オバマ大統領にノーベル平和賞が授与されることになり、賛否両論わいている。
受賞理由(サンケイ新聞)より抜粋:
「核兵器のない世界に向けたオバマ氏のビジョンと働きに特別な重要性があることを認める。オバマ氏は大統領として、国際政治に新たな環境を生み出した。国連や他の国際機関の役割を重視した多国間外交が主流の位置を取り戻した。たとえもっとも困難な国際紛争であっても、対話と交渉が解決の手段として選択された。
核兵器のない世界というビジョンは、軍縮と軍備管理の交渉を強力に後押しした。オバマ氏の先導のおかげで、米国はいま、世界が直面する大きな気候問題に対処する上でより建設的な役割を果たしている。民主主義と人権はより強固となる。
オバマ氏の様に世界の注目を捕らえ、人々によりよき未来への希望を与えた人は、ごくまれにしかいない。彼の外交姿勢の基本には、世界を先導する者は、世界の大半の人々が共有できる価値観と心構えを持って臨まねばならないとの観念がある。」
ノーベル賞の選考について国立科学博物館サイトによれば
「・・・・平和賞は、ノルウェーの国会によって選出された5名の委員会により選考・授与されています。・・・・」要するに平和賞はノルウエー国会の現在の意向と考えられる。
新聞などからいろいろな人の意見を集めてみる。
「本当に素晴らしく嬉しい」・・・被爆体験のある広島市歴史研究家
「オバマ大統領が核廃絶の流れを作ったことは確か。非常に嬉しい。これを契機に核兵器がどんなに、恐ろしいものであるか、改めて全国の人に知ってもらいたい。」・・・・長崎市被爆者
「言うはやすし、責任はたして」・・・・広島市被爆体験者 (以上日本経済新聞)
「ノーベル賞委員会が「自らに『自爆テロ』を仕掛けた、賞の権威が下がった。」・・・・米国保守派論客
「アフガンに追加派兵した男に平和賞を与えるのはバカげている」と批判。「オバマはノーベル『暴力の助長と市民殺りく』賞を受けるべきだ。」・・・・タリバン
「オバマ氏はまだ世界の平和のために何も達成していないし、将来達成することもできないとしている」・・・・ロシア極右政党党首
「授賞決定は「米国の(過去の)少なくない大統領がとってきた大量殺りく政策への批判」
・ ・・・・キューバカストロ首相(以上スポーツ報知)
また中国のインターネットアンケートでは、ノーベル賞受賞はふさわしくない、と言う意見が圧倒的に多いという。「オバマ大統領は一体何をしたのか?」、「夢を語るだけでノーベル賞が取れるのは疑問」、「世界が不安定な原因はアメリカにある」
ノーベル平和賞といえば、日本では佐藤栄作が1974年に受賞している。
1967年に「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」と表明し、日本の平和国家としてのあり方や平和外交に礎石を残したことが評価されたらしい。しかし1964年に中国が初の核実験を成功させたことを受けて、1965年に行われた日米首脳会談で、当時のジョンソン大統領に対し、日本の核武装を否定した上で、日本が核攻撃を受けた場合は日米安全保障条約に基づいて核兵器で報復する、いわゆる「核の傘」の了解を求め、大統領も「保証する」と応じたそうだ。日本の国益を考えれば当然のことと思うけれども、何か日本の使わぬことは決めるが、他国は使うことは知らない、といっているようにも聞こえる。
ノーベル賞を後から剥奪された例は過去にないようだ。しかし後から考えればこの佐藤栄作氏の例も含めておや、と言うような例も多い。
たとえば金大中氏。功績として揚げられた南北首脳会談は、後になって北朝鮮に流れた不正資金によるものと判明した。ダライラマ氏やアウンサンスーチー氏のように、あるサイドから見ればノーベル賞ものだが、反対勢力からみればとんでもない、と言うような人もいる。さらにこの関係のウエブサイトを調べていると「なぜ池田大作はノーベル賞がもらえないのか。」という普通の人なら耳を疑うような内容のサイトまであった。
今回の受賞は受賞決定機関の言ってみれば「意見と期待の表明」とでも解釈すべきものなのだろう。決して絶対的なものではない。そしてノーベル賞というもの自体が名誉と賞金は大きいものの、ことさら特筆すべきものではないようにも感じる。
今回の受賞が妥当であったか、否かは、何年かひょっとしたら何十年か先になって判断されるべきものと考える。
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読者から次のメールをいただきました。
ノーベルはもともとダイナマイトを発明して財を成したのですね。
原水爆を作って財を成した人は居るのでしょうか。
それにしても業績に対して与えるのではないのですね。
マスゲームをやらせている金正日には芸術関係の賞が
そのうち与えられるのかもしれませんね。