ひどく暖かい日が続いた、と思ったらここのところ急に寒い日が続いている。
3分ばかり咲いた桜も、一休み。しかしこの分なら桜が長持ちするかも知れぬ。
五体満足な一人暮らしをするとき、一番大切なのはいかに食べるか、ということだ。下着は少々洗わなくても済む。TVは見なくても済む。運動はしなくても済む。しかし腹が減っては・・・・。
冷蔵庫を覗く。料理をおいしく作る一番簡単な方法。インターネットや料理本で調べて、よいと思うものを選び、レシペ通り料理することである。このレシペとおり、というのがなかなか大変である。大抵の場合、少しづつ何種類もの材料を使い、わざわざややこしい方法が書いてある。しかしそこには何か理由がある。一方自分の都合でいつも気になるのが消費期限や賞味期限。そのすべてに目配りしながら使うのはなかなか難しい。
クラムチャウダーを作ることにした。ハウス食品の「クラムチャウダー」のルーがあったからだ。
それに牛乳の賞味期限が昨日で切れている。昨日で切れたくらいで捨ててしまうのはまだ料理に慣れていない証拠。基本的には煮沸して固まらなければいいと考える。しかし本当のところどのくらい使えるかは分からぬ。
キャベツは芯のところが残っている。でも必要量は50g、それなら何とかなる。
ないのはベーコンとアサリのむきみである。アサリのむきみというのは昔は良く売っていたが、今は余り見かけない。スーパーに行く。すると何とシアワセなことに隅っこの方にパック入りのものが置いてあった。中国産である。おとといパックして賞味期限は今日まで。どこで茹でたのか、どうやって輸送したのか、どこでパックしたのか気になるが分からぬ。毒入りギョーザ事件にならなければいいが、と思いつつ、買い物袋に放り込む。
次はベーコン。ベーコンと薄切りロースハムはどう違うのだろう。よくわからぬ。安物の薄切りロースハムは水で増量してあるらしい。焼くと少し縮んでしまう。それにあのベーコン特有の風味がない。
本当は料理に使うベーコンなど、どばっとした塊がいい。しかしみな朝食用にスライスしてある。
私は単純、少量で単価の安いものがほしい。最近は消費者のことを少しは考えて100gあたりの値段が計算して書いてある。結局100gあたり150円程度のスライスものを買った。普通の豚肉でも100gあたり100円以上するから仕方がないか。
鍋にサラダ油をひき、野菜とベーコンを入れて作り始める。アサリは最後に入れる。
クラムチャウダーという料理を始めて知ったのは、ボストンに出張したときであったと思う。いい匂いがした。次にどこかで注文したとき、まったく匂いがしなかった。メニューを見直してみるとクラブチャウダー、その食堂特性のチャウダーらしかった。
英語の能力不足の私は、そういえば蟹もクラブだったなあ、など思い出す。
クラム(clam)は英和辞典にはハマグリの類の貝。
この場合は二枚貝のチャウダーくらいに考えればいいらしい。
ウイキペデイアで調べると牛乳や生クリームで伸ばした白いものがニューイングランド風、コンソメ、水、トマトピューレで調理した赤いものをマンハッタン風と呼ぶとか。もっとも最初はどれも入れずに清汁仕立てであった。これをロードアイランド風と呼ぶが、観光客に売れぬから最初の二つを考えたとか。私の知っているものはもちろんニューイングランド風。
単なる貝のスープであるのになぜルーを買ったか。新鮮な貝の煮汁をふんだんに使えばそうでもないのだろうが、素人ではなかなかあの匂いがうまく出ないのである。むきみは今日の中国産もそうだが、一度熱を通し、煮汁は捨ててしまったわけだからにおいがつかない。アサリは熱を通さねば早く腐る。そこでクラムチャウダーを想定して売ってはいない。そのままでサラダにどうぞ、と書いてある。
ルーの原材料名を見る。食品添加物のオンパレード。帆立貝エキス、海老エキス、アサリエキスあたりが匂いの元らしい。乾燥させて粉にしたものを混ぜるとどこかで聞いた記憶があるが、煮汁を使うのかも知れぬ。とにかくこのルーを使うと、なかなかいい味に成る。もっともいい匂い、味と感じるだけで、本当のクラムチャウダーとは違うのかも知れぬ。その辺は消費者は分からぬ。
夕食、ガールフレンドのAさんがやってくる。彼女が持参してくれた炒め物の料理と一緒にうれしい夕食。独り者はまごまごしていると第三者と話すのが今だけ、なんてことになりかねない。クラムチャウダーはなかなか好評だった。食事もデザートも終わり、彼女が帰ってゆく。トイレに行った私は、腹を押さえてみて中国産アサリでも腹をこわすことはない、と一安心する。
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