836「小沢氏VS検察、庶民の思い・・・2」(2月5日(金)晴れ)

東京地検特捜部は、政治資金規正法違反容疑で告発されていた小沢氏を不起訴処分にし、元秘書の石川容疑者等3人を同法違反で起訴した。
新聞によっては「検察の敗北」と書きたてるが、そのようには思わない。石川氏ら3人が小沢氏は直接には関係ない、と申し立て、資料からもその確証がえられないとなれば、やむを得まい。検察としては己の職責は十分に果たした、というべきであろうか。

この事件をどう考えるべきか、色々迷っていたところ、朝日ニューススター「ニュースの深層」で放送された元検察官堀田力氏の解説が、核心を撞いているように思われた。以下、放送の記憶を頼りに要点を書き出す。
「検察の独断と偏見で捜査が行なわれている、と非難するものがいる。」
そのように非難する人たちは、かって検察で取調べを受けたような人たちだ。自分たちの主張を通すために、行なっている発言である。
「証拠をでっち上げたり、見込み捜査をする、と非難するものがいる。」
証拠は、事実を深く追求してゆくうちに、自然につみあがってくるものである。でっち上げたような証拠は、裁判になればすぐに弁護人に追及され発覚してしまう。
「国会の会期が迫っているときに捜査を行なう。意図的にやっているのではないか。」
それは、たまたまそうなっただけのことだ。
「たかが記入漏れ、今回の処罰は重すぎる、と言う人がいる。」
記入漏れだけを捕らえているのではない。その背後にある巨悪を捉えようとしているのだ。政治資金規正法における公開の狙いは、国民に政治にかかる金の収支をオープンにしようというものだ。それを意図的に隠すとすれば、オープンにしてはいけない事実があるということではないか。金額も巨額であり、無視できない。
「今回どうして小沢氏の起訴に踏み切れなかったのか。秘書に真実を言わせられなかったのか。」
政治家の秘書の口の堅さは、サラリーマンなどとは比べ物にならない。一旦言わないとなったら、梃子でも言わない。言えば、自分の政治生命がなくなることを知っている。秘書3人と小沢氏の証言が、小沢氏は知らないで一致し、かかわったと見られるゼネコンも口裏を合わせてしまっては、対処のしようがない。臆断で起訴に持ち込むことは出来ない。
「田中・金丸以来の金権体質を小沢氏は受け継いでいるのか。」
そのように感じてはいる。ああいう人たちは、企業などからの金の集め方、処理の仕方がうまい。個人の金とそのような手法で集めた金が、ごっちゃに扱われているところがあるのではないか。
「これで一件落着、捜査は終わりということか。」
記載の問題については、終わりであろう。しかし疑問に思うとこと、一般からの要請にはこれからもこたえてゆく。つまり今回積み上げた事実をベースに、それ以上のものがでるようなら、さらに追求を続けるということだ。

大体以上のようであった。灰色であってもクロと断定できなければ、告発することは出来ない。当然である。しかし、だからといって小沢氏の疑問が氷解し、潔白と言い張れるのか、と問題である。「政治と金の話はさっさと切り上げて、国の将来を決める予算審議をしろ。」というのは無茶区茶、国会での弁明や喚問は当然と考える。

話は変わるが、当局の捜査のあり方は年々難しくなってきているように思う。被告人は黙秘権を盾にしゃべらぬし、ちょっと行過ぎれば弁護士と相談して人権侵害と騒ぎたて、更には法廷で調書は脅されて書かされた、犯罪が証明されても心身喪失状態だった、などと言い立てる。その上捜査の完全可視なども検討されている。
そんな中で今回は、一部マスコミが検察の横暴を取り上げたり、民主党の国会議員が捜査の調査を行なおうとしたり、首相が小沢さんに肩入れするような発言をしたりした。
検察のメンバーだって一介のサラリーマンである。そのように動かれれば、わが身の安全を考えて行動することは当然である。普遍不党中立で彼らの判断で正義のために捜査をするのが彼らに与えられた役割である。また役割を果たさせ、民主主義を機能させようというのが国民の願いである。従って彼らを生かすも殺すも周囲の環境次第、ともいえる。検察の行動がすべて正しい、などと言うつもりは無いが、むしろ反省すべきはそういった民主主義の根本を脅かしかねない行動ではないか。捜査を行き過ぎではないか、などと述べた上で、「ここまでやっておいて起訴に持ち込まなかった理由を検察は説明すべきだ。」などという論調も賛成しかねる。

朝の新聞に、政府が今国会に提出する国家公務員法改正案についての記述。「内閣官房に「内閣人事局」を新設して官邸主導で幹部を選任するという・・・・」しかし一方で「独立性が高い組織は人事面でも考慮。検察庁、会計検査院、人事院、警察庁の幹部人事は原則として新制度の対象外とする。」・・・・当然のことであるが、ひとまず良かったと感じる。

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