82 「ツツジの話 」

6月、中ごろ母校の仲間に誘われて、甘利山に行った。橙色のレンゲツツジが真っ盛りでそれは見事だった。それまでレンゲツツジなどと言うものを知らなかった。それどころかサツキとツツジの区別もつかないくらいだった。

ツツジについて少し知りたいと思った。しかし、インターネットででてくるツツジは花の写真ばかりで体系的にわからない。図書館に行くのだが、これがまた栽培の仕方の本などが主体で、ツツジなるものを教えてくれる本がなかなか見つからぬ。
結局、本屋で「日本の樹木」(山と渓谷社)と中井将善という人の書いた「毒草100種」なる本を買ってきた。
前者は分厚い5000円もする本だが、とにかく掲載されている植物の写真が多く、きれいであり、見ていて楽しくなる。

それによると、ツツジ科の植物は被子植物双子葉合弁花類に属する。合弁花類というのはツツジの花が散ったとき、桜のように花弁単位でバラバラにならず、根元でくっついていることを思い起こせば納得できる。
日本にはツツジ科の植物は、22属、91種あるのだそうだ。一般的なツツジにはムラサキヤシオ、アケボノツツジ、ヤマツツジ、ミツバツツジ、キリシマ、ミヤマキリシマ・・・・・それぞれに群生すると美しい。
ツツジの名所は沢山あるが、ひとつだけあげると、時々青梅の塩船観音に行く。小さな山全体にいろいろな種類のツツジが植えられており、色とりどりの花を咲かせている。この次行くときは一つ一つ名前を確かめてみたい。

ツツジ科ツツジ属の中にサツキとシャクナゲが含まれる。
サツキが普通のツツジと違うのはどうやら咲く時期だけらしい。我が家の庭のツツジが満開のころ、花をつけぬものが数本あったが、1ヶ月ほどして花をつけたから、じつはサツキだったのだと思う。
シャクナゲがツツジ属に属するとは知らなかった。シャクナゲは特に豪華な花をつけ、葉もながっぽそくて、品がある。
ところで毒草100種を買ったのは、レンゲツツジをはじめとしてツツジ科の植物には毒のあるものが多いからだ。
レンゲツツジにはドクツツジ、オニツツジ、ジゴクツツジ、ウマツツジ、ベコツツジなどの聞くからに恐ろしい方言名がある。葉にはアンドロメドキシン、美しい花にはロドジャポニンが多く含まれ、いづれもケイレン毒で呼吸停止で死亡する。特に動物には強烈に利き、100%死亡するそうだ。おかげで山の高原、草原、湿地に自生するが、食われることなく大群生を作るらしい。我々が甘利山でみたものは橙色の大きな花をつけていたが、別に黄色い花をつける種類もあるという。
ツツジ科にはほかにも毒のあるものが多い。
「毒草100種」には、シャクナゲ、ホツツジ、イソツツジ、ハナヒリノキ、アセビなどがあげてあった。

ツツジ科で一番多いのはがツツジ属だが、それ以外の属についても一言。
我が家の庭に白いつぼ型の可憐な花を沢山つける木がある。すずらんの親類か何かくらいに思っていたが、ドウダンツツジといい、立派にツツジ科だそうだ。ドウダンツツジ属で、仲間には真っ赤な花をつけるチチブドウダン、ベニドウダンなどもある。
実をつけるものがあり、さらにそれが食べられるのだそうだ。スノキ属のもので青い実をつけるシャシャンボ、ブルーベリー、赤い実をつけるコケモモなどである。特にブルーベリーは栽培品種も多いという。
最後にインターネットによる雑学。ツツジは北アメリカ、ヨーロッパが原産といいながら、日本古来の花で、万葉集では「つつじの花にほへる君」と歌われ、源氏物語や枕草子にも登場する。現在でも群馬県の花はレンゲツツジ、栃木県のそれはヤシオツツジである。

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