとそのムウムウ、帽子を鞄にいれた。茅場町の7番出口が待ち合わせ場所。8時前に到着すると、もう二人ほど来ていた。それに黄色い同じようなジャケットをきた銀座日本橋区だけで34人のボランテイア交通整員、給水所にはまたべつに30人くらいの青い同じようなジャケットを着た係員。
往路、日本橋方面から来た選手は茅場町7番出口側コーナーを左に曲がる。23.56-23.81kmのところ。復路、あずま橋で折り返し戻ってくる選手は向かいの岩井証券角で右に曲がり、銀座4丁目をへて、ゴールのビッグサイトに向かう。31.91-32.18km地点。私の担当する場所である。
交通規制が始まり、路上にコーンが並べられる。大会関係車両が数台行き過ぎる。中に1台大きく燃料電池車と書かれたものがあった。時代の流れか。
10時半頃、拍手が聞こえ、向かいの交差点を、車椅子ランナーが一人猛スピードで駆け抜けて行った。よほど腕の力が強いのか片手でウイールをまわしている。
まもなく男子トップグループが20人くらいの集団で駆け抜けてゆく。今回は出走メンバーなどが掲載されたパンフレットをもらっていない。新聞もそれほど大きく取り上げていない。そのため私はほとんど予備知識なし。一体誰が走っているのだろう。エリートの女子が中に紛れ込んでいる。なかなか区別できぬ。車椅子ランナーは一般選手に較べて5分早くスタートし、スピードも出るから先に到着したが、遅れて一般ランナーと一緒になる場合もある。
やがて参加者35000人を実感し始める。陸続とランナーがやってきてとどまるところを知らぬ。ここからあずま橋で折り返して戻ってくるまで約8キロ、30分強。車椅子ランナーの後、男子のトップがもどってきた。黒人二人が先に着き、少し遅れて日本人だった。
しばらくして「高岡だ。」有名だから分かっている。ずいぶん苦しそうな表情をし、もう歩きそうな様子だ。やがて二人の女子ランナー。後ろのほうで「あれ、誰?」「知らない。」という声。しばらくすると「土佐よ。」の声。あのオリンピックに出た土佐礼子だと気がついた。こちらは高岡ほどではないけれど随分苦しそうな表情をしている。
選手は次々と私の前を通過してゆく。向かいの往路もまだ選手が続いているが、みな大分スピードが落ちてきている。この頃になって「これはお祭りだ。」と実感する。被り物をした選手が次々に通り過ぎるからだ。牛のぬいぐるみを着たもの、猿のぬいぐるみを着たもの、看護婦スタイルの者、和服の者、水戸黄門、駕籠かきスタイルの者、「憲法9条を守ろう」とののぼりを担いだもの、矢印を掲げたもの、いろいろある。オバマ大統領のお面をかぶった者もいたということは後で知った。
もうこの辺に成ると順位なんてどうでもいい、という様子。後ろでフランス人らしい一団がなれぬ発音で「ガンバレ!」と声援をあげている。すると若い選手がいきなり飛び込んできて声援しているフランス人女性にキッス。別の日本人ランナーは友人を見つけるや持参のデジカメをわたし「写真に撮ってよ。」。こういうのはルール違反なのかどうか・・・・知らぬ、勝手にやってください、というところ。芸能人も走っているらしく喚声があがっていた。
ブロック長さんがうしろをあわただしく走ってゆく様子が見えた。後になって一人倒れたものがでた、救急車で運ばれメンバーの一人が病院まで着いていった、と知った。
最後の方はもう夢遊病者のような者も交じり、あと10キロと聞いてため息をつく者も多い。2時半前に収容車その他が現れ、道路は規制解除。コーンも手早く片付けられ無事終了。雨は降ったがたいしたことはなく、楽しい市民(都民?)のマラソン大会であった。
速報に寄れば、男子はケニアのサリム・キプサングが2時間10分27秒で優勝した。初マラソンの前田和浩(27)(九電工)が2時間11分1秒で日本人最高の2位になり世界陸上代表に内定。引退レースの高岡寿成(38)は途中棄権したそうだ。茅場町で走っていた3人はケニアのサリム・キプサング、サミー・コリル、高橋謙介だったようで、前田はこのうち二人を、後に抜いたようだ。女子は那須川瑞穂(29)(アルゼ)が2時間25分38秒で優勝、佐伯(さはく)由香里(20)(アルゼ)が2位、この試合が引退レースの土佐礼子(32)が3位、同じく引退レースの弘山晴美は10位だったそうだ。
東国原宮崎県知事、かってスキーで鳴らした荻原兄弟、元野球監督の古田敦也、芸人の猫ひろし、そのほか女子アナ、モデル、格闘家など参加した、と報じられているが気がつかなかった。猫ひろしの記録が中では一番良く3時間18分52秒、アマチュアの目標はサブフォー、つまり4時間以内とか、それを思えばたいしたものである。
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