801「身の回り三尺の世界」(10月6日(火) 雨)

台風が近づいており。その前線の影響で天気が悪い。
8日と9日に一泊で安達太良山に行くというのに、テレビでは「8日、9日の台風は日本を縦断する見込み」・・・・・うーん!
2年位前に、我が家から30キロ以上先の青梅や八王子あたりまで歩いた。歩いた距離は道路に、設置されている自動車用の距離表示を利用した。ところが時速6キロ以上の計算になる。早すぎる気がして表示が間違えているんじゃないか、と思った。
最近スポーツクラブでウオーキングマシーンに乗り、実際にどのくらいの速度で歩けるものか、トライしている。結論は時速6.5-7キロくらいまでは可能、と分かった。それ以上なら走らねばならぬ。朝、時速6キロ、傾斜5%で1時間ほど歩いた。300m登ったことに成る。退屈だが、それほど疲れた、とは感じなかった。

その後、高校時代の友人A君と待ち合わせてスパゲッテイの昼飯を食べた。
A君との会話。地球温暖化で海面の高さがあがり、高さの低い島国や海岸部の低地帯が沈んでしまうと危惧されている。一方で砂漠化が進行して、人々が生活できる範囲が狭くなっていると言う。そして地球の周りにある水の量は太古以来変わっていないという。それならなぜ、海面の高くする水を砂漠に持ってゆくことをしないのだろう。

そういえば高度成長時代にサハラ砂漠にビニールで山を作る、と言う計画を聞いたことがある。日本に雨が多く四季があるのは、周りを海に囲まれ。中央に山脈があって海から蒸発した蒸気が、風邪に飛ばされて山に当たるからだ、というようなことを聞かされた。それを砂漠の真ん中でやろうと言うのだろう。しかし余りに大事業であったのか、維持管理が大変なのか、その後進んだ、と言う話を聞かない。

エネルギー問題なんて屁の河童だ、日本の回りの海に、日本の国土の3分の一くらいのソーラーパネルを設置すれば、それだけで日本は石油を輸入しなくてすむ、そんな話もあった。話を聞きながら、パネルの下の海の生き物がどうなるのだろう、漁業補償が大変だ、と思った。この話をぶちあげた某大学の先生の講演会に行った。大企業に命令口調でえらく鼻息が荒かったが、その後実用化に向かっていると言う話は聞いていない。
人間の能力はまだまだだ。特に自然をコントロールするレベルになるとからっきしだめだ。

科学者は期待をこめて技術の将来を語る。期待だから当たることもあるけれど、あたらぬこともある。それを素人が自分の期待にあわせて、すべて信じて見せたり、嘘だといってみたりする。本当のところは分からない。鳩山内閣が25%の二酸化炭素削減を打ち出した、しかし実際にやると、ほとんど自動車はハイブリッドカーに電気自動車、照明はLED、あちらにもこちらにも風力発電に太陽光発電になるらしい。技術を鵜呑みにしていないか、とちょっと心配。それに需要サイドが、そんなにたやすく動くものか。補助金をつければ可能の考えもあるが、どれだけ税金がかかるやら。また本当に電力やシリコンパネルを作る段階まで入れて、二酸化炭素削減に効果があるのか。他の技術だってまだまだハテナ記号のつくものが多い気がする。全部可能と仮定して机上で作った計画に、どこまで実効性があるやら・・・・。

今度の内閣のもう一つ心配なこと。どうも政策が内向きでないか。景気が悪くなったときに二つの考えがある。産業を保護する、公共事業を増やす、需要を喚起する、などして景気を良くしようとする。もう一つは入ってくるものが減るのだから、予算を削り、落ちこぼれそうになるものに手当てを与えようとする。後者は一見人間的に見えるけれども、明治維新のときも、敗戦からの復興においても、日本が成功した理由は、前者を採ったからではないか。一方で技術は、常に前を見て語らなければいけない、と感じる。その発展があるからこそ日本の未来が見えるのではないか。

ある政治家が、所詮人間は自分の周り3尺のことしか分からぬ、と言っていた。そのくせ十里四方を見渡したようなことをいい、政治家は、自分の思う方向に世の中を持ってゆこうとする。私はもう年齢、余分の人生を生きているようなものだ。大言壮語する頃はすぎ、自分の頭の上の蠅を追うことに専念せざるを得ない。新GNP・・・・元気、長生き、ぽっくりは世のため、子のため、自分のため・・・・・。

A君によると、高齢者用のオムツの消費量が赤ちゃん用のそれより多くなったとか。「この前も町を歩いていたら、元気のおばさんが3人、その後をよたよたと、尻の辺りのやけに大きいおじさんが歩いていた。あれはオムツだな。俺たちもいずれああいう風になるのか。」と心配している。彼の場合は、若い奥さんと長期のクルーズにゆくことを計画中、というから、当面そんな問題はないのだろうけれど・・・・・・。
家に戻ってパソコンを開くと安達太良山登山は中止、とのメールが幹事から入っていた。

註 ご意見をお待ちしています。
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読者A氏から、次のようなメールをいただきました。

公約は膏薬:貼り替えれば効き目が出る
これは小沢さんの口癖
確かに打撲のときに実際に膏薬を使ってそんな経験があります。
本物の膏薬に関しては名言とおもいます。
公約に関しては真実のところよくわかりませんが。現内閣はいたずらに功をあせって、出来ない公約を実行しようとしているからひずみも出る。
ここは小沢ばりに割り切って原点に戻って考え直した方が良いのではないか。

またB氏から次のような長いメールをいただきました。

☆マニフェストとは何を意味するのか

少し前のテレビ番組で厚生労働大臣に就任する長妻昭氏が政権公約を振りかざして「メディアの中には君子豹変せよと言っているところもあるけれども、我々はこのマニフェストに書かれたことを実現するために政権を獲ったのだ」と力説していた。前原国交大臣は、高速道路の無料化にこそ幾分慎重な姿勢を示してはいるものの、八ッ場ダム建設については「マニュアルに書いてあることですので中止します」と断言した。住民間の対立を乗り越えてようやく建設が決まり、実態工事も始まっているのに、あっさり中止だという。「今さら中止は本当に困る」という地元の声や利水料として1500億円もの資金を投入した東京都を始めとした関係自治体の主張にも耳をかさないばかりか政府として自治体に金を返すとまで明言している。しかしメディアなどは取り上げられていないものの国益の観点から大きな論点が抜け落ちております。
先日、本件で知友の民主党藤末参議院議員に以下のメールを送りましたが、彼からも「全く同感であり、総合的な判断が求められる」という返事がありました。民主党の中でも一枚岩とはなっておりません。

「民主党が政権をとり、新しい時代の幕開けとなりました。大いに期待しております。
前原大臣も八ッ場ダムの廃止問題で御苦労されてますが、一つ大きな論点が抜けております。
現在、地球温暖化問題とも関係があり、また経済発展と人口増加により世界的な水資源争奪戦が顕著になっております。
特に、中国、オーストラリア、中東、アフリカ、シンガポールなどは慢性的な水不足により、自国だけでなく海外の水資源を求めて戦略的な行動をしております。東南アジアはモンスーン地帯で一般的には降水量が多いのですが、シンガポールは地形が平地で貯水がしにくいという沖縄と類似した特徴があり、水の70%をマレーシアやインドネシアから購入しております。両国間で政治的な軋轢が生じますと、水をストップさせると恫喝されたり法外な値上げ要求が何度も出されてます。
日本は世界的には降水量が多く、水資源は豊富だと思われているかも知れませんが、バーチャルウオーターを大量に購入しており、今後は高い代償を払わされることが懸念されます。
八ッ場ダムを政府が放棄すると、関係自治体に対する千数百億の負担金返還だけでなく自治体の水利権がなくなります。
そこに、国の名前を挙げるのは外交上問題ですが、例えば中国が残りの事業費を肩代わりするとどうなるでしょう。
中国が国際的なPFI事業を行い、たった千四百億円の事業費で八ッ場ダムの利権を抑え、関係自治体が必要とするときは料金を徴収し、また自国の水需要に対して水源として利用することも考えられます。また、将来、バーチャルウオーター(VW)の価値が高まった場合に日本からの食糧輸入に伴うVWの取引に使うこともあるでしょう。
このように考えると、八ッ場の問題は防災や地元の生活者、関係自治体の水利権も問題にとどまらず、国際間の水資源争奪戦にも大きく関係するわけです。
大多数の国民はマニフェストを理解して投票したのではないのですから、リアルな政治を進めていくには理論武装をした上で早く、収束するほうが民主党にとってもまた政府にとってもベターな選択ではないでしょうか」
このことは八ツ場ダムの問題だけでなく各所にみられますが、マニフェスト原理主義とでもいうべき言動を目のあたりにすると、やはり、今回の「政権交代」には大きな疑問符を付けざるをえません。
マニフェストというのは芝居で言えば台本のようなものです。一言一句変更の必要のない完成度の高いものから、稽古場で手直ししていかないことにはどうにもならないものまであります。民主党のそれは、言って見ればそれまで掛っていた別の一座(自民党)の芝居との違いを際立たせるために、全体の構成も脈絡も無視して、とにかく場当たり的にどぎついセリフばかりを並べただけの駄作に近い。そのまま上演すればたちまち破綻して、観客は木戸銭を返せと騒ぎ出すでしょう。それでも、マニフェストに書かれていることは、いくら中身がとんでもないものであっても、公に提示された公約であり、有権者は覚悟の上で民主党を勝たせたのだから、民主党と国民は共同正犯だとでもいうのだろうか。外交や安全保障などは相手との信頼関係なしには成り立たないし、マニフェスト原理主義の罠に早く気付いて貰いたいと思います。