752「また漢詩もどき」(4月11日(日)晴れ)

高等学校同期による「いちに歩こう会」というものが開かれた。終日雨で体の芯まで冷え切った3月初旬の下見のときと、打って変わって初夏を思わせる陽気。桜はもう散っていたけれども、大変楽しいウオーキング。ただしみな67歳、よる年波に勝てぬか、わずか11キロのコースだが、よろよろに成るもの、頭がくらくらしてしゃがみこむものなどがでた。

下見のときに詳しい日記を書いたので、それを抜粋しながらコースを紹介すると
「京王線桜上水駅前、団地の中をぬけやがて北沢川緑道。
羽根木公園は、全体として丘状。かって根津財閥の所有地で「根津山」と呼ばれたが、1956年に都立公園として開園し、1965年に世田谷区に移管され区立公園になった。梅で有名。
北沢川は、世田谷区上北沢付近に源を発し、赤堤、代田、代沢、池尻を経て、世田谷区三宿付近で烏山川と合流して目黒川になる。約4.3km。二級河川。水の少ない川であったが1688年江戸幕府から玉川上水の分水が認められて現在も残る水路が作られた。下北沢村の開拓に密接な歴史を持つが、現在はほぼ全域が暗渠化され上が緑道化されている。
下水道局落合水再生センター(下水処理場)で水質を向上させた再生水によりせせらぎが復活している。淡島通りまでは桜並木約150本が咲く桜の名所になっている。しばらく行くと烏山川緑道との合流地点。これから先は目黒川と名前を変え、天王洲アイル付近で東京湾に注ぐ。大橋まで暗渠化されていて緑道が続き、それ以降は開渠となっている。
烏山川は世田谷区北烏山付近に源を発し北沢川と合流する。延長11.7km、二級河川。1970年以降源流域の一部を除いてすべて暗渠化され、下水道烏山幹線として利用されている。こちらは北沢川に較べて広いけれど、せせらぎ等はなく趣にはやや乏しい。

二つほど寄り道。松蔭神社は、吉田松陰を祭神とする神社。同じ名前の神社が生誕地である山口県萩市にある。安静の大獄で刑死した松蔭の墓は小塚原回向院にあったが、門人高杉晋作等によって4年後当地に改葬された。明治15年に墓のそばにこの神社が創建された。現在のものは昭和2年から3年にかけて造営されたもの。松蔭50年祭に寄進された灯篭には伊藤博文、木戸孝正、山県有朋、桂太郎、乃木希典、井上馨、青木周蔵などの名前が刻まれている。
豪徳寺は、山号を大渓山といい、曹洞宗寺院。1480年の創建。江戸時代に彦根藩主井伊直孝が井伊氏の菩提寺として伽藍を創建し整備した。寺院名は直孝の戒名、寺内には幕末桜田門外で暗殺された井伊直弼の墓がある。
山門をくぐると最近作ったばかりの五重搭が左にそびえる。ここはまた招き猫発祥の地とされる。井伊直孝が猫によりこの寺に招き入れられ、和尚の法談を聞いたことを、喜んだと言う。招猫観音を祀る「招猫殿」を置く。其の横には願いが成就したお礼として、数多くの招福猫児が奉納されている。いづれも右手を上げた素朴な白い猫。あるウエブサイトに「一般には右手を挙げている猫は「銭を招くもの」、左手を挙げている猫は「客を招くもの」」とか。」

ところでこの会ではお題が出され、皆思い思いのことを書く。今回は「最近思うこと」。それを私はまとめる役をおおせつかった。世の中を憂えたもの、自分の将来を心配したもの、みな思い思いの作品。中には正直に「あと17年で80歳、どうしよう」と書いたものまで。私自身は性懲りもなくまた漢詩もどき。

詠近時思事    最近思うことを詠む  
歩終傾盃憂将来  歩き終えて、杯を傾け、将来を憂える
政治経済我肉体  政治、経済、それに(衰え行く)私の肉体
環境汚染大浦洞  環境汚染、テポドン
秘願墓迄平穏内  秘かに願う。(私が)墓に入るまでは平穏であってほしい。
・・・・・ テポドンは大浦洞と書くのだ、と某君が教えてくれた。それにしても自分さえ良ければ、子達のことは知らん、なんて随分独善的だなあ。

驚真白鼻毛詠   真っ白な鼻毛に驚いて詠む
夜更独楽般若湯  夜更けて一人酒を楽しむ。
子達独立妻既亡  既に子達は独立、妻は他界し、私はたった一人だ。
遠聞救車発騒音  遠くで救急車のうるさい音が聞こえる。
雖春恐怖忽然倒  春ではあるけれども突然倒れることを恐れている
タイトルがひどい。鼻毛の話なんか漢詩のような高級なものでするべきではない?

中国人が見たら笑うだろうなあ。漢詩は中国でうまれたもの、だから本当のところは中国人でなければ分からないのだと思う。しかし分からない日本人が自分流に作り直して楽しんだっていいじゃないか。ちょうど漢字を日本流に工夫したように・・・・・。

註 ご意見をお待ちしています。
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読者から次のようなメールをいただきました。

漢詩もどきを小生もつくりました。
これは本人が楽しければよいと言う程度で考えるべきでしょう。

   偶然発見明鏡裏
   悄然独立老醜翁
   問彼何故纏我服
   不終返答唯寂笑

偶然鏡の中に汚らしい老人をしょんぼりしているのを発見しました。
彼に何で俺の衣服を着て居るのか聞きました。
彼はついに答えもなく唯寂しく笑って居るだけでした。
これではすこし寂しすぎますかねえ。