788「68歳にして大山完全踏破!」(8月12日(水)小雨後曇り)

高等学校同期による山の会。今日は大山、小田急線秦野からバスで蓑毛。.
「大山を完全に走破できれば大体の山は登れる。」という人がいるとか。なかなかタフなコースらしい。下見に行ったAさんは何度も足をつりそうになり、あのツムラの68番のご厄介になったそうだ。私も今回はリュックにそれを用意した。彼女は、B君と安全をとって、バスで直接ヤビツ峠に向かっている。残り8人が蓑毛(315m)からヤビツ峠(761m)への山道を進み、大山の頂上で落ち合うことにした。

登り始めて1時間くらい、山道は細くなり、急な斜面にへばりつくように続いている。降りてきた二人連れの若者が私たちに言った。
「この先、道がなくなっている。5、6mだから渡れるかも知れぬが気をつけて・・・。」
とにかく歩を進めると、まもなく現場。
細い山道が完全に崩れて、谷に落ちている。昨日まで降り続いた雨のせいか、それとも伊豆を襲った震度6弱の地震のせいか・・・。
ここで引き返せばあの二人と連絡が取れるかどうかすら分からぬ。是非このまま行きたい。
誰かが落ちた道の上を通って、向こうに渡ったらしく足跡が残っている。
両手に一切物を持たない状態にし、木の根、草の根、岩の割れ目を伝いながらまずC幹事がその足跡たよりに挑戦。はらはら見ていたが、とにかく向こうに行き着くことが出来た。それから私。斜面に体を預けるようにして同じように挑戦して成功。やがて残り6人も渡り、今日第一かもわからぬ難所を突破。
C幹事の指示で30分行ったら休む、を繰り返しながら進む。昔大崩落があったときのものと言うコンクリートスラブが山肌を覆う補強場所を通過すれば、やがてゴール。
もう67歳、68歳と言う年齢は争えない。それにおしゃべりをしながら歩くのは、一番体に良いのだそうだ。それをみなが信じるから、ガイドブックにある踏破に要する時間などあてにならぬ。蓑毛からヤビツ峠まで登りで1時間10分とあるが、8時15分に出て10時に到着。

ところがC幹事が「ここからがきついのだ。」と脅す。
崩れかかってはいるが、階段状に道は一応整備されている。しかし大山は標高1252m、標高差500m近く、勾配がきついのは当然と言えば当然。尾根道には時々眺望が開け、晴れていれば富士が見えるはずなのだが、霧がかかり何も見えぬ。やがて表参道から来る道との合流点、天気は回復に向かい、人の数も増えてきたようだ。二つの鳥居を抜けやがて頂上。あの二人がもう昼食を取っている姿を見つけたときに正直ホットした。
大山阿夫利神社。Wikipedeiaによれば、社伝には崇神天皇の御世に創建。延喜式神名帳では「阿夫利神社」と記され小社に列している。752年良弁僧正により神宮寺として雨降山大山寺が建立され、本堂に不動明王が祀られた。中世大山寺を拠点とする修験道が盛んとなり、源頼朝、北条氏、徳川氏など武家の崇敬を受けた。江戸時代には当社に参詣する講(大山講)が関東各地に組織され多くの庶民が参詣した。しかし不心得な輩を恐れてだろうか、頂上の神社は鉄のシャッターが閉まったまま。仕方なくシャッターに向かって手を合わせる。
とにかく楽しい昼食。D君が持参の立派なカメラで、記念写真も撮り愈愈下山。

今日は時間的にはまだ余裕がある。1時すぎ。しか見晴台に向かう下りも、なかなかきつい。階段に続く階段。私は中学生のときに大山に逆コースで登ったように記憶しているが、どんなだったかまったく記憶がない。少し眺望の開けたところで休んでいる一団がいたから「ここが見晴台ですか。」と聞くが、「とんでもない、まだまだ先です。」ようやく2時半頃到着。天気はよくなり、薄日が差し、見晴らしの良い広場には赤とんぼが無数に飛んでいる。それを子供たちが追いかけている。彼らの元気なこと!
大木が道をふさいでいたり、崩れかかって鎖の仕えぬところもあったが、これだけ下ったおかげで、阿夫利神社下社への道は比較的楽だった。
下社下まで来て「ここからケーブルに乗るか。それとも女坂を歩いておりるか。」みなで話した結果、5対5に別れ、私はやせ我慢をして歩く組。途中に大山寺があった。昔はこちらが中心だったのかも知れぬ、など適当に想像しながら、階段を降り続けると思いのほか早くついた。

旅館「もとだき」。お風呂に飛び込むと「おや、もうついたの。」とケーブル組のB君がびっくりした顔をしていた。それからすぐにビール、大山豆腐のおつまみ「このために苦労して歩いたようなもんだ。」と誰かの発言。壁に立派な木製の名札のようなものが飾ってあった。「落語家がここを定宿にしているのか。」と聞いたところ「大山講」のグループの看板、ということだ。

(翌日、後記) 人によっては「たかが大山!」というかも知れぬが、標高差900m以上、私にしてはよくできた、と達成感一杯。この調子で10月に行なわれる安達太良山行きにも参加したいと考えている。ふくらはぎが固まってしまった感じ。痛い。スポーツクラブに這うようにして出かけ、風呂だけ入って退散。ところであの大山講というのは今でもあるのだろうか、ふと疑問に思った。

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