連休明けというのに低気圧が停滞し、はるか南方洋上には早くも台風、うっとうしい天気である。しかしアメリカの影響をうけて株が少し反発しているからいいとするか。
夜、TV/NHKで、これからの日本というような題で、結婚のあり方を多くの人が論じていた。中でも司会席に座る東大卒女優の菊川怜と、参加者に呼ばれている遙という女性文筆家の議論が面白い。遙氏を、私は知らなくて、後で調べたところ、「遥洋子:1961年生まれ、大阪府出身の作家、フェミニスト。武庫川女子大卒、テレビやラジオで活躍した後、東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム、社会学を学んだ後、「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」なるベストセラーを書いた。(編集)」とあった。
結婚相手に女性は、実に60%以上が年収400万円以上を条件にしているのだそうだ。北海道で自営しているという男性が「そんな高収入な人はいないから、北海道では結婚できない。」との発言が面白かった。「結婚は二人で作るもの、二人合わせて年収500万でも600万でもいいではないか。」という発言には共感できた。医者をやっている女性は「収入にはこだわりません。ちゃんとした人なら、私の収入でやっていってもいい。」という発言は、自分の子達のことを思い出した。女も一人で生活できる自信を持っているものは強い。
菊川氏が「大体、みんな、考える順序が逆になっているんじゃない?まず愛があって、その上で収入のことを考えるべきじゃない?」これはまさに正論と思えた。
面白いアンケートが発表された。40代以上で、男が外で働いて収入を得て、女は専業主婦として子育て、介護等で家を守る、という考えは、年齢が若くなるほど否定的であった。ところがさらに若い世代では逆に肯定的になり、保守的な考えに回帰している。「40代くらいまでは自分の道を開こうと頑張ったが、やはり世の中はオトコ社会だ、その結果、社会がそういうことならそれに合わせて生きればいい、ということになった。」と遙氏ががなりたてる。
ただ女医氏が「やはりオトコ社会で、緊急や当直があり、それらは結婚や出産という事態になってもなかなか考慮してもらえない。」との発言に、菊川氏も「そのようなことを受け入れる社会であってほしい。」と共感していた。そんな中で「結婚はやはり家を守るものである。」というごく当たり前の高齢者夫婦の考えは、無視されていた。
フランスでPACSという制度が導入されている。異性との共同生活を認めるもので、夫婦と同様の税制上の優遇措置が認められる。それぞれ自分の姓をなのり、一方が契約を解消したいと申し出れば破棄出来る。ただ契約後に獲得した資産は共同所有になり、内縁関係に較べれば規則が厳しい。フランスでは結婚数はここ十年来あまり変らないが、この制度の利用者は増えている。ただ別れる率も非常に高いのだそうだ。一方で出生率はこのおかげか、一時期よりぐんと回復し、今では2を超えてきたとか。
フランスでは、子を産みやすくなると賛成する意見がある一方、分かれたいときにはいつでも別れるということでは社会のありようを根本から変えてしまう、との反対意見もあるとか。
この制度について男性、女性共に賛成、反対が拮抗した。
価値観が多様化されている。結婚についても各自の思いがあり、一概には言えない、このような制度があってもいいではないか、との話は頷けた。
他に「子達はどう思うか。」という議論。やはり結婚した仲の良いお父さん、お母さんに大事に育てられることを望んでいるのではないか。私自身は「親たちのありようを子供たちは見ている、親が中の良いカップルであれば自分も結婚したいと願い、母親から父親に対する不満ばかり聞かされていれば「私は結婚なんかしない。」と思うようにあるのではないか、特にこの傾向は女の子に強い。」と考えている。
若い夫婦が「夫婦で喧嘩をすることもあります。しかし原則夫婦は逃げ場がない。自分たちで何とか問題を解決していかなければならない。」それは別の男性が「結婚は判子をおせば簡単に出来る。しかしそれにはそれだけの覚悟がいる。」との発言とあわせて印象に残った。
今私は高等学校のクラス会の準備をしている。67-68歳、何人かの女性から介護で忙しいだの、やっと亭主がなくなって開放された、など近況報告が目立った。みんな覚悟があったから、ここまで来られたのだろうなあ、と思った。
PACSのような制度を作るのも一つの答えかもしれない。しかし国家全体としてみれば、税金を国家がより好ましいと思う方向に使うべきである。まだ家という考えが残り、介護ですら家庭に頼っている現状を考えると、夫婦という考え方をやはり重視し、その中で子を育てやすいあるいは作りたくなるような環境を整えてゆくべきである、と感じる。
註 ご意見をお待ちしています。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha