沖縄県名護市長選挙で、普天間基地の受け入れに反対する新人が当選した。
首相は「一つの民意の表れ」だとする一方「ゼロベースで、国が責任をもって5月までに責任を出す」といい、官房長官は「民意の一つであることに変わりはないが、名護市辺野古は削除という案には立たない。」と困惑した様子。これに社民党、国民新党のほか、民主党の沖縄県の出身議員まで噛みつき始めている。
「日本の防衛はどうするのですか。」と問われれば「アメリカに守ってもらうより仕方が無い。」そうでない場合、二つ案がある。一つは日本が自分自身の軍隊を持ち、守ろうとすること、もう一つは、中国も北朝鮮もロシアも周囲の国はみな平和主義者だと信じ、軍隊など持たぬこと・・・・しかしいづれも日本人の多くは賛成できかねず、アメリカに守ってもらうより仕方が無い、と考える。
そのために基地が必要だが、国外に移転しては、有事のときに問題があることは目に見えている。アメリカが、基地もおかせてくれないような国を、何故我々が守ってやる必要があるのか、日本が外国に占領されてからおもむろに我々の基地から対策を採ればいいではないか、と考えるのは当然だ。日本中どこだって基地を歓迎する町はなさそうだ。
そんな状況を考えて、自民党政権は漸く沖縄辺野古ということで地元、米国との合意にたどり着いた。犠牲を強いられる辺野古には多額の援助をするという前提で、いやな役を沖縄辺野古に引き受けてもらうことにしたのだ。その苦労を理解しないで、反対、反対と叫んでいたツケがまわって来て、収まりかかっていた案をぶち壊してしまったのだ。
立場の違いを明確にしてもらわなければ困る。知事や地方議会は、その地方のためにものを考えればいいが、国会議員は国ベースでものを考えるべきなければいけない。ところが中には業界団体の代表が出てみたり、その地方の利益を図るものが出たりする。一方でそのようにドブ板に徹した者のほうが選挙に強い、そこのところ民主党の大御所はご存知というわけなのだが・・・・・。
沖縄の代議士選挙でも辺野古移転反対を旗印に当選した民主党議員がいるそうだ。しかし考えを変えてくれなければ困る、地方がそれがいや、と言うなら、時には国家は強権発動もありえる。角が立つが当然で、そうでなければ国家が成り立たなくなる。
基地問題と同じような問題は現在も過去も日本各地で起こっているように思う。
たとえばゴミ工場の建設がその代表例である。あんな臭いもの、環境を悪くするものなどどの地域だって来てほしくない。しかしゴミを処理してくれなくては困る。
斎場や墓なども同じ問題である。必要なことはわかっているが、そんなものが我が家の隣に出来ては大変と建設には反対の嵐が起こる。
大きな問題では、原子力発電所やその廃棄物処理場。鳩山首相は格好良く世界に温暖化対策のために日本は二酸化炭素排出量を25%削減すると明言した。世界は歓迎した。しかし電力はどうするのか。太陽光発電の力は大きいけれど日本全土をパネルで覆うわけには行かぬ、石油は使いたくない、となれば原子力発電に力点が置かれるのは当然。するとこういったものの建設と成るが、よほどの過疎でもない限り、いくら安全と言われたって、あんなものをわが町に作ってほしくない。ある人が「そんなに電力が必要ならいっそ新宿に原子力発電所を作ったらどうだ。」と発言したものいた。しかしそういう彼らも「じゃあ、君らのところに電力は送らないよ。都会で集めた税金をそちらに分配はやめにするよ。」といわれれば困ってしまうのがオチ。まさに「Not
in my backyard!」(我が家の裏庭だけはごめん!)。
民主主義とは、みなが自分が希望するように出来る世の中、と錯覚している人が多い。裏に全体の満足を大きくするために、個人が耐え忍ばなければ成らないことが多い、ということを忘れている人が多いのではないか、と感じる。
日本国民であることを忘れて、自分の、あるいは自分の地域の利益のみを考える。このような思想が民主主義と錯覚されて普及し、人々の心を毒した。その結果として今回の民主党政権が成立した、と考えるのは考えすぎだろうか。もしそうであるとするならば、新政権にもそれは出来まいから、政権交代が繰りかえされ、結局は国家の国際的地位が低下し、国際的な信用を失う、ということになってしまう。民主主義にはときに全体のために、あるいは多数のために一部の意見を圧殺することも必要である。
註 ご意見をお待ちしています。
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本件について何人かの読者からメールをいただきました。
A氏
まったく同感です。
小鳩さん−−−−小沢の配下の鳩なのでこう呼ぶ人が居るがーーーーその人は地方の結果を重く受け止めるといってみたり、国家間の約束は重いといってみたり、ゼロペースでかんがえるといってみたりして、その都度ご都合発言の連続で結局自分でパズルを難しく解けなくしてしまつているのですね。
B氏
普天間の関わりにおいて、国民は「他人の褌で相撲をとることに慣れすぎた」のでしょうか、自国の防衛、安全についてアメリカが何処まで守ってくれるのか(英語では助けるの意)マスコミを通じて公然と議論する国が、世界の何処いあるのでしょうか?こういう事態をなんら不思議に思わないおめでたい国民の意識に絶望すら感じて久しいこの頃です。人間として、国民の一人として「自分の事は、他人に頼らず自分でする」いう単純明快な、基本的考え方、否、古今東西を問わず事の本質です。この考えをしっかり理解せずして、平和でおとなしい日本人がj好んで口にする「民主主義」の社会に生きる資格があるのでしょうか。国際社会では相手にされず、かつ自分の意見を堂々と主張できる立場にない現実に早く目覚めるべきです。いつになっても「井の中の蛙」から脱却できない国が、not in my backyard と、威張って口にできるのでしょうか!普天間の問題をはじめ、最近世間を騒がしている鳩山政権、自民党の有様、その他諸々の問題を見ても、皆同じようにみえます。真面目に考えると、腹が立ちます。
C氏
本当に、海図なき政権ですね。お互い横町のご隠居さんという立場ですかね。
阿笠さんが言われるように普天間問題は、政権に何か成算があって決定を延期したとは、とても思えません。
地方選挙に国の基本政策を委ねるような、優柔不断な事では、国の将来は危ういです。ますます、混迷を深めているようで心配です。
私の本音?は、日米安全保障条約のもとで、本当にアメリカが血を流しても日本を守ってくれるのか、心配しています。
日ソ不可侵条約を破ってソ連が、満州に攻め入ったのもまさに、ソ連の国益だったのでしょう。いいとか悪いとかいっても始まらないことです。
国際関係とはそれほど非情なものです。アメリカが日本との同盟関係が国益と考えれば日本防衛に力を注いでくれるかもしれません、でも、尖閣諸島の防衛問題ではアメリカの駐日大使は否定的な発言をしたことは、記憶に新しい事です。アメリカも日本の領土問題の紛争まで軍事力で支援をしようなどとは毛頭考えていないと思います。
アメリカに基地を提供していることの反射的利益で日本が他国の侵略を受けなっかたと考える方が正しいのではないでしょうか。
鳩山一郎(いまの宇宙人のお爺さん)さんの自主防衛構想(吉田茂さんはとは対照的です)はもしかして長い目では正しかったのではないかとも思います。
日米同盟(と言っても片務的ですが)は、日本の戦略として、これまで日本の経済発展に成果を上げてきたと評価します;
でも、これから、台頭した中国が、アメリカ国債を大量に保有し、アメリカの国益がどの方向に向かうのか、日本がアメリカの愛妾(正妻はイギリス)でいつまでいられるのか、心ある人は心配ではないでしょうか。(太平洋をはさんで日米中の三角関係は日本にとって死活問題ともいえます、先の戦争では、米国と中国が同盟を結んだことでことが日本の命運を決めたのではないでしょうか)
私の理想としてはこ、れからの日本の安全保障は、アメリカ任せということではなく、(日本の自衛隊はアメリカ軍の露払いみたいな機能のようです)
日本が真の意味で防衛力を持って、同じ政治理念を持つメリカと連携して、中国に対してゆく、そして、日本の経済力に応じて、地域の安全保障に責任も持つということが、目指す方向ではないかと考えています。
D氏
いずれにしても困った問題ですね。
先日の「読売新聞」に、’52年のアイゼンハワーの大統領声明に「沖縄の基地は永久に返還しない」と書いてありました。少しショックに感じましたが、早く日本が普通の国にならないと、何も出来ない国になってしまいますね、
ゴミ問題もそうですね、自分に近くに作られるのはヤダけど・・・・。
かねがね思いますが、テボドンの一発でも日本に落ちないと日本国民は目が覚めないでしょう。