先週の金曜日に108号室のAさんから電話がかかってきた。
「今朝、玄関の二階からポタポタ水がたれてきて、その辺水浸しになってしまったのです。あわてて拭きましたが、会社に行かなければ成らないのでそのまま出かけました。」
会社から電話をしているということだ。
8時半頃になって電話がかかってきたので出かけると、猫がにゅーと顔を出した。契約のときに猫を飼っていいかと、言われた客だ、と思い出した。出るときに何もなくても敷金を1か月分いただきます、と言う条件で契約した。20代の中々きれいな女性、こういう客は言われなくても訪問したい?彼女の説明ではその後は漏れていないようだ、と言うので、週明けに大工に見させることを約束した。
家に戻って食事をしているとまた電話。108号の上に住む208号室のB君からだ。私も知っている通信機器関係の会社に勤めている若いお兄さんである。
「お風呂に入ろうと思って、ガスを点火したが、エラーが出てしまう。」
お風呂は落とし込み式で、湯沸かし器は屋外についている。早速室内のリモコンを押してみる。何かする様子だがやがてER5と表示され、止まってしまう。この湯沸かし器は平成5年頃アパート建設と同時に設置した。もう故障してもおかしくない。こちらも
「月曜日に大工と必要ならガス屋にみせるから。」と言って了解してもらう。「仕方ない、銭湯にゆくか。」風呂代を払うべきか、とも考えたが、別のことを聞いた。
「下で水漏れが起きたといっているが、何かしなかったか。」
「朝、お風呂に張った水は少し沢山流した。」との返事であった。
家に戻って考える。「ER5が分からぬが、湯沸かし器が故障していることは間違いない。運転している頃、水漏れがあったのだから、湯沸かし器が水漏れを起こしたのではないか。」
月曜日に大工のCさんがやってきた。中々熱心で器用な大工でかなり信頼している。
208号室は同じ状態。やはりER5が出る。Cさんがメーカーに問い合わせてみると「点火しない」ためのエラーであるという。
カバーがかかっているから分からぬが、湯沸かし器自自体は異常なく見える。「きっとリモコンか湯沸かし器の基盤がおかしくなったに違いない。メーカーに問い合わせてみます。」
さて問題の1階。天井裏を覗いて給水管、配水管等をCさんと点検する。
「どこも漏れている様子がありませんよ。漏れた様子もありません。配水管からの漏れだと黄色いしみがつくんですがねえ。」メーカーに問い合わせることにし、また異常があったら連絡して下さい、と余りほめられない返答をした。
水曜日頃、Cさんから連絡が入った。「あの湯沸かし器は、もう製造して16年が経過するので部品がない。交換したい。」13万と言うが仕方が無い、とOKを与えた。
ところが金曜日になってCさんから電話。
「工事の日を打ち合わせようと思って、208号室に電話をしたところ、「あの後、風呂に入りたくてガス会社に電話した。すぐに飛んできて、元栓が遮断されていると言って、ガスメーターについているボタンを押すと正常に動き出した。でも湯沸かし器は、取替えてくれるんなら取替えて下さい。」と言うんです。私たちの判断ミス、湯沸かし器は故障しているわけではないので、発注は抑えました。Bさんからの電話は逃げています。」
ガスの元栓の自動遮断は、確か@異常に長く使ったときA地震などの災害時Bガスもれを検知したとき、などのはずであった。昔はガスの一酸化炭素が含まれていた。だからガスの元栓を外からしめてまた開けると、室内ではガス漏れが起こり、犯罪に使われる可能性があると騒がれた。今回も誰かがいたずらでガス栓を閉めて開ける、を行なったのではないか、と心配した。しかし東京ガスに電話するとそのケースはまずない、とのこと。
以下迷探偵阿笠の推理・・・・・
B君が風呂にお湯を出したが忘れて、長いこと放置したのではないか。お湯はあふれて、ユニットバスから飛び出し玄関にまであふれた。そのためAさんの108号室で漏水騒ぎを起こしたが、水道栓を止めてあたりを拭いたから、その後何も起こらない。元が水だから壁紙が汚れることもない。湯沸かし器は運転を続けたが、余りに長時間になったので、ガスメーターの自動遮断装置が働いてしまった。後からお湯をだそうと思ってもガスが来ないから、点火不良でER5・・・。
言われてみればなんでもなく、元ガス屋の阿笠探偵としてはお恥ずかしい・・・・・。
208号B君にはお風呂代を払おうか、と考えていたが逆に説明して文句を一つ、108号のAさんはもう一度訪問して・・・・。
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