「これから先はどうなる。」と聞かれて、最近「先のことは分からない。」とばかり答えている。世界の景気は少しづつ回復しているように見えるけれど、日本は特別、と言う思いがある。民主党政権になったらどういうことに成るのか。麻生政権が腐心した数々の景気浮揚策も消されてゆく恐れがりはしないか。
東京三菱銀行に行く。
株に回す自信がなく、定期預金もべらぼうに金利の低い世の中。そのまま放っておいた金が少したまった。私の担当の美人社員がそれを見つけ「東京三菱銀行の出す債権を買わないか。」というものである。2%くらいになるらしい。
劣後債・・・・会社がおかしくなったとき一般株式に較べれば保証されるが、他のあらゆる債権に対して後回しにされる債権。しかしこの先、東京三菱銀行がおかしくなる可能性があるだろうか。それを考えて少しはのってもいいと考えた。
私の持っている債権に、この欄でも紹介したがワールドリートオープンがある。
世界の不動産市場に投資し、その収益を分配しよう、と言うものである。
3年近く前、購入したとき基準価格、つまり一株あたりの価格に当たるものは16000円もした。後から考えればバブルの頂点だったわけである。
それまで上がっていたものが、買った途端、下がり続け、次に難平買いをしたときには11000円くらいである。何とかならぬかと思っても下げ続け、あのサブプライムショック。とうとう4500円くらいまで下がってしまった。
配当もピーク時、つまり最初に買ったときの75%に下がっている。
しかし価格が3割以下になり、配当が75%に下がっただけのため、利回りがものすごく改善された。今16%くらい。この配当が続くとするなら、いい投資なのである。
状況を眺めると、基準価格は、4500円程度で最近は落ち着いているように見える。
しかも世間の声ではアメリカの住宅不況は底を打った、との観測が出始めている。新築住宅や中古住宅の販売が少しづつ戻り始めているようだ。
円とドルの関係については、先行きが見えない。世界的に見ればどちらも弱い通貨に見える。これから強そうなのは新興国、特に資源国や若者の多いアラブなどだ。しかし新興国通貨は、一度ことがあれば、大暴落することは、昨年来の不況が教えている。中国元は買えない。
円が高くなる要素、サブプライム前の日本のように輸出がプルして、あの栄光を取り戻せるか。しかし若者の減少、中国の発展等を考えれば期待できそうにない。しかし一方で対ドルで円に対して上がる要素も見つけにくい。アメリカの景気が急激に回復するとは思えないし、目玉に掲げる環境分野だってそれほど画期的なものが出るとは思えない。
すると当面そんなに変らないのではないか。
結局当初予定していた金額を半分にして、それぞれに投資することにした。
美人が書類を作る間、課長と言う男と話した。彼は証券に長く居たらしい。
ずばりこれから市況はどうなるか、と聞くと、彼はなかなか強気である。
「早ければ年末に、遅くとも年度末には12000-13000円をつけるのではないか。」
「しかし民主党政権が出来るとどうなるとわからない気がする。麻生政権は最後になってかなりバラマキ政治をやった。ところがそのための補正予算の執行を、政権をとったら凍結すると言っている。」すると彼もそこは気がかりらしく、「その可能性はある。しかしもう9000円を割ることはあるまい、政治は株価に影響を与えるが絶対的なものではない。息切れの心配もあるが、とにかく足元の数字は改善されている。」と言う。
彼はそういいながらあのドイツ証券の武者氏のレポートを持ち出してきた。武者氏はかって悲観主義で押し通したが、最近は妙に強気になっている。
「2009年3月9日が大底であった。あれから世界の株式市場時価総額は50%もふえた。「今回の金融危機は「米国の過剰債務や過剰消費と言う経済構造に欠陥があり、景気対策や金融機関救済は非力で景気回復は望めない(または緩慢でL字型)」と言う悲観論では、到底説明できない堅調振りである。この悲観論が、実はおおきな論理欠陥を持っていることに気がつけば、壮大な株価上昇というシナリオに行き着くことを認めるべきである。「需給の異常な悪化―>証券大暴落―>経済の急収縮」と言う悪循環は「需給の劇的改善―>証券急騰―>実体経済のV字型回復」という好循環に大転換しつつある。」
武者氏の判断にのるべきかのらざるべきか、判断はいつも証券会社が掲げる「自己責任」というやつになろうか。
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