盧武鉉前大統領が自殺した。62歳。慶尚南道の貧しい農家に生まれた。高等学校を卒業後司法試験受験を決意。兵役を挟んで勉強を続け、1975年に合格、判事を務めた後、人権派弁護士として活躍した。1988年、民主党の金泳三に抜擢され政界入り。2002年、在韓米軍の犯したトラブルをめぐり、反米運動の盛り上がる中、2003年に第16代大統領に就任。2004年に大統領弾劾追案が成立し、一時退くがすぐに復帰、逆に大統領の権限を強化することに成功する。
北朝鮮とは、金大中の太陽政策を引き継ぎ、「核とミサイルが、外部の脅威から自国を守る抑制手段だという北朝鮮の主張には一理ある。」と理解を示す一方、経済開発では工業団地や金剛山観光開発に経済支援を行い、友好ムードを高めた。日本とは当初友好ムードであったが、歴史認識問題や竹島問題などで対立するようになった。また米国とは自由貿易協定を結ぶなど、関係改善に努力したが、就任以前からの反米主義は知れ渡っており、成功したとはいえなかった。
全体極左分子が政権をとったようにも見え、次第に国内でも反発を招き、2006年には統一選挙で野党が大勝するなどして、次第にレームダック化していった。
2008年、大統領を退任後、故郷に戻っていた。李明搏大統領の不人気と共に再評価の声が上がる一方、不正資金疑惑問題がクローズアップされてきた。側近・親族が次々逮捕され、本人の事情聴取などが行なわれているところであった。
韓国の大統領は、退任後政治生命を失うことが多い。生きて青瓦台を出られず、との言もあるほど。その風習はいまだに消えぬというのか。論理はどうであれ、首相を務めたことは、その国の一時期を築いた人、そういう人が引退後必ず不幸な目にあう、というのは、私には国民がまだまだ成長していないように見える。
激しい、立志伝中の人物。彼は自殺するとき、自分の人生をどう振り返っていたのだろう。運命だ、とする遺書には何か真意が伺えぬ。
中央大学理工学部教授殺害犯が逮捕された。犯人は教え子、卒業後、一流企業に勤めながらすぐに退社、その後職を転々とし、今はアルバイト生活。しかしこの学生は100万円のバイオリンを所有し、幼少時代はベンツで送り迎えされた、とも週刊誌は報じる。こちらは、要するに人生に甘えていたようにみえる。教授を殺した後、彼は一体どう感じたのだろうか。
あれも人生、これも人生である。人生は誰にも一度だけ与えられている。トライアルは許されない。行きっぱなし。前例があるわけでもない。人はある状況が与えられたとき、環境と自己の能力と自分の過去を参照しながら思い思いの行動をとる。その判断と結果が、次の状況を与えられたときの判断基準のひとつを作る。その繰り返しを何十年と繰り返し、今の自分がある。
素晴らしい人生とひどい人生とどう区別するのだろう。よくわからぬ。
前大統領のごとく激しい問題意識を持つこともなく、さりとて殺害犯のように、甘えて自己を破滅させるわけでもなかった今までの私、諺で言えば「沈香も炊かず屁もひらず」の人生なのか。
24日に68歳。自分自身の誕生日をどう祝うのか。定年で会社を辞めたとき、自分の送別会を自分でやろうと考えた。自分で会場を決め、案内状を作った。最後に総務が動き出した途端、公に近いものになり、会費制になってしまったが、内容はほぼ私が考えていたスタイルになった。
世の中は、誰も結局は、自分中心に自分のやるべきことを考える。人のことなど億劫だ。定年だろうが、誕生日だろうが、葬式だろうが、祝ったり泣いたりする風習があるから、それにのっとっているにすぎない場合が多いのだと思う。そういったものに一番関心があるのは本人である。本人がやりたいようにすればいい、と最近考えている。
ガールフレンドのAさんが、思い出したように「そうだわ。あなたのお誕生日だわ。どんなレストランがいいかしら?」といった。いつもと違ってレストランの費用は彼女が払うだろうが、彼女自身もそういったところで食事をしたいのではないか、と考えた。私は「お祝いの目的は、僕が喜ぶことだろう。君と我が家で食事をしたい。食事をつくることはなれているから、僕が作るよ。心配なら毒消しを飲んでおいで・・・・・。」
結局「私のときは高級レストランにしてよ。人が作ってもらうおいしいものを、いい雰囲気で食べるのがすきなのだから。」という条件付で、我が家で食事ということになった。
「姿かたちはその桜鯛だが、今日のお勧めはこれ。」と魚屋は金目鯛を薦める。
金目鯛は、刺身と煮付けに変身、鮎は塩焼きにして食った。そしてワイン、原価が高いせいか?ことのほかおいしく感じられた。Aさんも満足の様子。
しかしこうしたことはいつまで出来るのだろう。彼女も帰り、洗いものも済まし、後は寝床に入るだけになってふと思った。
註 ご意見をお待ちしています。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha
読者から次のメールをいただきました。
小生の知り合いに没落貴族のひとがいる。昔大名家、戦前は男爵家であり
女中に送り迎えされて学習院に通った若様だが、今は没落、陋巷にあり、
つつましい生活を送って居る。世が世なら小生が口を聞ける相手ではない。
でもこの人はすごく明るくいきいきとしている。不撓不屈、高齢者にもかかわらず接
触する
相手に活力を与えるような人である。週刊誌にも一度出たことはあるが、
こんな人を見習いたいものである。